魔王「侵攻やめて欲しかったら勇者をうちに婿入りさせろ。」(155)


 大臣「君が勇者くんだね。」

 勇者「はい・・・、突然呼び出されましたが、なんでしょうか。」

 大臣「実は・・・君に大事な話がある。」

 大臣「我が国の国防と今後の魔族に対する政策に関連する重要な話だ。」

 勇者「重要な・・・一体どんな(ゴクリ」

 大臣「心して聞いてくれ・・・。」

 勇者「・・・」

 大臣「そろそろ身を固める気はないかね?」

 勇者「見合いの話かよ!」

大臣「いやいやいや、我が国行く末を左右する重大な案件なんだよ。」

勇者「私に見合いを紹介することがですか?」

大臣「そうだ!それに君だって結婚したくないわけじゃないだろ。」

勇者「だとしても、こんなお城の重要そうな部屋に呼び出してまで話すことですか?」

大臣「当たり前だろ、だって・・・」

大臣「世間にバレたらとんでもないことになるし。」

勇者「絶対秘密にしなきゃいけない見合いってどんな見合いだよ!」

勇者「まあ、そこらへんは後々聞くとして、見合い写真とかはあるんですか?」

大臣「残念ながら、今ここにはない。」

勇者「え?見合いだったら普通用意してるでしょ、まさか相手方に話通ってないんですか?」

大臣「いや、そんなことはない、相手方にはちゃんと話は通してある、ただ・・・」

勇者「ただ?」

大臣「写真が出回ると国家機密の漏洩になっちゃうからさ・・・」

勇者「いったい何と見合いさせるつもりなんですか。」

大臣「もちろんタダでとは言わない!」

勇者「人がカネ目当てで結婚するみたいな言い方やめてください!」

大臣「君のご家族の今後一切の税金の免除と、死亡するまで年金を支給します。」

勇者「うちの両親、もう死んでます!」

大臣「え?」

勇者「両親の生活を盾にすればなんとかなると思ったんでしょうがそうはいきません!」

大臣「だったらそのぶん君に全部謝礼として渡そう!」

勇者「・・・いやそんな・・・」

大臣「(こいつ一瞬『いいかも』って思ったな。)」

勇者「さっきから不確定な要素が多すぎです、なぜ俺が見合いを受けるだけでそんな大金が用意   できるんだ!」

大臣「そ・・・それはだね・・・」

勇者「なんですか?もしかして見合い会場に爆弾を巻いて行って相手を殺せとでも言うんですか?」

大臣「・・・」

勇者「え?マジ?俺に死ねと?」

大臣「・・・でも結婚は人生の墓場って言うじゃない。」

勇者「なんのフォローにもなってないでしょ!」

??「もうよい、私が全て話そう。」

大臣「お・・・王様・・・」

王様「突然呼び出してすまなかった、君には我が国の民のためにどうしても頼みたいことがある。」

勇者「なんですか?自爆テロですか?」

王様「そんな物騒なことではない、本当に我々は君に結婚して欲しいのだ。」

勇者「じゃあなぜ、秘密の会談でこんな大金を用意するんだ?」

王様「その相手が問題なのだ・・・君には魔族の王のところに婿入りしてもらいたい。」

勇者「え?」

王様「我が国の魔族との争いの状況は知っておろう、我が国は奴らの侵攻を食い止めるだけで精一杯だが、
奴らも戦力の疲弊が厳しいらしい、だから我らは停戦への道筋を探った。」

