大河「見てみてー、猫拾ったー」セイバー「なんと!?」(115)

大河「かわいいねー」

黒猫「にゃぁ」

セイバー「……!?」

凛「藤村先生……その猫、どこで?」

大河「段ボールの中にいたんだよねー?」

黒猫「にゃぁ」

セイバー「凛……」

凛「ええ……この猫……普通じゃないわ」

大河「かわいいわねー♪」ナデナデ

黒猫「……」

凛「藤村先生?」

大河「なに?」

凛「その猫、元の場所に戻してきましょうか」

大河「なんで?外、寒いよ?」

凛「ですが、衛宮くんが不在ではこのままここに置いておくのも……」

大河「ちゃんと士郎には言います。大丈夫よ」

凛「でも……」

セイバー「凛、ここは士郎の帰りを待ちましょう。我々で監視をしていればいいだけの話です」

凛「それもそうか……」

大河「にゃー♪」

黒猫「……」

大河「猫もこたつがいいわよねー?」

黒猫「にゃぁ」

大河「ふふ」

凛「藤村先生?買う気満々ですか?」

大河「士郎が首を縦に振ればね」

セイバー「振らないと思いますが」

大河「平気よ。士郎はとっても優しいから、猫ぐらい飼ってくれるって」

セイバー「しかし……」

凛「これ以上、この家の食費があがれば藤村先生のおやつはなくなるかもしれませんね?」

大河「む……」

凛「それでもいいのですか?」

大河「いいです」

凛「!?」

大河「この子のためなら、おやつぐらい平気よ」

セイバー「大河……そこまでの覚悟が……」

士郎「ただいまー」

大河「しろー!!」

士郎「藤ねえ?!」

大河「この子、飼うから!!」

士郎「はぁ?」

黒猫「にゃ」

士郎「駄目だ。元の場所に―――」

大河「かうかうかうかうかうか!!!!」

士郎「なんで駄々こねるんだよ?!」

大河「いいじゃん!猫の一匹ぐらい!!」

士郎「あのなぁ!!」

大河「セイバーさんや遠坂さん、ライダーさんは飼えるのに獣はだめなのかー!?」

士郎「それを言われると……」

セイバー「あの……私はペットなのですか?」

凛「心外だわ」

大河「ねえ、いいでしょぉ?」

士郎「うーん……」

凛「士郎、ちょっと」

士郎「なんだよ」

凛「あれは普通の猫じゃないわ」

士郎「え?」

凛「使い魔の類よ?ここに置いていい猫じゃない」

士郎「なんだって?」

セイバー「早くこの屋敷から追い出すべきでしょう」

凛「何をされるか分かったもんじゃないわ」

士郎「―――藤ねえ」

大河「なにー?」

士郎「やっぱり―――」

大河「飼う!!」

士郎「藤ねえ……」

セイバー「大河、その猫は……」

大河「じゃあ、貰い手が見つかるまででいいから!!」

凛「そういわれましても……」

大河「藤村大河一生のお願いです!!」

士郎「藤ねえの一生は何回もあるのか?」

大河「こんな小さな命すら守れないのかぁ!!」

士郎「む……」

凛「士郎、惑わされちゃ駄目よ?」

士郎「そ、そうだな」

大河「そんなことじゃあ切嗣さんの足元にすら届かないわー」

士郎「ぐっ……」

セイバー「シロウ、負けてはなりません」

士郎「藤ねえ……やっぱり……」

大河「……」

士郎「……分かった。その代わり、ちゃんと貰い手を探してくれよ?」

凛「ちょっと!?」

セイバー「シロウ!!」

士郎「セイバーが見張ってれば問題なんて起こらないだろ?」

セイバー「え……」

士郎「この家を守るのが仕事、だよな?」

セイバー「そ、それは……」

大河「士郎!!ありがとうー!!だーいすき!!」

士郎「はいはい」

凛「もう……しょうがないわね……。セイバー?」

セイバー「はい」

凛「監視を怠らないようにしてね?」

セイバー「わかりました」

黒猫「……」



大河「それじゃあね?」ナデナデ

黒猫「なー」

大河「じゃ、よろしく!」

士郎「わかったよ」

