さやか「ふぅー、危ない危ない」 ほむら「!?」(154)

ほむら「はあ…またみんなに迷惑かけちゃった…」

ダッタライッソ、シンダホウガイイヨネ・・・

ほむら(そう、いっそ死んだ方が…)

ほむら「……え?」

ほむら「そんな…どこ…ここ……!?」

ほむら「嫌……来ないで……!」

バシュン!バシュン!バシュン!バン!バン!バン!ザン!ザン!ザン!

さやか「ふぅー、危ない危ない」

さやか「もう大丈夫だよ、暁美さん」

ほむら「あ……え……?」

マミ「あら、知り合いなの?だったら…なおさら負けられないわね」

QB「彼女たちは魔法少女。魔女を狩る者たちさ」

まどか「いきなり秘密がバレちゃったね…」

まどか「クラスのみんなには、ナイショだよ!」

ドガァァァァン!

ほむら「魔法少女…?」

マミ「そうよ」

さやか「こうやっていつも町の平和を守ってるってわけよ」

まどか「私達がなったのはつい最近だけどね」

ほむら「鹿目さんと美樹さんは、どんな願いで魔法少女になったの?」

まどか「私は、猫を助けたんだ」

ほむら「え…猫…?」

まどか「うん」

まどか「死にそうだった猫を助けて、魔法少女になったんだ

ほむら「美樹さんはどんな願い事をしたの?」

さやか「え、私?えーっとねー……」

まどか「もう、いまさら隠しても仕方ないよ?」

さやか「あはっ、それもそうか」

さやか「…あたしは、幼馴染の腕を治したんだ」

さやか「そいつ、昔から天才バイオリニストなんて言われててね」

さやか「でも、事故にあって、腕はもう動かないって医者に言われて、塞ぎこんじゃってさ」

さやか「そんな姿が、見ていられらなくて」

ほむら「巴さんは…?」

マミ「……」

ほむら「あっ、ごめんなさい。もしかして、話しにくい事でしたか…?」

マミ「あなたが気にすることじゃないわ。あの時は、ああするしかなかったの…」

マミ「私は事故にあって、瀕死の重傷を負って、そこにキュゥべえが現れたのよ」

マミ「それで私は願ったの。助けて…って」

ほむら「そう、だったんですか…」

ゴォオオオオオ・・・

さやか「じゃ、いってくるよ」

ほむら「そんな…!無理だよ…逃げようよ!」

ほむら「ここで逃げたって、誰も美樹さんを恨んだりなんてしないよ!」

さやか「ここで逃げたら、多くの人が犠牲になる」

さやか「ワルプルギスの夜を止められるのは、もうあたししかいないもん」

さやか「ほむら。あたしね、今でも自慢なんだよ?ほむらが魔女に襲われた時、間にあったこと」

ほむら「美樹…さん…」

さやか「さよなら、ほむら」

さやか「元気でね」ダンッッ!!

ほむら「嫌!いかないで!美樹さぁぁぁぁぁぁぁん!」

ほむら「どうして…?死んじゃうってわかってたのに……私なんか助けるよりも、あなたに生きててほしかったのに…!」

QB「その言葉は本当かい?暁美ほむら」

QB「戦いの定めを受け入れてまで叶えたい望みがあるなら、僕が力になってあげられるよ」

ほむら「あなたと契約すれば、どんな願いも叶えられるの?」

QB「そうとも。君にはその資格がありそうだ」

QB「君はどんな願いでソウルジェムを輝かせるのかい?」

ほむら「私は……私は、美樹さんとの出会いをやり直したい」

ほむら「彼女に守られる私じゃなくて、彼女を守る私になりたい!!」

QB「契約は成立だ。君の祈りはエントロピーを凌駕した」

QB「さあ、解き放ってごらん。その新しい力を!」

和子「はーいそれじゃあ、自己紹介行ってみよう!」

ほむら「暁美ほむらです。宜しくお願いします!」

和子「暁美さんは心臓の病気で…あら?」

パシッ

さやか「…へ?」

ほむら「美樹さん。私も、魔法少女になったんだよ!」

ほむら「はぁ…はぁ…」

マミ「うーん、時間停止ね」

マミ「確かにすごいけど、使い方が問題ね」

ドォン!ドォン!