王様「そして秘密裏に魔族の王と書簡を交わし、停戦協定を結ぼうとした、そして奴らはそれに応じた。」

王様「その条件は、『和睦の証として魔王の王家に勇者の血族を迎え入れること』であった」

勇者「・・・」

王様「そして我々は君に魔族への婿入りを頼んだのだ。」

勇者「・・・」

大臣「わかってくれ、私達も望んでこんなことを頼んでいるわけではないんだ。」

勇者「・・・・」

大臣「人外娘と結婚だなんて、できることなら代わりたい」

勇者「あんたの性癖の話は聞いてない。」

勇者「しかしなぜ私なんですか?勇者の血族はもっとたくさんいる筈だ。」

王様「現在の魔王には娘しかおらん、なので女性の勇者は全員除外した。」

大臣「そして君も、勇者養成所にはいっただろ。」

王様「我が国では勇者の血族のものは国が運営する養成所に集め、素質にあった職業につかせる。」

大臣「そこでの成績を見た結果、君ならいなくなってもそんなに支障はないと判断した。」

勇者「お前、さっきの『望んでやってるわけじゃない』ってのは嘘だろ。」

大臣「バカ言うな!できることなら私が身代わりになってるところだ!」

勇者「それは性的嗜好があってるからだろうが!」

大臣「それに、こういうことを行っては大変失礼だろうが、勇者の血族は大抵、戦闘の素質を見出され、戦場の最前線の兵士になったり、
魔法の素質を見出されて、究極魔法の研究所に送られているのに。」