セイバー「……」

黒猫「にゃー」

セイバー「む……」

士郎「セイバー?」

セイバー「はい」

士郎「悪いけど、セイバーの部屋で見てやってくれないか?」

セイバー「分かりました」

黒猫「にゃぁ」

士郎「ふぅー、さっぱりした」

凛「あ、士郎。明日、六時に起こしてくれる?」

士郎「ああ、いいよ」

凛「おねがいねー。鍵は開けておくから」

士郎「なるべく自分でおきるようにしろよ?」

凛「はいはーい」

士郎「牛乳でも飲むか……」

士郎「……」スタスタ

士郎「……」

レン「……」

士郎「……」ゴクゴク

レン「……」ジーッ

士郎「……なんでさ?」

レン「……」

士郎「え?誰?」

レン「……」

士郎「えーと……どこから、入ってきた?」

レン「……」

士郎「あの……」

レン「……」

士郎「セイバー!!」

セイバー「―――どうしました?!」

士郎「この子、誰だ!?」

セイバー「は?」

レン「……」

セイバー「シロウ!!どこからつれてきたんですか!!!」

士郎「俺じゃない!!」

セイバー「イリヤだけでもお腹いっぱいです!!」

士郎「何の話だ?!」

レン「……」

セイバー「……貴女は?」

レン「……」

セイバー「……まさか、猫?」

レン「……」コク

士郎「猫?」

セイバー「ええ、あの黒猫です」

士郎「なんだって!?」

レン「……」ジーッ

士郎「う……かわいい……」

セイバー「今、なんと?」

士郎「いや……なんでも」

士郎「全く……藤ねえめ……」

セイバー「家は?」

レン「……」フルフル

士郎「分からないのか?」

レン「……」

セイバー「分からない……わけではないようですね」

士郎「帰れないのか?」

レン「……」コク

セイバー「敵意はないようですね」

士郎「どうする?遠坂に伝えるか?」

セイバー「使い魔、このまま大人しく屋敷を出るつもりはありませんか?」

レン「……」コク

士郎「セイバー、この寒空にそれはないだろ」

セイバー「シロウ、何事も万が一はあります」

士郎「でも、どうみても悪い子にはみえないし、しばらく家に置いておいても問題ないだろ」

セイバー「しかし……」

士郎「こたつ、好きか?」

レン「……」コク

士郎「ゆっくりしていっていいからな?」ナデナデ

レン「……」ジーッ

士郎「……」

レン「……」ゴロゴロ

士郎「あはは、ほら、こんなに甘えて可愛いじゃないか」

セイバー「……シロウ、己の姿を鏡で見たほうがいいと思います」

士郎「よしよし」ナデナデ

レン「……」ゴロゴロ

セイバー「はぁ……凛に伝えてきます」

凛「な……?!」

レン「……」

士郎「よしよし」

セイバー「害は確かにないようですが」

凛「……あの」

レン「……」

凛「出て行ってくれない?」

士郎「遠坂!?」

レン「……」フルフル

凛「なんで?」

レン「……」

凛「答えなさいよ」

士郎「もういいだろ!!この子も怯えてる!!」

凛「士郎は黙ってなさい!!」

士郎「家主は俺だ!」

凛「……」

士郎「……」

セイバー「お二人とも喧嘩は……」

レン「……」

凛「あっそ、じゃあ勝手にしなさい。どうなってもしらないからね!!」

士郎「何怒ってんだよ……」

凛「おやすみ!!」

セイバー「凛!!」

士郎「……」

セイバー「シロウも少し感情的になりすぎです」

士郎「ごめん……」

レン「……」ジーッ

士郎「大丈夫。君はここにいていいからな」

レン「……」コク

セイバー「……」

セイバー寝室

セイバー「では、ここで寝ましょう」

レン「……」キョロキョロ

セイバー「どうかしましたか?」

レン「……」トコトコ

セイバー「どこにいくのです!?」

レン「……」トコトコ

セイバー「待ちなさい!!」

士郎自室

士郎「さてと……」