マミ「くっ!なかなか致命傷を当てられないわね!」

まどか「マミさん!私が…ほむらちゃん危ない!!」

ほむら「えっ?きゃあっ!」

ドゴォォォ!

さやか「大丈夫?ほむら」

ほむら「み…美樹さんこそ!}

さやか「あたしは大丈夫よ、この程度の傷、すぐ治せちゃうんだから!」

マミ「暁美さん!美樹さん!私がリボンで道を作るから、あの魔女を仕留めて!」

さやか「ほむらの時間停止は、手繋いでれば一緒に動けるんでしょ?」

さやか「じゃあ、あたしがあいつのそばまで運んであげるから、ほむらが爆弾で仕留めて!」

ほむら「…はいっ!」

シュルルルル・・・カチッ!



ドカァァァァァァン!

ほむら「やった?やった…」

さやまど「「やったー!!!」」

マミ「ふふっ、お見事よ。暁美さん。」

杏子「食物連鎖って知ってるか?学校で習ったよな?」

杏子「使い間が人を食って、それをあたしら魔法少女が食らう。当然のルールだよ」

さやか「あんたは…絶対許さない!」

ほむら「やめてよ美樹さん!私達が争っても何の意味もないよ!」

さやか「分かってる!でも……こんなやつ、同じ魔法少女として許せない!!」

杏子「ケッ!新米のくせに、知ったような口利きやがって!」

杏子「もしかして、人助けだのなんだののために魔法少女になったクチかい?アンタ」

杏子「魔法ってのは徹頭徹尾自分の為に使うものなんだ」

杏子「人の為に使ったって、碌な結果にならねーんだよ!」 ドゴォ!