大臣「君は辺境の弱い魔物しか侵入してこない森の見回りだ。支障がないっていわれても仕方ないだろ。」

勇者「・・・確かに他の親戚に比べて華々しい職場じゃない、でも森に迷い込んだ迷子や老人を探したり。」

勇者「スライムや幼生のラミアを追い払うのも重要な仕事じゃないのか?」

大臣「ごめん、話の腰折るけど幼生のラミアの出現場所だけ教えてくんない?」

勇者「王様、この人抜きで話進めてもらっていいですか。」

王様「君がこんな理不尽な役回りを嫌がる気持ちはもちろんわかる、しかし今我が国は貴重な戦力を削ぐわけには行かないのだ。」

勇者「・・・」

王様「君も勇者養成所で学んだはずだ、勇者は民を守らねばならないと、この婚儀がすすめば多くの民を戦争の犠牲から救うことができるんだ。たのむ引き受けてくれ。」

勇者「わかりました、身を固めるのも悪く無いですしね」

王様「すまぬ、私のことを恨んでくれても構わない。」

勇者「言わないでください、民を救うのが勇者の使命、私もそれに貢献できるだけで嬉しいです。」

~数日後、馬車の中~

大臣「よく決断してくれた、王様は君への感謝を永遠に忘れないだろう。」 ゴトゴト

勇者「ところで大臣、結局見合い写真が来ませんでしたが、お相手はもちろん魔王の娘ですよね。」

大臣「そうだが、」

勇者「新聞で読んだことありますが、魔王の娘は確か二人いるはずですが・・・。」

勇者「ものすごい派手な格好と貴金属が大好きで、森を一瞬で焼き払うっていう第一王女のほうですか?」

大臣「いや、そちらではない。」

勇者「じゃあ、常に戦場の先陣をきって、ドラゴンも一人で狩ってしまうという第二王女のほう?」

大臣「そちらでもない。」

勇者「え?じゃあ相手ってのは?」

大臣「まだ一度も人前に出たことのない第三王女だそうだ。もしかしたらその二人よりもタチが悪いかもしれん。」

勇者「・・・」

大臣「本当によく決断してくれた、ありがとう」

勇者「いま言われても、素直に聞こえません。」

勇者「ところで、後ろの荷車にすごいたくさん荷物積んでるけど何です?」

大臣「ほら、婿入りってことは持参金が必要だろ」

勇者「なるほど、もしかして全部金塊ですか?」

大臣「そんなありきたりなものじゃないぞ。」

勇者「え、まさかヤバい薬とか?」

大臣「饅頭ありったけ積んで来いって。」

勇者「魔王甘党かよ。」

大臣「もうすぐ国境だ、この国ともお別れだな。」

勇者「送ってもらってありがとう。」

大臣「幸せになれよ」

勇者「そんな父親みたいなこというなって」

大臣「みろ、あのすごく豪華な馬車がお前のお迎えだな」

勇者「すごい悪趣味な箱馬車だな、周りに2mはある真っ黒な全身鎧の騎士が何人もたってる。」

大臣「実は中身がすごい美人ということもあり得るんだぞ。」

勇者「あんたの性癖の話は聞いてない。」

メイド長「お待ちしておりました勇者さま、私は魔王様のメイドでございます。」

勇者「あ、わざわざお迎えに来ていただき恐縮です。」

勇者「(見た目は普通の女性なんだ、メイドの制服もうちの国のものともそんなに変わらない。)」

勇者「(というかほとんど人間と同じなんだな。)」

メイド長「どうされました勇者様、そんなに私のことをお見つめになさって。」

勇者「(足が触手になってる以外は。)」

メイド長「ご紹介致します、これから勇者様の身の回りの世話をさせて頂くメイド達です。」

メイドA・B・C「「「よろしくお願いします。」」」

勇者「い・・・いえいえ、こちらこそ。」

メイド長「彼女たちは幼い頃から、給仕の訓練を受けていましたので、大抵のことはできますので、何でもお申し付け下さい。」

勇者「いやー、メイドさんが自分につくなんて違和感がありますね。」

メイドA「要人の暗殺程度なら朝飯前ですので、いつでも言ってくださいね。」

勇者「はい、絶対頼むことは無いでしょうけど。」

メイドA・B・C ジー