ガラッ

士郎「え?」

レン「……」トコトコ

士郎「ど、どうした?」

レン「……」パフッ

士郎「?」

セイバー「こんなところに……!!」

士郎「セイバー?」

セイバー「さ、戻りますよ」

レン「……」フルフル

セイバー「な!?」

士郎「ここで寝たいのか?」

レン「……」コク

セイバー「それはなりません、使い魔」

レン「……」

セイバー「貴女を信頼していない現状で、我が主の傍に置いておく事はできない」

レン「……」ジーッ

士郎「だって。セイバーは一度、言い出すと聞かないから」

レン「……」スッ

セイバー「そう、素直に―――」

レン「……」グイッ

セイバー「え?!」

士郎「!?」

レン「……」

セイバー「な、なんですか!?」

士郎「もしかして……三人で寝ようって?」

レン「……」コク

士郎「あー……」

セイバー「そ、それは……」

レン「……?」

士郎「ど、どうする?」

セイバー「わたしは……シロウがよろしいのでしたら」

士郎「……」

セイバー「……」

レン「……?」

セイバー「使い魔……どうしてもここで寝たいのですか?」

レン「……」コク

セイバー「な、ならば、仕方がありません。マスターの身を守るためにここで寝ます」

士郎「セイバー……」

セイバー「では、失礼します」

士郎「同じ布団でねるのか?!」

セイバー「え?駄目ですか?」

士郎「……」

セイバー「……」

レン「……」

士郎「せまいな」

セイバー「私は構いません」

レン「……」

士郎「苦しくないか?」

レン「……」コク

士郎「そうか」

セイバー「ではもう休みましょう」

士郎「そうだな……おやすみ」

セイバー「おやすみなさい」

レン「……」

士郎「ん……?」

セイバー「……」

士郎「セイバー……なんで……裸……?」

セイバー「シロウ……ん……」チュッ

士郎「んぐ……」

セイバー「ふふ……」

士郎「セイバー……」

セイバー「見てください……もうこんなにも淫らになってしまっています……」

士郎「セイバー……」

セイバー「シロウも苦しそうですよ……ここが……」

士郎「うっ……」

セイバー「もう……んっ……んっ……」グチュグチュ

士郎「うぁ……セイ、バー……」

セイバー「気持ちよくなってください……んっ……んっ……」グチュグチュ

士郎「あぁ……ふぁ……ぁぁ―――」

翌朝

士郎「はっ!??」ガバッ

セイバー「はっ!?」ガバッ

士郎「セイバー!?」

セイバー「シロウ!!?」

士郎「あ……えと……」

セイバー「あの……」

士郎「……」

セイバー「……ご、ごはんの用意を……」

士郎「そ、そうだな……」

セイバー(夢……?そんな馬鹿な……。まさかシロウに襲われる夢など……。なんてことだ……)ドキドキ

士郎(パンツ……洗わないと……)ドキドキ

キッチン

士郎「なんて夢を見ちまったんだ……」

レン「……」

士郎「あ、何食べる?」

レン「……」

士郎「冷蔵庫にあるものならなんでもいいぞ」

レン「……」ガチャ

士郎「なにか好きなものでも―――」

レン「……」ゴソゴソ

士郎「……」

レン「……」スッ

士郎「それ……桜のケーキ……」

レン「……」トコトコ

士郎「あ……」

レン「……」モグモグ

レン「……」ペロペロ

士郎「ケーキが好きなのか……」

凛「おはよー」

士郎「おはよう、遠坂」

凛「あら、まだいたの?」

レン「……」

士郎「遠坂」

凛「パンとコーヒー、おねがーい」

士郎「はいはい」

凛「あら?セイバーは?」

士郎「……」ビクッ

凛「この時間なら正座してここで待ってるわよね?」

士郎「寝坊じゃないか?」

凛「……なんかあった?」

士郎「な、なにも」

士郎(あんな夢みたあとじゃあ……正直、顔を合わせられない……)