ほむら「美樹さん!」

杏子「あっれー?全治3週間って具合にはやったはずなんだけどなあ」

ザッ

杏子「……何だよ。もしかしてアンタもなのか?」

ほむら「これ以上美樹さんを傷つけるなら、私が許さない!」

さやか「ほむらっ……アンタは下がってなさい……」

杏子「ったく…言っても聞かねえバカばかりかあ?だったら」

シュルルルル「おぉっと!」

杏子「後輩の教育ぐらいちゃんとやってくれよ、巴マミ」

マミ「……佐倉さん。私はあなたと争いたくないわ」

マミ「ここは矛を収めて立ち去ってくれないかしら?」

杏子「ちっ、この数相手じゃ流石に分が悪い」

杏子「言われなくても退いてやるよ」

まどか「さやかちゃん、大丈夫?」

さやか「もう…心配しすぎだよ…私は…平気……」

ほむら「あの、巴さん」

ほむら「さっきの子、知り合いなんですか?」

マミ「……ええ、そうよ」

マミ「ちょっと前に喧嘩別れしちゃってね」

マミ「…少し昔話でもしましょうか」

まどか「あの子、過去にそんなことが…」

マミ「ええ…あれ以来佐倉さんとは会ってなかったけど、今も相変わらずのようね」

さやか「あいつも…最初は家族の為に願って…」

ほむら「……」

杏子「会いもしないで帰るのかい?今日一日追い回したのに」

杏子「アンタが契約したのはその家の坊やの為なんだろ?」

さやか「…」

杏子「どうした?だんまり決め込んで」

さやか「…あたし、アンタのこと誤解してた」

杏子「はあ?どうしたんだいきなり」

さやか「マミさんから聞いたの。アンタの、過去の話」

杏子「なっ……ちっ、マミの野郎、余計なことしやがって」

さやか「でもね、私は人の為に祈った事を後悔してない」

さやか「その気持ちを嘘にしない為に、後悔だけはしないって決めたの」

さやか「この力は、使い方次第でいくらでもすばらしい物に出来るはずだから」

杏子「…っ!バカ野郎!私達は魔法少女なんだぞ!同類なんていないんだぞ!」

杏子「アンタはもう大きすぎる対価を支払ったんだ」

杏子「これからは、それを取り戻すことだけを考えて生きりゃいい!」

さやか「私はね、高すぎるものを支払ったなんて思ってないよ」

さやか「私は私のやり方で戦い続けるよ」

さやか「それがあんたの邪魔になるなら、前みたいに殺しに来ればいい」

さやか「私は負けないし、もう恨んだりもしないよ」

さやか「話って、何?」

仁美「私、ずっと前から、上条恭介君のこと、お慕いしていましたの」

仁美「私、決めたんですの。もう自分に嘘はつかないって」

仁美「あなたはどうですか?本当の気持ちと向き合えますか?」

仁美「私、明日の放課後に上条君に告白します」

仁美「丸一日だけお待ちしますわ」

仁美「さやかさんは後悔なさらないよう決めてください。上条君に気持ちを伝えるべきかどうか」

まどか「さやかちゃん、今日も一緒に見回り行こう?」

ほむら「…?どうしたの美樹さん?元気ないよ?」

さやか「え?そ、そうかな?そんなことないよーいつもの元気なさやかちゃんだよー?」

まどか「…さやかちゃん、無理してる」

さやか「え?」

ほむら「鹿目さんより付き合い短い私にもまる分かりだよ」

ほむら「悩みがあるなら、もっと私達を頼ってよ。私達、友達でしょ?」

さやか「……そっか、そうだよね。そんな当たり前のことも思いつかないなんて」

さやか「勝手に1人で全部背負い込んで、あたしって、ほんとバカ」

さやか「あたしね、好きな人がいるの。…っていうのはとっくに知ってると思うけど」

さやか「今日、ある子に宣戦布告されたんだ」

さやか「私もその人が好きでした。明日告白します。1日だけ待つのでどうするか考えてください…って」

さやか「あたし、今すぐ告白しに行こうかと思ったけど…そこで、思い出しちゃったの」

さやか「マミさんの、忠告。夢を叶えたいのか、夢を叶えた恩人になりたいのか、っていう」

さやか「あたし、このまま告白していいのかな?恭介や仁美に卑怯な女だって思われないかな?」

まどか「……ふふっ」

さやか「…?」

まどか「さやかちゃんともあろう人がそんなことで悩んでたなんて、びっくりだよ」

さやか「なっ…!そんなことって何よ!あたし、結構本気で悩んで」

ほむら「美樹さんは、魔法少女である前に、1人の女の子なんだよ?」

ほむら「好きな人に思いを伝えるのに、躊躇する必要なんて、どこにもない」

さやか「で…でも…」

まどか「マミさんだって、そんな意味で忠告したわけじゃないよ。きっと」

まどか「例え気持ちが実らなくても、他の人を恨んじゃいけないよって意味だったと思うよ?」

ほむら「…思いっきりぶつかってきなよ。結果は、あとからついてくるよ」

さやか「……」

さやか「2人とも、ありがとう。おかげで吹っ切れたよ」

さやか「あたし、今日告白する。こんな話に付き合わせちゃってごめんね」

ほむら「そんなことない。私、いつも迷惑かけてばかりだけど」

ほむら「今日、美樹さんの助けになれて、本当に嬉しかったよ?」

まどか「私だってそうだよ、さやかちゃん?」

さやか「もう。ほんっと優しいんだから、あんたたちは」

さやか「…じゃあ、行ってくるね」

プルルルル プルルルル

恭介「はい、上条です。…あ、さやか?どうしたの?」

恭介「うん、時間ならあるよ。……話?それって、ここで話しちゃダメ?」

恭介「…そう。分かった。今から行くよ。じゃあね」

ガチャ

恭介「直接会って話さなきゃダメって、なんだろう?」

恭介(話だけじゃなくて、渡したいものがあるとか?)