メイド長「こら!あなた達、なんて顔してらっしゃるんですか。いくら人間が珍しいからって物珍しそうに見るんじゃありません!」

メイド長「申し訳ございません、この歳の魔族は本物の人間を見たことがない事が多いもので、」

勇者「いえいえ、気にしないでください。ところでメイド長さんはそんなに珍しそうじゃないですけど、人間を見たことが?」

メイド長「ええ、私はしょっちゅう見ておりますので。」

メイド長「最初は、こんな簡単に死んでしまうのかとびっくりしました。」

勇者「すいません、この話やめましょう。」

画像は無いのかな~

>>61
すまん、文才も無いけど、絵心は皆無なんだ。

メイド長「これから魔王様と謁見するにあたり、諸注意が幾つかあります。」

勇者「はい」

メイド長「まず、魔王様と話すときは必ず目をみて話してください、目を逸らして話したら魔王様じは怒られて帰ってしまうかもしれません。」

勇者「なるほど。」

メイド長「そして隣に王妃様が座られていますが・・・」

メイド長「王妃様は高等なサキュバス族なため、目を見つめただけでチャームされてしまいますのでなるべく目は見ないように。」

勇者「ややこしいですね・・・」

メイド長「かと言って胸元を見つめたりしたら、やはり魔王様は怒ってしまわれますので、なるべく目を逸らして話してください。」

勇者「(面倒くせえ・・・)」

メイド長「それではつきました、足元に気をつけて降りてください。」

勇者「(すげえ、とんでもなくでかい城だ、でもいろんなところにドクロや悪魔の像があって悪趣味だなあ。)」

黒騎士「!!!!!」

勇者「(え?彫像だとおもったら全員黒い鎧をきた兵士だ!)」

執事「お待ちしておりました、私は魔王様の身の回りの世話を仰せつかっている執事でございます。」

勇者「お出迎えしていただいて恐縮です。」

執事「お疲れでしょうが、陛下はすでにお待ちでございます。すぐにでも謁見の間へお願いいたします。」

勇者「わかりました。」

執事「お前たち!すぐに荷を陛下の元へお運びしろ!」

勇者「(出迎えじゃなくて饅頭運ぶ係かよ!)」

勇者「(あれ?この執事、なんか見覚えあるような。)」

勇者「すいません、あなたどこかで見たことがあるようなきがするんですけど。」

執事「恐らく人間界の本で見たことがあるのでしょう。」

勇者「(本にのるってことは、かなりの手練の兵士?もしくは元軍師とか?)」

執事「私、男性向けファッション誌に宣材写真を送ったことが何度もあるのでそれが掲載されたのではないかと。」

勇者「(なんだ、ただの勘違いか。)」

~謁見の間~

魔王「ようこそ、勇者の子孫、我が祖先を地獄に落とし、魔族を不毛の地へと追いやった憎き眷属の末裔よ。」

勇者「こ・・・この度は良縁のご紹介、ありがたく存じます(うわー・・・めっちゃ怖え・・・)」

魔王「魔族と人間の終わりの見えない争い、それを終わらせてくれるのが君だと信じているぞ・・・」

勇者「ご期待に添えるよう頑張ります。」

魔王「ふふふ・・・期待しているぞ。君の力量と・・・持ってきた饅頭の出来にはな。」

勇者「(俺と饅頭は同列かよ!)」

王妃「ウフフ、可愛い子ね・・・あなたのような人が私たちの息子になるなんて・・・嬉しいわ・・・」

魔王「なにせ、我が家には娘しかおらんからな、男子というものがモノ珍しいのだ。」

王妃「あなたも頑張ってくれたのにね・・・こういうところだけは運が悪くってね・・・」

魔王「それはすまなかった・・・しかしお前も激しすぎるからな」

王妃「あら、あなたが私を寝かせてくれないんでしょう、毎晩毎晩・・・」

勇者「(やばい、いま立ち上がったら不敬罪って言われるかもしれない。)」

男「まずこのssにて注意していただきたいことが」

1、>>1はss初心者。「いくらなんでもこれはないわ」とか「キモ過ぎる」
とか思った人はブラウザの戻るを押してください。
2、メタ発言があります。ご容赦ください。
3、更新が遅くなります。

