シャア「おーいハマーン、醤油取ってくれ」(86)

ハマーン「何を言っているシャア、醤油ぐらい自分で取れ」

シャア「…」

私はシャア・アズナブル、無職
彼女ハマーンの支えによって
ハローワークに通う毎日だ

シャア「ごちそうさま、では行ってくる」

ハマーン「待ちな、…ネクタイが曲がっているぞ」

キュッ

シャア「すまん」

―ハローワーク

壁に張ってある求人広告を物色するシャア

シャア(MS解体作業、週6日、月収15万、残業手当なし、これはキツいな…)

アムロ「ようシャア、まだ職決まらないのか」

シャア「アムロか」

彼はアムロ・レイ
大学時代はMSサークルでの良きライバルであり、良き友であった

アムロ「いい加減現実見た方がいいぜ、今時MSのエースパイロット目指すなんて無理無理、俺みたいにMS工場に無難に勤めた方が幸せだぞ」

シャア「ぬ…」

アムロは先日まで無職であったが、MS工場に内定が決まっていた

相談窓口に腰をかけるシャア

ブライト「どういった職場を希望されますか?」

シャア「とりあえずMSを動かしたい」

ブライト「それならばMS清掃員などいかがでしょう」

シャア「…話にならん!」

相談窓口を後にするシャア

ブライト(あいつは一生無職だろうな)

シャア(今日も職が決まらなかった、ハマーンになんて言い訳するか…)

ドンッ

カツ「いてえな!どこ見てんだじじい!」

シャア「すまん」

カツ「すまんで済んだら連邦軍は要らねえんだよ!」

ボコボコ

シャア「ぐっ…」

カツ「ちっ、2千円しか持ってねえのかよ、この貧乏人が!」

スタスタ

シャア(ハマーンから渡された就職活動が…)

シャア「ただいま…」

ハマーン「…どうしたんだその傷は!」

シャア「なに、転んだだけだ、それより渡された2千円パチンコでスってしまった、すまん…」

ハマーン「シャア、お前って奴は…」

シャア「すまん…」

ハマーン「…ほら」
5千円札を渡すハマーン

シャア「すまん…うっうぅぅ…」

ハマーン「泣くなみっともない、次はカツアゲに気を付けるんだぞ」

ハマーン「それよりシャア、明日近くの広場でMSのアクロバットパイロットオーディションがあるらしい」

シャア「なんだと?本当か!」

ハマーン「行くか?」

シャア「もちろんだ!」

ハマーン「ふっ、元気を取り戻したようだな」

―翌日オーディション会場

広告を眺めるシャア

シャア(本日の優勝賞金は100万円並びにジオン社専属のアクロバットパイロット職員採用か…、よしっ、優勝してハマーンに楽をさせてやらねば!)

シャア(尚オーディションは参加者同士で実際にMSでの対戦でトーナメント方式か…)

ギレン「さあオーディション参加者はトーナメントクジを引くがよい」

シャア(どうやら初戦の相手はカツ・コバヤシとやらか)

ギレン「では次の対戦、シャア殿とカツ殿はこちらへ」

カツ「んっ…なんだ俺の対戦相手は昨日の貧乏じじいか、昨日はお小遣いありがとうよ、ハッハッハ、こりゃあ楽勝だな」

シャア(むっ、昨日の小僧か、腕力が戦力の決定的差で無いことをわからせてやろう)