恭介(まさか…告白とか?いやあ、ないか)

恭介(さやかは、僕のことそんな目で見てないだろうし)

恭介「ごめん、待った?」

さやか「ううん、そんなことないよ」

恭介「それで、話って何?」

さやか「えっ?ああ、えーっとね…あのー…」

恭介「?」

さやか「そのっ…あ、あたし…」

恭介「あたし?」

さやか「あたし、恭介のことが大好きです!ずっと昔から!」

ごめん風呂入ってくるから保守頼む

帰還

恭介「僕だって、昔から好きだよ?」

さやか「えっ!?ホント!?」

恭介「なんだよ、いきなり改まっちゃって。僕たち友達じゃなかったの?」

さやか「あ…」

さやか「あのね、恭介。違うの。あたしは…」

さやか「1人の女の子として恭介が好き。友達じゃなくて、恋人として恭介が好きなの」

さやか「だから、恭介もそのつもりで私を見てほしい」

恭介「…さやか」

恭介「…ごめん」

さやか(ビクッ)

恭介「君の気持ちに気付いてやれなくて、ごめん」

さやか「…!」

恭介「僕ね。さやかがそんな目で僕を見てるなんて、思ってなかった」

恭介「幼馴染だったっていうのも、あったかな。今更そんな考えに至る事、なかったんだ」

恭介「だから、返事は1日だけ待ってほしい。1晩ゆっくり考えたいんだ」

さやか「恭介…」

さやか「うん、分かったよ。…明日は、絶対返事聞かせてね?」

恭介「ああ、約束するよ」



さやか「おっはよー!」

ほむまど「おはよう、美樹さん(さやかちゃん)」

仁美「…あっ、おはようございます、さやかさん」

まどか(…ねえ、どう思う?あの顔?)

ほむら(えっ、顔?うーん、なんだか微妙なライン)

まどか(OK貰ったにしてはあんまり浮かれてないし、フラれちゃったにしては明るいよね)

ほむら(もしかしたら、空元気の可能性も…)

まどか(うーん、確かにさやかちゃんはそういうとこあるけど…)

まどか(昨日の気持ちは本物だったもん。空元気でどうにかなるほど、軽い気持ちじゃなかったと思うよ?)

ほむら(そっか、そうだよね…。あ、もしかして保留にされちゃったとか?)

まどか(あー、それはありえるね…)

仁美「あの、さやかさん」ボソボソ

さやか「ん?何?」ボソボソ

仁美「…気持ちの整理はつきましたか?」ボソボソ

さやか「もう、なんで仁美がそんなこと気にするの?」ボソボソ

さやか「もうあたしたちはライバルなんだから、むしろ相手を蹴落とすぐらいの気持ちで行かないと」ボソボソ

仁美「そ、そうはいっても…」ボソボソ

さやか「…あたしなら、大丈夫。もうばっちり気持ちの整理はしてきたから」ボソボソ

さやか「その結果どうなっても、後悔なんて、あるわけない」ボソボソ

仁美「ふふっ、それを聞いて安心しましたわ」ボソボソ

まどか「はあー、そろそろ今月も終わりだねー」

ほむら「そうだねー鹿目さ…あ」

ほむら(そういえば、すっかり忘れてたけど…)

ほむら(今月の終わりには、あのワルプルギスの夜が来る!)

ほむら(あの時は、3人がかりでも倒せなかった…。私1人増えたところで、倒せるかどうか)ハッ

ほむら(そうだ!佐倉さん!佐倉さんがいる!あの子もすごく強かったし、5人でならあいつを…)

まどか「?どうしたのほむらちゃん?」

ほむら「えっ?な、何でもないよ…」

恭介「さやか、ちょっといい?」

さやか「え?何?…あ」

恭介「屋上まで、ついてきてくれるかな」

さやか「…うん」

恭介「昨日の返事、するね。僕、上条恭介は…」

さやか「………」

恭介「さやかが大好きです。こちらこそ付き合って下さい」

さやか「……!!」パァァ

恭介「さやかは昔から、こんな僕と一緒にいてくれた」

恭介「怪我したときも、いつも傍にいてくれたのはさやかだった」

恭介「さやかがいて、入院中もすごく気持ちの支えになってたんだよ?」

恭介「ははっ、こんなに僕のことを思ってくれてる人がいたのに今まで気付かなかったなんて」

恭介「…僕って、ほんとバカだった」

メガほむペロペロ(^ω^)

さやか「……」ポロポロ

恭介「え!?ど、どうしたのさやか!?」

さやか「あはは、なんでだろ。嬉しいのに、涙が止まらないの」ポロポロ

恭介「さやか…」

仁美「……」

仁美(そう、これでよかったんですの)