男「まあこんぐらいか。あとは…まぁキャラの設定としては>>1の知り合いなどが使われている。
  ちなみに主人公の設定はほとんど作者だ。」

男「次から口調かわる」

男「じゃぁ温かい目で見てやってください。はじまりはじまりー」

魔王「それでは、我が娘を紹介しよう。第三王女!入って参れ!」

第三王女「・・・」 スッ

勇者「(ん?どんな怖いのがでてくるとおもったら、目の色が赤いくらいで普通の女の子だ。)」

勇者「(しかもめっちゃくちゃ可愛い!)」

魔王「少し人見知りするが許してくれ。」

勇者「いえいえ、人見知りするのは私も同じですので。」

魔王「こいつは異常にシャイなところがあってな。」

魔王「小さいころは、客人をよく魔法で火だるまにして困ったものだった。」

勇者「(照れ隠しで殺されかけるとか洒落になんねえよ。)」

魔王「三女、この方がお前の夫となる人間だ。誠心誠意尽くすように。」

第三王女「わかりました・・・お父さま・・・」

勇者「(でも無機質な人だな。)」

魔王「勇者くん、不束な娘だが、よろしく頼む。」

勇者「わかりました。」

魔王「いいか、間違っても火炎魔法で消し炭にするんじゃないぞ。」

第三王女「わかりました・・・お父さま・・・」

勇者「(本当だろうな!本当にわかってんだろうな!)」

魔王「君たちの新居も用意した。今日からはそこで生活してくれ。」

勇者「ありがたく存じます。」

第三王女「・・・」

魔王「それではお前たちあとは頼んだぞ。」

メイド長・執事「はっ!」

魔王「私はやらなければならないことがあるのでこれで失礼する。」

執事「(饅頭ですな。)」

メイド長「(饅頭だ。)」

勇者「(饅頭だ。)」

黒騎士「(饅頭だ。)」

勇者「(さっきから彼女、一言も喋らない・・・)」

第三王女「・・・」

勇者「(あのサキュバスの血が入っているとは思えないくらい、おしとやかだな)」

第三王女「・・・」

勇者「(まあ会ったことも無い男にいきなり嫁げなんて言われて、嬉しい女なんかいるわけないか・・・)」

メイドA「お嬢様、今日は一段と嬉しそうにしてますわね。」

勇者「(どこをどう見ればそう見える?気をつかってるのか?それとも俺への嫌がらせか?)」

メイドA「それでは、勇者さま、お嬢様、新居に到着しました。」

第三王女「・・・」

勇者「すいません、ありがとうございます。」

メイドA「明日、王宮で正式な婚姻の儀式がございますので、明日の朝までこちらでお休みください。」

第三王女「・・・」

勇者「はい。」

メイドA「それまでは誰も新居に訪れることはありませんので、ごゆっくりお二人でおくつろぎ下さい。」

第三王女「・・・」

勇者「(二人っきりか・・・気まずいな・・・)」

メイドA「家の周りには、触れたら跡形もなく爆発する結界を貼っておきますので、誰も侵入できませんのでご安心ください。」

勇者「(それは監禁というんじゃないのか?)」

メイドA「それではごゆっくり・・・」 ガチャ

勇者「(あー、これから明日まで二人っきりか・・・)」

勇者「(何話せばいいんだ?女の子が好きそうな話しの話題なんて持ってないし・・・)」

勇者「(いや、魔族の女の子だから人間の女の子の話題なんてついてこれないだろうし。)」

勇者「(まあ、初対面なわけだし自己紹介からすればいいかな。)」

勇者「あっあの、僕のことまだ話してな・・・」

ドサッ

第三王女「勇者さま・・・勇者様ぁ・・・」

勇者「えっ?ちょっ?なっ?」

第三王女「勇者さまぁ・・・やっと二人っきりになれましたわ・・・」

勇者「あ、あのごめん、ちょっと苦しい・・・」

第三王女「勇者さまぁ・・・もう離れませんわぁ・・・」

勇者「ちょっと!ねえ!火が付いてる!火が付いてるから!」

勇者「死ぬかと思った・・・」

第三王女「申し訳ありません・・・」 シュン

勇者「いや、別にきにしなくていいけど・・・」

第三王女「本当ですの?許してくれますの?」 パアア

勇者「うん、でも火を出すのは抑えてね。」

第三王女「やっぱり、勇者さまに嫌われてしまいましたわ・・・」 グスン

勇者「いやいや、そんなところも可愛いかな?って思ったりもするし・・・」

第三王女「可愛い?私が?本当?」 パアアアア

勇者「(面白い。)」

勇者「それはそうと、馬車の中とでは随分性格が変わったね?」

第三王女「申し訳ありません。王女たるもの臣民の前ではしたない姿は見せられませんわ。」

勇者「じゃあ、今のが素の王女様ってことでいいんだね?」

第三王女「嫌ですわ勇者様、王女様だなんて・・・姫と呼んでくださいまし。」

勇者「それじゃあ・・・姫」

第三王女「アン!///」

勇者「(ホント面白い。)」

姫「勇者さまぁ・・・やっぱりあの日の約束を覚えていて下さいましたのね?」

勇者「え?」

姫「へ?」

勇者「・・・」

勇者「・・・ごめん・・・なんの話か・・・」

姫「・・・」 プルプル

勇者「(やべえ、泣いちゃう!)」

姫「酷いですわ!酷いですわ!私は勇者様が私のために来てくれたものだとばかり・・・」 

勇者「ごめん・・・僕の実は自分の意思で来たわけじゃないんだ・・・」

姫「そうでしょうね・・・私なんて所詮、勇者様にとってはタダの迷子でしかなかったんですわ。」

勇者「(迷子?そういやこの子見覚えあるような・・・)」

姫「ずっと思い続けていた人が、私のことなどすっかり忘れてしまっていたなんて・・・」 シクシク

姫「ん?その二人が今日、偶然に・・・しかも、結婚する相手として再会した・・・」

姫「つまりこれは運命!?」 パアアアアアア

勇者「(失礼だけど、この娘単純だな。)」

~数年前~

勇者「はあ・・・今日も異常なしか・・・」

勇者「さすがに、二週間も見回りだけだと、さすがに退屈だな・・・」

勇者「どっかにスライムとかいないかな?」

???「ふえ~ん」

勇者「なんだ?子供の泣き声?」

女の子「爺や~・・・どこ行ったの~?・・・」 シクシク

勇者「(迷子?服装はかなりの上流階級だな。)」

勇者「お嬢ちゃん、どうしたのパパとママとはぐれちゃったの?」

女の子「珍しい虫がいたから・・・追いかけてたら・・・」 シクシク

女の子「爺やと・・・はぐれちゃったの・・・」

勇者「じゃあお兄ちゃんの肩に乗りな・・・一緒に爺やさん探してあげるから」

女の子「ありがとう・・・」

女の子「森の中・・・怖い・・・」 ガクガク

勇者「大丈夫、ここは強い魔物はでてこないからね。」

ザザッ!