凛「……」

レン「……」

凛「私が呼んでくるわ」

士郎「あ、ああ」

レン「……」トコトコ

士郎「あ、お皿もって来てくれたのか」

レン「……」

士郎「偉いな」

レン「……」トコトコ

士郎「あ、どこ行くんだ?」

レン「……」トコトコ

士郎「……なんだか不思議な子だな」

大河「―――おはよう!!しろー!!あの猫ちゃんはー!?」

レン「……」ジーッ

大河「……」

レン「……」

大河「ど、どちらさまかなー?」

レン「……」ペコリ

大河「しろー!!!」

士郎「あぁぁ!!!」

大河「犯罪者!!!このロリコン!!そんな風に誰が育てたー!?!?」

士郎「待ってくれ!!見間違いだ!!」

大河「はぁ!?」

黒猫「にゃあ」

大河「お?」

士郎「寝ぼけてんだろ、藤ねえ」

大河「あれー?確かに黒い服の女の子がいたような……」ゴシゴシ

士郎「はい。朝食」

大河「ま、いっか。―――いただきまーす!!」

セイバー「……シロウ」

士郎「セイバー……」

セイバー「お、おそくなりました」

士郎「あ、いや……いいんだ」

凛「どうしたの?なんか変よ?」

セイバー「気のせいです」

士郎「うん」

凛「……?」

黒猫「にゃあ」

大河「おいでおいでー」

黒猫「……」スタスタ

大河「あらら、どっかいっちゃった」

凛「こたつ、好きじゃないのかしらね」

士郎「ど、どうぞ……」

セイバー「あ、はい……すいません……」

凛「じゃあ、部屋に篭るから。何かあったらいいなさいよ?」

士郎「わかったよ」

セイバー「……」

大河「あの猫ちゃんはどこかなー?」

士郎「あんまり撫でるなよ?猫はそういうの苦手だっていうし」

大河「わかってるわよー」

士郎「……」

セイバー「……」

士郎「どうした、セイバー?ごはん、ほとんど食べてないじゃないか」

セイバー「……すいません。たべます」モグモグ

士郎「……」

セイバー「……」ドキドキ

セイバー(何故だ……あの夢を見たからか……変に意識してしまう……)

士郎(セイバー……)ドキドキ

縁側

黒猫「……」

大河「お……いたいた」

黒猫「……」

大河「……ねてる?」

黒猫「……?」

大河「ここ、気持ちいいもんねー」

黒猫「……」

大河「この季節はすこーし寒いけど」

黒猫「……」

大河「でも毛布があれば大丈夫」バーン

黒猫「にゃぁ」

大河「ささ、私も一緒にねましょうかねー」

黒猫「……」

士郎「藤ねえ」

大河「ん……?士郎?」

士郎「なにやってんだよ。風邪引くぞ?」

大河「大丈夫だって、私が風邪なんて―――へっくしゅん!!」

士郎「ほら」

大河「いや、これは―――」

士郎「藤ねえ……これで暖かいだろ?」ギュッ

大河「!??!!?」

士郎「……」

大河「ちょ……士郎……?あはは……そんなからかっちゃだめだって……」

士郎「藤ねえ……キスしてもいいかな?」

大河「えぇ!?いや……あの……」

士郎「……」

大河「士郎……」

士郎「ん……」

大河「ふぁ……」

士郎「……なんか初めだな」

大河「そ、そうね……」

士郎「ずっと……こうしたかった」

大河「だ、だめよ……私たちは教師と生徒……」

士郎「今は……違う」

大河「え……?」

士郎「藤ねえ……愛してる」

大河「士郎……!!」

士郎「ごめん……でも……こんなところで寝ている藤ねえが悪いんだ……」

大河「んぁ……し、ろぉ……あぁ……」

士郎「藤ねえ……もう……俺、苦しい……」

大河「あ……♪」

士郎「いいよな?藤ねえ―――」

士郎「―――藤ねえ」

大河「はっ!?!?!?」ガバッ

士郎「藤ねえ、なんでこんなところでねて―――」

大河「うわぁぁぁぁぁぁ!!!!!めえええええええん!!!!」ドゴォ

士郎「ぐぇ!?」

大河「あ……」

士郎「な、なにいきなり腹を……蹴るんだ……?」

大河「あ、えと……ごめんなさい!!」ダダダダッ

士郎「なんでさ……」

レン「……」

士郎「……なにかしたのか?」

レン「……」

士郎「はぁ……とりあえず毛布を片付けないと」

レン「……」コク

リビング

セイバー「……」ドキドキ

大河「……」ドキドキ

桜「……?」

ライダー「お帰りなさい、桜」

桜「あの……二人はどうしたの?」

ライダー「さぁ……朝からあのような状態です」

桜「……セイバーさん?」

セイバー「はい?」

桜「何かありました?」

セイバー「いえ」

桜「……」

ライダー「それより桜、ケーキを食べるのでは?」

桜「あ、そうだった。アレが楽しみで兄さんのお世話も早めに切り上げてきたのに、急いで味わって食べないと」

ライダー「慎二……」

大河(やばいやばい……私……なんであんな夢を……)