仁美(やっぱり、あの中に割って入ろうなんて、最初から無理だったんですの)

仁美(上条君には、さやかさんがお似合いですわ)

仁美(上条君、さやかさん、お幸せに)

仁美(私も、陰ながら応援…していますわ…)ポロ…

さやさやペロペロ(^ω^)

ほむら「はぁ…はぁ…。やっと見つけた…」

杏子「ん?えーと、アンタは確か…」

ほむら「暁美ほむらです。今日は、話があってきたんです」

杏子「話ぃ?まあ、言うだけ言ってみなよ」

ほむら「あなたに、力を貸してほしいんです」

杏子「ふーん、何に?」

ほむら「一週間後、見滝原にワルプルギスの夜が来ます」

ほむら「だから、あいつを倒すために力を貸してほしんです」

杏子「…嫌だね」

ほむら「そんな!あいつが来たら、多くの人が犠牲に」

杏子「なるだろうな。それがどうした?」

ほむら「っ!?」

杏子「人の命を気にする奴なら、使い間にわざと人を食わせたりしねえよ」

ほむら「でもっ!それとこれとは訳が違」

杏子「同じだよ」

杏子「1人殺そうが1000人殺そうが、それは等しく殺人者だ」

ほむら「…」

杏子「それに、私はもう人の為に魔法を使わないって決めたんだ」

杏子「…じゃないと、誰かを恨まずにはいられなくなっちまう。あの時みたいにな」

杏子「自分の為に使う分には気が楽だ。何があっても人を気にしなくていい」

杏子「大体、奴を倒したって、あたしにはなんのメリットもありゃしない」

杏子「風見野住みのこっちとしちゃあ、無理して倒しても何の意味もねえ」

杏子「ワルプルギス?そんなん放っとけば見滝原が破壊されておしまいだ」

杏子「…そういうわけだから、答えはノーだ。戦力ほしいなら他を当たってくれよ」

ほむら「…。わかり…ました…」

ほむら「一週間後、この町にワルプルギスの夜が来ます」

マミ「ワルプルギスの夜っていったら、超ド級の魔女じゃない」

マミ「それが本当だとしたら、対策を練らなきゃいけないわね。根拠はなあに?」

ほむら「それは…。私の、魔法少女になった時の願いに、関係してるんです」

ほむら「それで私は、1か月前に戻ってきたんです…」

マミ「なるほどね…。あなたの本当の力は、時間停止じゃなくて、時間遡行だったのね」

ほむら「はい。私が前にいた時間軸では、巴さんも、美樹さんも、鹿目さんも死んでしまって…」

ほむら「でも、今なら私だって戦えます。それに、もう1人」

マミ「もう1人?」

ほむら「…佐倉さんです。相談っていうのは、1つ目がワルプルギスの夜について」

ほむら「2つ目は、佐倉さんの事なんです」

ほむら「正直、私1人増えたところで、何も変わらないかもしれない」

ほむら「でも、あの人がいれば、強力な戦力になると思うんです」

ほむら「あたしじゃ、説得することが出来ませんでした。でも…」

ほむら「巴さんなら、佐倉さんを説得できると思うんです!」

マミ「…無理よ。あの子とは最悪な別れ方をしてしまった。今更中を取り繕うなんて…」

マミ「それに、あの時あの子を止められなかったのは、私」

マミ「私には、もうあの子と一緒に戦う資格なんて、無いわ」

ほむら「そんなことないですっ!!」

マミ「!?」

ほむら「巴さんだって、本当は別れたくなかったはずです!」

ほむら「佐倉さんだって…!」

ほむら「昨日話して分かりました。あの人は、優しさから離別の道を選んだんです」

ほむら「あの時は、仕方なかったんです。自分のせいで家族を失った」