ギレン「では二人ともズゴックに乗るがよい」

カツ「ズゴックは親父の博物館にはなかったけどあのじじい相手なら楽勝だろ」

シャア「…」

ズゴックに乗り込むシャアとカツ

ギレン「準備はよろしいか?では対戦始め!」

カサカサカサカサ

シャア「…」

カツ「なんだよあのズゴック!ゴキブリみたいに動きやがって!このっこのっ」

ピューンピューン
ビームを乱射するカツ

シャア「甘いな」

ズボッ
正面からカツのズゴックの腹部に腕を突き刺すシャアのズゴック

ギレン「勝負あり、勝者シャア・アズナブル殿!」

カツ「ちっ調子が悪かったかな」

メキメキメキ

カツ「んっ…これは!ヤバいっ爆発する!脱出ポットエマージェンシー!」

ピ


カツ「まさかエマージェンシーが故障…!」

ドカアアアアアアアン

カツ「うわああああああああああああ」

その後もシャアは順調に勝ち進みついに決勝へ

ハマーン「はあはあ、なんとか間に合ったか」

シャア「ハマーン、来てくれたのか」

ハマーン「当たり前だ、それよりどうだシャア、順調か?」

シャア「喜べ、なんと決勝に進出した」

ハマーン「本当か!」

シャア(これで勝てば…ハマーンに楽をさせてやれる!)

ギレン「さあ会場の諸君!いよいよジオン社アクロバットパイロットオーディションの決勝戦である、ジークジオン!」

会場「ジークジオン!ジークジオン!」

ギレン「決勝はここまで怒涛の快進撃を続けてきたシャア・アズナブル殿!」

ギレン「そして対するはアマチュアMS大会で数々の栄誉を残しているカミーユ・ビタン殿!」

ファ「カミーユ頑張ってー」

ギレン「シャア殿、カミーユ殿、準備はよろしいか?では決勝はじめ!」

シャア(ちっ、決勝のMSはガンダムか…この機体は馴染まんな)

カミーユ「そこだっ!」

ピューン

シャア「甘い!」

カミーユ「やるな!」

シャア(あのパイロット只者ではないな)

カミーユ(あのパイロット通常の3倍の速さでガンダムを操ってる…!)

カミーユ(正攻法では互角か、ならっ!)

ピキーン

シャア(…んっ!このプレッシャーはなんだっ!)

カミーユ「うぅぅぅぅぅぅぅ…」

カチャカチャカチャカチャ

シャア「なんだ故障かっ!ちぃっこんな大事な場面でMSが動かんとは!」

カミーユ「わかるまいっ!この俺の身体を通して出る力が!」

シャア「身体を通して出る力だと…」

カミーユ「ここからいなくなれえー!」

シャア「ガンダム!なぜ動かん!うわあああああああああ」

ピピー

ギレン「勝負あり、優勝はカミーユ・ビタン殿!」

会場「ワアー」

ハマーン「ご苦労だったな」

シャア「すまん…」

ハマーン「お前は頑張ったよ」

シャア「同情はやめろハマーン!」

ハマーン「同情などではない!ただやはりお前はMSに乗っている姿が良く似合う、だから私などに構わず夢を追い続けろ」

シャア「ハマーン…」

ハマーン「どうしたシャア、ほらもう帰るぞ」

シャア「…ああ!」

ハマーン「今日はブリが安かったからお前の好きなブリしゃぶだぞ」


ギレン「…シャア殿待ちたまえ」

シャア「何のようですか?」

ギレン「是非とも君にわが社のパイロットをやってもらいたいのだ」

シャア「何故です?優勝したのはカミーユくんでしょう?」

ギレン「それがだな…」

カミーユ「わあ…大きい、ファのおっぱいかな?いや違うファのおっぱいはもっとバァーッて感じだもんな!」

ファ「カミーユ!カミーユ!うぅぅ…」

シャア「…」

―翌日

シャア「ハマーン、醤油を取ってくれ」

ハマーン「何を言っているシャア、醤油ぐらい自分で取れ…ほらっ」

醤油を渡すハマーン

シャア「ありがとう」

私はシャア・アズナブル
彼女ハマーンの支えによって
幸せを感じる毎日だ

シャア「ごちそうさま、では行ってくる」

ハマーン「待て、…ネクタイが曲がっているぞ」

キュッ

シャア「では行ってくる」

アムロ―工場のサラリーマン

ブライド―ハローワーク職員

カツ―オーディションの事故で死亡

カミーユ―オーディション後精神崩壊

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