女の子「きゃあ!リバイアサン!」

勇者「大丈夫、タダの蛇だよ」

ザザッ

女の子「きゃあ!バジリスク!」

勇者「ただのトカゲだよ。」

ザザッ

女の子「きゃあ!どくろイーター!」

勇者「ただのリスだよ。(魔物マニアか?この娘は。)」

勇者「もうすぐ日が暮れちゃうな・・・詰所に行こう、きっと爺やさんも捜索依頼を出してるはずだ・・・」

ガササ

勇者「(まずい・・・スライムだ・・・)」

スライム「・・・」

勇者「(勝てない相手じゃないけど・・・子供を背負ったままじゃ・・・)」

女の子「あ!スライム!」

スライム「・・・!!!」

ソソクサ

勇者「逃げた・・・よかった・・・

勇者「あれ?お嬢ちゃんスライムは怖くないの?」

女の子「うん!よく一緒に遊んでるから!」

勇者「(どんな家だよ!)」

勇者「ただいま戻りました!」

所長「おう!遅かったな?魔物でも出たか?」

勇者「いや、魔物も出たんですけど、一番問題なのは迷子の方で・・・」

所長「迷子?どんな子だ?」

勇者「ほら、入ってきていいよ。」

女の子「きゃあ!イエティ!」

所長「誰が四匹まとめて眠ってて二倍速で迫ってくる魔物だ!」

勇者「所長、せめてツッコミは心のなかでしてください。」

所長「いやさっき、身なりのいい初老の男性が女の子を探してるとここに来たんだ。」

勇者「たぶんこの娘の爺やさんだ!その人は?」

所長「さっきまでここで待ってたんだが、すぐ戻るといって街に行ってしまった。」

勇者「街へ?何をしに?」

所長「どうしても、今日中に郵便物を出さなければいけないと言ってたな。」

勇者「郵便物?かなり重要な書類なのでしょうか?」

執事「お嬢様!あれほど爺やから離れてはだめだと申したでしょう!」

女の子「ごめんなさい爺や・・・」グスン

執事「皆さん、大変ご迷惑をおかけしました。これはほんのお礼です。」

勇者「いやいや爺やさん、これも仕事のウチですから」

所長「そうですよ、国から給料もらってる身でお礼なんかもらったらバチがあたります。」

執事「そうですか、出すぎた真似を失礼しました。」

執事「ほらお嬢様、あなたも言わなければいけないことがあるでしょう。」

女の子「ありがとうお兄ちゃん。」

勇者「いえいえどういたしまして。」ニコッ

女の子 「・・・///」 カァッ

執事「それでは失礼致します。ではお嬢様いきますよ。」

女の子「爺や、ちょっとまって。」

女の子「お兄ちゃん、私が大きくなったら、お兄ちゃんのお嫁さんにしてくれる?」

勇者「う~ん、まず君のお父さんとお母さんに許可もらってきてね。」

女の子「うん!」

勇者「できればお嬢ちゃんの家に婿入りさせてくれたら一番うれしいな、お金持ちそうだからw」

女の子「わかった!約束する!」

勇者「そんな簡単に約束したらダメだろ!」

所長「おじさんの方はどうだ?」

女の子「イエティはいや!」

所長「だれが闘技大会の五番目で四体に分身するか!」

勇者「所長!それは違います!」

~現代~

勇者「(ああ、やっと思い出したぞ。そうだあの時の女の子だ。)