ほむら「そんな状況で、誰かと一緒にいようなんて、思えるはずないです」

ほむら「だから、やり直しましょう。今なら、全然遅くない」

ほむら「むしろ、今だから出来るんです」

ほむら「お互いに気持ちはあるのに、どうして遠ざかる必要があるんですか…!?」ポロポロ

マミ「……」

ほむら「どうか…どうか…佐倉さんと、もう1度戦ってください…」

マミ「ふふっ」

ほむら「!」

マミ「ありがとう、暁美さん。あなたのお陰で、忘れてた気持ちを」

マミ「いや、忘れようとしてた気持ちを思い出したわ」

ほむら「巴…さん…!」

マミ「分かったわ。話すだけ話してみる」

マミ「でも、あんまり期待しないでね?私、そういうの得意じゃないから…」

ほむら「大丈夫ですよ」

マミ「…え?」

ほむら「強い思いがあれば、気持ちは絶対伝わりますよ」

ほむら「…魔法少女は、希望を振りまく存在なんですよね?」

ほむら「みんなで力を合わせて、強大な敵を倒す。最高にカッコイイじゃないですか」

マミ「そうね…そうよね…」

マミ「ふふっ、こんなことすら後輩に言われてようやく気付くなんて…」

マミ「私、もう先輩失格ね」

ほむら「…そんなことないです」

ほむら「巴さんは、いつだって、私達のかっこよくて素敵な先輩です」

杏子「…なんだ、またアンタか。もうあの話は…」

マミ「佐倉さん」

杏子「ん、今日はマミの奴までいるのか。力づくでも連れていくってか?」

マミ「そんなんじゃないわ。今日は私の個人的な話」

杏子「はあ?何言ってんだ。もうあたしたちに話すことなんて…」

マミ「ごめんなさいっ!!」

杏子「……はっ?」

マミ「あの時は、あなたの気持ちなんて考えず、好き勝手言ってしまった」

マミ「だから…今、もう1度私とやり直してほしいの」

マミさんペロペロ(^ω^)

杏子「…ふん。何回も言わせんな。私は2度と人の為に」

マミ「あなたは何もしなくていいわ。私は…ただ、一緒にいたいだけ」

杏子「…」

マミ「私ね、寂しかった。あなたと組むまでずっと1人ぼっちで」

マミ「あなたと一緒にいた間本当に、本当に楽しかったのよ?」

マミ「あなたと別れて、1年たって、後輩に言われて、ようやく気付いたの」

マミ「自分の気持ちに」

杏子「ウゼェ…!」

マミ「私、もう1度あなたと笑いあいたい。だから…」

マミ「もう1度、私と一緒に戦って……」ポロポロ

杏子「超ウゼェ…!」

杏子「何適当なことほざいてんだ…!」

杏子「謝らなきゃいけないのは、あたしだよ!!」

杏子「あの時勝手に出ていったのはあたしなんだ!」

杏子「あんたが頭を下げる必要なんて、どこにもない…!」

杏子「私だって、分かったことがある。家族とマミを失ってな」

杏子「人は、1人じゃ寂しいんだ。それを誤魔化すために、人の為には魔法を使わないなんて、突っ張って…」

杏子「いいよ。こんなバカなあたしでよけりゃ…」

杏子「一緒にいてやるよ、マミさん…。1人ぼっちは、寂しいもんな…」

マミ「佐倉…さん…!」

マミ「うっ……ううっ………」

杏子「なっ…泣くなよ…!こっちまで…涙が出てきちまうだろ…!」

マミ「えへへ…大丈夫…。嬉し涙だから…」

マミ「あなたが居てくれれば、私、もう何も恐くない!」

ほむら(よかった…この2人が、仲直り出来て…)

ほむら(これで、戦力は5人)

ほむら(絶対に、誰も犠牲にせずに、ワルプルギスの夜を倒して見せる!)