大河(いや……確かにそういうことは……)

大河「ノォォォォォ!!!!」

セイバー「大河!!どうされました!?」

ライダー「落ち着いてください」

大河「なんで!!なんでぇぇ!!!」

桜「あれ?ない……私のケーキ……」

士郎「―――はぁ、疲れた」

大河「……!?」ビクッ

セイバー「シロウ……」

士郎「あ、ああ」

ライダー「ん?」

黒猫「……」

桜「先輩、冷蔵にあった私のケーキ知りませんか?」

士郎「あ……」

大河「おいでー」

黒猫「……」スタスタ

大河「むー」

セイバー「猫は気まぐれですから」

ライダー(今の猫は……)

桜「昨日のお昼に入れておいたんですけど」

士郎「あ……それは……」

桜「もしかして、セイバーさんか姉さんが?」

セイバー「私はケーキなど食べていません」

桜「じゃあ、姉さんが……」

凛「―――あら、桜?随分な言い草ね。流石にかわいい妹のケーキをなんの断りもなく食べたりしないわよ」

桜「……先生?」

大河「知らないって!!ケーキなんて!!」

桜「……」ゴゴゴゴ

士郎「う……」

桜『せんぱぁぁぁい!!!!』ゴォォォォ

士郎『なんでさぁぁぁ!!!』

黒猫「にゃあ……」

ライダー「待ちなさい」

黒猫「……?」

ライダー「あなた……夢魔ですね?」

黒猫「……」

ライダー「士郎たちに変な夢でも見せたのでは?」

黒猫「……」

凛「ふーん……夢魔なんだ、その子」

ライダー「凛」

凛「なんの目的かは知らないけど、危害を加えるようなら……」

黒猫「……」スタスタ

凛「あ、こら!まちなさい!!」

ライダー「……」

ライダー「やはり大河とセイバーと士郎の様子が変だったのは……」

白レン「……」

ライダー「ん?」

白レン「やばっ」ササッ

ライダー「今……塀の上に……」

ライダー「少し見てきましょうか……」

ライダー「……」スタスタ

ライダー「……」

白レン「……あ」

ライダー「何者ですか?」

白レン「これはごきげんよう。この世に根を生やし、居座る異界の英雄さん」

ライダー「殺されたいのですか」

白レン「いえ。私はここに迷い込んだ夢を迎えにきただけです」

ライダー「夢?」

白レン「さ、あの子をこちらへ」

ライダー「それは家主と直接交渉していただきましょう」

白レン「うーん……この屋敷にはあまり入りたくないのだけれど」

ライダー「では、家主をここまで連れてきましょう」

白レン「面倒だわ。そんな手続きなんて煩わしい」

ライダー「その冷気のような殺意を纏ったままこちらに入ってくるというなら……考えがあります」

白レン「あら、怖い。なら、こちらも本気で行かせてもらいます」

ライダー「……」

白レン「―――いきなさい」

ライダー「え―――」

シオン「はっ!!」ドォン

ライダー「ちっ!!」サッ

シオン「今のは威嚇です。次は当てます」

ライダー「……」

白レン「さ、レンを迎えに行かなくちゃ。私が真祖に怒られてしまう」

ライダー「まちな―――」

シオン「……」

ライダー「くっ……」

シオン「そう。敵から目を離すのは明らかな失策です」

ライダー「貴方たちは……」

シオン「あの黒猫さえ戻ってくればいい」

ライダー「なるほど」

シオン「ですから、抵抗はしないように。戦闘になればお互い無事では済みません」

ライダー「そうですね……でも……」ジャラ

シオン「……」

ライダー「抵抗、しないわけにはいきませんjから」

シオン「残念です」

ライダー「はぁぁぁ!!」

シオン「ふっ!!」

レン「……」

凛「なによ……なんか外が……」

白レン「みーつけた」

レン「……!」

凛「だれ?!」

白レン「貴女には関係ないの。下がっていなさい」ゴォォォ

凛「あ―――ごほぉ!?」

白レン「さあ、勝手に逃げ出して……許さない」

レン「……」

白レン「私たちを裏切るっていうの?!」