勇者「(だからあの執事さんも見覚えがあったんだな?)」

勇者「(まさかあの時の女の子が魔王の娘だったなんて・・・)」

勇者「(それで、人質同然で婿入りした相手がその女の子だったなんてもしかして本当に運命?)」

姫「そう・・・そして二人は愛の力で魔王を倒して、世界を平和もたらし永遠の愛を・・・」

勇者「(妄想進みすぎ・・・しかも魔王はあんたの父親だろ。)」

姫「やっぱり、あの時から二人は結ばれる運命だったのですね・・・嬉しいですわ///」

勇者「まあ、君も僕の事好きだって言ってくれるならうれしいよ。」

姫「うふふ、これからよろしくおねがいいたしますね。ダーリン///」

勇者「ダーリン・・・」

姫「ねえダーリン・・・愛する二人がひとつ屋根の下・・・やることは一つですわ///」

勇者「え・・・でも・・・そんないきなり。」

姫「私はもう何年も待たされたのも同然です!」

勇者「いやでも・・・心の準備というものが。」

姫「嫌です・・・私もう我慢できませんわ!」 キュピーン

勇者「あれ・・・体が・・・重い。」

姫「うふふ・・・ダーリン、お覚悟なさいませ。」

勇者「(まずい、忘れてたけどこの人サキュバスだった・・・)」

魔王「執事よ・・・ご苦労だった。第三王女の様子はどうだった?」

執事「はい、姫さまもムコ殿の事を大変慕っているようでした。この婚儀は成立したも同然でございます。」

魔王「そうか、長い時間をかけた計画も山場を越えたな。」

執事「ええ、やはり人間どもが差し出した勇者の末裔は、魔王様が目をつけたあの殿方でございましたからな。」

魔王「人間共の浅はかな基準で最低の序列に押しやられたあの青年。まさか我ら魔族の元でその血筋が役に立つ日が来るとは」

魔王「我らを不毛の地へ追いやった初代の勇者でも考えつくまい。」

執事「検査の結果はやはり魔王様の推察通りでした、ムコ殿の勇者としての能力は潜在したまま、それが開花されるのは次の世代からでございます。」

魔王「勇者と魔王、その両方の素質をもった我が孫、ひ孫たちが指揮官となり、人間どもを蹴散らしてくれる。」

執事「ムコ殿との運命の出会いを演出するために、心理操作を施して森の中に置き去りしたときは、さすがに私も肝を冷やしました。」

魔王「すべては順調に進んでいる、魔族がこの世界に君臨する日はもうすぐだ。」

魔王「そして、世界中の饅頭は私のもとに集まることになるのだ。」

執事「成功をお祈りしております、魔王様。」

魔王「ところで執事よ、例のメイド達の準備も進んでいるんだろうな。」

執事「はい、滞り無く。」

魔王「優秀な人材はひとりでも多いほうがいいからな。」


~朝~

チュン・・・チュン・・・

姫「おはようございますダーリン。」

勇者「ああ、夢か・・・昨日はさすがに死ぬかと思った・・・」

姫「ご心配なく、サキュバスでも相手を殺そうと思わなければ、吸い尽くして殺すなんてことありませんわ。」

勇者「そうかもしれないけど、さすがに体中が痛い・・・」

姫「すぐに慣れますわ・・・早く慣れてもらって、たくさんの子供を作りましょうね///」

勇者「体力もつかな・・・」

姫「あと・・・ごめんなさいダーリン昨日言っていない事がひとつありますの。」

勇者「え?何?」

姫「お父様から結婚を認めていただく条件がもう一つありまして・・・」

勇者「え?条件って?」

姫「私としては大変不本意なのですが・・・」

姫「王族の男が、正室一人だけというのはみっともないということでして・・・」

勇者「正室だけじゃだめって・・・まさか・・・」

姫「あぁ・・・もうそろそろ来る頃ですわ・・・」

メイドA.B.C「「「おはようございまーす!!!!」」」

メイドA「私達が、お世話係兼側室のメイドAです!」

メイドB「メ・・・メイドBです・・・私も初めてなんで・・・優しくしてください・・・」

メイドC「メイドCだよ!絶対退屈はさせないからね!」

姫「あなた達・・・失礼の無いようにね・・・それと・・・わたくしの分も残してくださいまし・・・」

メイドA.B.C「「「了解しました!」」」

勇者「(・・・俺、絶対死ぬ・・・)」

ラブラブな新婚生活が人類の破滅を呼ぶことなど勇者は知る由もなかった。

おしまい。

はい完結、もうなにもねえよ。

最後の行と最後のレスが聞こえねぇなぁ見えねぇなぁ



書いてくださいお願いします

>>143

妄想は溢れてくるんだけどさ、明日vitaフラゲしにいかなきゃいけないからさすがにもう書けない。

>>145
=明日以降は書けると

>>146
また妄想が溢れてきたらかきます、
多分覚えてるひといないだろうけど。

>>145
お願いだ

えろを…


エロを…

>>149
だれかこの人のために、このプロットでエロSSを書いてあげてください。

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