まどさや「ワルプルギスの夜…?」

マミ「ええ。魔法少女たちの間で語られる、最強最悪の魔女」

マミ「あまりに力が強大なため、結界に身を隠す必要が無いの」

マミ「魔女が見えない普通の人には災害と認識されるほどの魔女なのよ」

さやか「そんなのが、見滝原に…!」

マミ「正直、生きて帰れる保証はないわ。それでも、一緒に戦ってくれる?」

>マミ「佐倉…さん…!」
>マミ「うっ……ううっ………」

てっきりオナニーしてんのかと

まどか「もちろんです!だって、私…」

まどか「誰かを助けたいって気持ちで、魔法少女になったんだもん」

まどか「私の家族も、友達も、みんな死んじゃう」

まどか「そんなの、絶対嫌ですから!」

マミ「ふふっ、ありがとう」

さやか「あたしだって、戦います!」

さやか「逃げて、自分だけ生き残ったって、ちっとも嬉しくない」

さやか「この町守るために、さやかちゃん命かけちゃいますよ!」

マミ「ありがとう、2人とも」

さやか「そういえば、ほむらはこの事知ってるの?」

マミ「もちろんよ。だって、これが分かったのもあの子のお陰よ?」

マミ「今は『準備』があるって言って放課後いつもどこかに出かけてるみたいだけど…」

まどか「準備?」

マミ「実は私も詳しくは聞かされてないのだけど…」

さやか「ま、これで魔法少女が4人も集まったんだ」

さやか「もうワルプルギスだろうと何だろうと怖くないですよ!」

マミ「4人?違うわよ」

マミ「『5人』いるわ。ほら、ちょうど来たみたい」

コンコン

杏子「悪いね、久々だから道に迷っちゃって」

さやか「あんたは…」

杏子「えーと、さやかにまどかだっけ?まあ精々足手まといにはなんなよ?」

杏子「無理だと思ったら容赦なく見捨てるからな」

マミ「何言ってるの?私達の目標は全員生存でワルプルギスの夜を撃退すること」

マミ「1人でも欠けてはダメよ」

さやか「あんた、一緒に戦ってくれるの…?」

さやか「なんだ。あたしには散々説教しときながら、自分はきっちり人の為に使ってるじゃない」

杏子「違うな。これは自分の為だ」

杏子「…自分の気持ちにケリつけるためだ。だから決して町を救いたいなんて」


マミ「もう、強がらなくていいのに…」

杏子「ばっ!?強がってなんかいねーし!!」

マミ「今もいいけど、私は必殺技の名前を叫んじゃう純粋な佐倉さんの方が好きよ?」

杏子「ななななな何言ってんだアンタは!?」

さやか「ふーん?なかなか興味ある話題ですなー」

まどか「私も杏子ちゃんのこと、もっと知りたいなー」

杏子「やめろ!そんなん聞いても全く面白くない!」

杏子「てゆーかあれはアンタが無理やり言わせモガッ!?」

マミ「佐倉さんは元々幻惑の魔法を」

杏子「モガガー!!」

あんあんペロペロ(^ω^)

ほむら「ついにワルプルギスの夜前日」

マミ「というわけで、明日に備えて作戦会議を始めるわよ」

さやまどあん「わーぱちぱち」

マミ「ワルプルギスについて語られている伝承と、暁美さんが実際に見た情報を参考に対策を練るわ」

マミ「やっぱり私と鹿目さんで敵を弱めてから斬り込んだ方が…」

杏子「いや、あたしらが前線で戦うから2人で援護して…」

まどか「今までどんな魔女にも弱点があったよね?だったら…」

さやか「弱点かぁ…。こんなの、どこにもスキなんて…」



ほむら「ワルプルギスには魔法少女の形をした使い間がいるんです。奴らを封じないことには…」

マミ「ここまで大きいと、近接戦闘は難しいわね。佐倉さんと美樹さんは…」

さやか「舞台装置の魔女、ってことはこの魔女の本体って…」

杏子「なるほど。やっぱりこの歯車が…」

まどか「じゃあ、攻撃はここに集中させて…」

マミ「それじゃ、最後に作戦のおさらいするわよ」

マミ「最初に私と鹿目さんで夜に攻撃を加えつつ、A地点まで誘導する」

マミ「その間3人は使い間の足止め・殲滅をお願いね」

まどか「運び終わったら合図を送るから、そしたらほむらちゃんは1つ目の『切り札』を出して」

杏子「そしたら全員で奴の歯車にデカい一撃たたき込んで、最後に2つ目の『切り札』で締め、だよな?」

マミ「ええ。…明日は、絶対に全員生きて帰りましょう!」


「大変です!見滝原上空にスーパーセル発生!」

「直ちに避難勧告を!」

ゴォオオオオオ・・・

マミ「遂に…この日が来たわね」

杏子「ったく…こんな利益のない仕事はさっさと終わらせてケーキが食いたいぜ」

さやか「はあ…アンタこんな時まで食い物?」

まどか「…!!マミさん!来ました!!」










ほむら(今度こそ……あいつを倒す!!)