レン「……」フルフル

白レン「じゃあ!!」

セイバー「―――勝手に他人の縄張りを荒らすとはいい度胸です」

白レン「!?」

セイバー「使い魔、何用ですか?」

白レン「まだいるなんて……」

セイバー「その猫の引き取りてというだけなら歓迎しましたが……凛に手を出した以上、排除すべき敵を認識します」

白レン「おやおや、このような矮小な家屋で貴女が剣を抜けな大変なことになると思いますよ?」

セイバー「そのような言葉で―――」

さつき「ごめんなさい!!」ガッ

セイバー「ぐっ……!?」

さつき「今のうち!!」

白レン「行くわよ!!」

レン「……」フルフル

白レン「だめよ!!」

セイバー「な、なんだ……この力は……!?」

さつき「……」グググッ

セイバー「でぁ!!!」バッ

さつき「あん!!」

セイバー「何者だ!?」

さつき「路地裏同盟です」

セイバー「は?」

さつき「友達をその……助けにきました」

セイバー「友達……」

さつき「あの子がいないと大変なんです」

セイバー「どういう……」

さつき「色々あるんです!!」

セイバー「説明しなさい!!」

さつき「えっと……」

セイバー「……」

さつき「いえません!!」

セイバー「おのれ……!!」

士郎「セイバー、どうした!?」

セイバー「あ……し、士郎!?」

さつき「すきあり!!」

白レン「はやく!!」

レン「……」フルフル

白レン「わがままを―――」

大河「こーら!!なにしてるかぁー!!」

白レン「?!」

レン「……」

大河「嫌がってるのに連れ出そうとして、しかも叩こうとするなんて、お姉さんが許しませんよ?」

白レン「あら、これは失礼。でも、他人の躾に口を出さないでいただけますか?」

大河「やっぱり……士郎め……小さな女の子を保護してたか……」

レン「……」

大河「でも、状況的にあなたが悪者ね。白なのに」

白レン「悪者ですって?はっ、言ってくれるわ」

大河「とりあえず士郎にはあとで詳しい話を聞くとして……その子を返してもらおうかな?」

白レン「ふん……いいわよ?できるものなら、やってごらんなさい」ゴォォォ

大河「よーし……こい」

シオン「はい!!」シュルルル

ライダー「くっ……!!」

シオン「捕らえました」シュパ

ライダー「しまっ―――」

桜「ライダー!!」ゴォォォ

シオン「な?!」

ライダー「助かりました」

シオン「まさか……これほどの使い手が……」

ライダー「……」

桜「お引取りを」

シオン「私一人で勝てる確率は10%……退却をしたほうがよさそうです」

ライダー「……」

シオン「お邪魔しました」

桜「何だったのかな……」

ライダー「さぁ……」

セイバー「―――終わりだ」

さつき「くっ……」

士郎「君は一体……」

凛「いたた……やってくれたわね」

さつき「うぅ……」

セイバー「さて。理由を聞きましょうか。何故、ここまでする?」

さつき「それは……」

士郎「……」

セイバー「……」

凛「早く言いなさいよ」

セイバー「実は―――」

>>98
ミスった

セイバー「実は―――」

さつき「実は―――」

白レン「はぁぁぁ!!」

レン「……」ドンッ

白レン「きゃぁ!?」

大河「めん!!」パシーン

白レン「いったーい!!!!」

大河「はい。私の勝ちー」ブイ

レン「……」ブイ

白レン「レン……あくまでの裏切るというのね……?」

大河「さっきから裏切る裏切るって、なんのことよ?」

白レン「ケーキを食べたの」

大河「はい?」

白レン「とある領主様が大事に隠してとってあったケーキを勝手に食べたのよ。それでその子は怒られると思って家出しちゃったの」

大河「え?」

白レン「その子がいないと色んな人に迷惑がかかるの。わかった?」

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