アハハハハハハハハ!

マミ「さあ、みんな!作戦通り行くわよ!」

さやまどほむ「はい!」 杏子「…」

マミ「佐倉さんっ!返事は!?」

杏子「…はいはい。分かったよ、マミさん」

マミ「さて…鹿目さん、準備はいい?」

まどか「こっちはいつでもOKです!いきましょう!」



「ティロ・フィナーレ!!」「フィニトラ・フレティア!!」

さやか「まさかアンタと一緒に戦うことになるなんて、夢にも思ってなかったよ」

杏子「ケッ、それはこっちのセリフだよ」

ほむら「2人とも、結構余裕ですね…。ほら、大群が来ましたよ?」

杏子「相手が多いなら、こっちも増えちまえばいいんだ。行くぜ!!」

ドォォン!ドォォン!

マミ(こちらマミ。順調に誘導してるわ。そっちはどう!?)

さやか(こちらさやか。1匹もそっちには通してないよ!)

まどか(そろそろ誘導終わるから、ほむらちゃん、準備を!)

ほむら(分かりました!)

杏子(もう使い間はあらかた殲滅したぜ。一足はえーけど、そっち行くぞ?)

マミ(誘導終わったわ!暁美さん、準備はいい!?)

ほむら(はっ、はい!バッチリです!)

マミ(よーし、派手にぶちかましてやりなさい!)

杏子「おっ…おい!ほむらの言ってた『切り札』って…」

さやか「地対艦ミサイルかよ!?」

ドドン! ドガァアアアアアアアアアアアアアアア!!

マミ「今よ、みんな!」

杏子「行くよさやか!」ダンッ!

さやか「分かってるって!」ダンッ!

「でやああああああああああああああああああああ!!!」ズバァ!ドガァ!ズドドドドドド!!

マミ「これが私の全力よ!」

「ティロ…フィナーレ!」ドゴォォ!

「トワイス!!」ドガァァァァ!!

「スライス!!!」ズガァァァァァァ!!!



ピシッ   ピシピシッ

まどか「私達は…この町を守る!絶対に!!」

「フィニトラ・フレティアァァァ!!!」ズダダダダダダダン!!!



バキィィィン!

まどか「!!亀裂が…」

マミ「暁美さんっ!!」

さやあん「ほむらっ!!」

ほむら「はいっ!!」



キラッ!ドガァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァン!!!!!

バキッ!バキバキッ!



バカァァァァァァン!!!

マミ「空が…晴れていく…」

ほむら「やった…やったんだ…。未来を…変えたんだ…」

私は、無事に未来を変えられました。

その日の夜は、マミさんの家で祝勝会と称してお祭り騒ぎです。

ちなみに、佐倉さんは巴さんの家に住むことになったそうです。

私は相変わらずドジでどんくさくて…

でも私、魔法少女になって、少しは自分を変えられたかなと思います。

それに…

さやか「ねえ、ほむら」

ほむら「なあに、美樹さん?」

さやか「その美樹さんっていうの、もうやめない?」

ほむら「えっ?」

さやか「もう会って1カ月経つんだしさ、他人行儀な呼び方やめてさ」

さやか「名前で呼んでほしいなー、なんて…」

ほむら「…うん」

ほむら「分かったわ、さやか」

さやか「っ!?」

さやか「こっ…これは…予想以上の破壊力…」

まどか「さやかちゃんだけずるいよー!私も私も!」

ほむら「もうー…焦らなくても呼んであげるよ、まどか?」

まどか「えへへっ、やっと名前で呼んでくれたね、ほむらちゃん」

ほむら「これからも、宜しくね、2人とも!」

最高の友達だって、出来たんですから!

Fin

乙乙ペロペロ(^ω^)

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