男「俺は……!!」(146)

幼「男ー!! 朝だよー!! 起きてー!!」

男「…うぅ」

幼「…もうっ!! ほーらー!! はーやーくー!!」

男「…何だよ、幼。勝手に部屋に入ってくるんじゃねえよ…」

幼「細かいことは気にしなーい!! そんなことより早くしないと夏休み明け初日から遅刻しちゃうよ!!」

男「…わかったよ」

幼「ほらっ、早く着替えて!!」

男「…はいはい、今着替えるよ」

幼「うむ。わかればよろしい!!」

男「………」

幼「………?」

男「…お前は俺の着替えがみたいのか?」

幼「っ!? ご、ごめん!! 今出てくね!!///」

バタンッ

男「……全く」

俺は男。今日から晴れて花の高校生だ。

ガチャ

男「着替え終わったぞー」

幼「う、うんっ。じゃあご飯食べなよ。下で男母さんが待ってるよ」

男「あぁ、わかったよ」

幼「じゃぁ下に行こっか!!」

男「そうだな」

こいつは幼。子供の頃からの腐れ縁だ。

小中と同じ学校で、ようやく違う学校になるかと思いきや、何故か高校まで同じになった。

こいつならもっと頭のいい学校に行けたはずなのだが…。

その理由を聞くと、

幼「…馬鹿っ」

と言ったきり教えてくれなかった。

俺が一体何をしたって言うんだよ。

パタパタ

幼「男母さん!! 起こしてきましたよー!!」

男母「あらぁ、幼ちゃん。いつもありがとうね」

幼「いえいえ、なんのこれしきですよ!!」

男母「本当にあの子ったら朝が弱くてねぇ…」

男「うるせえわい」

幼「事実でしょっ!!」

男母「本当にごめんなさいねぇ。これからもずっとお願いねぇ」ニコッ

幼「えっ、えっ、そ、それって…///」

男母「ふふふ。男も隅に置けないわねぇ」

男「…何がだよ」

幼「こ、これは親公認と思っていいのかしら…キャァ~///」

男母「あらあら、まぁまぁ」

男「朝から元気なこった…」ハァ

ガチャ

男「それじゃ行ってくるぜー」

幼「行ってきます!! 男母さん!!」

男母「は~い。気をつけて行ってくるのよ~」

幼「じゃあ行こっか!! 男!!」

男「言われなくてもそうするよ」

スタスタ

男母「うふふ~。これは将来安心かしら~」

男母「孫を見れる日も近いかもしれないわねぇ」

男母「…あなた」

男母「男は元気ですよ」

男母「だから安心して見守っててくださいね」

スタスタ

幼「いやぁ、新学期が始まると思うとわくわくするね!!」

男「いや、全然」

幼「えー!! 何でよ!! あいつ変わってないかなぁ、とか思わないの?」

男「…あんまし」

幼「もー、周りに無関心なんだから!!」

男「そんな短期間じゃ何も変わらないだろ」

幼「ほらっ!! 転校生とか来るかもしれないじゃない!!」

男「ないない。こんな時期に来ないだろ」

幼「…どうするの? 超美人な転校生とか来たら?」ジトー

男「そりゃ最高だね!!」

幼「…もー!! 男の馬鹿っ!!」スタスタ

男「何怒ってるんだよ!! おい、待てって!!」スタスタ

幼「しーらないっ!!」

_____
___
_

幼「うーん!! やっぱり学校は良いね!!」

男「大半の奴はそう思わないと思うぞ」

幼「えー? そうかなー?」

男「俺は今すぐにでも帰りたいけどな」

幼「もー!! シャキッとしなさいよ!!」

友「…おいおい、朝から見せ付けてくれるねぇ」

幼「あっ、友君!!」

男「…なんだ。生きてたのか」

友「当たり前だろ!! というか昨日会ったばかりだろ!!」

男「てっきり宿題終わらなくてサボるもんだと思ってた」

友「とっくに終わってただろ!! というか昨日はお前が僕の宿題写すために呼んだんだろう!!」

男「いや、俺そのあとお前の答え消しといたし」

友「何してくれてんの!?」

キーンコーンカーンコーン

ガラッ

担任「ほら、お前ら席に着けー」

友「…ちっ。男のアホ!! あとで覚えておけよ!!」

男「いや、結構だよ」

友「こっちがこんなに熱くなってるのに何でお前はそんなに冷たいんだよ!!」

男「お前と居ると暑苦しいから中和してやってんだよ」

友「あっ、なるほど」

男「…バカだ」

担任「こら、友。早く座れ」

友「あっ、はいっ!! んじゃ幼ちゃん。また後でね!!」

幼「うん!! バイバイ友君!!」

友「あぁ…。幼ちゃんはなんて優しいんだ…。それに比べ…」ジー

男「いいからさっさと席に着けよ。というかさっさと宿題やれよ」

友「お前のせいだろうが!! くっそー!!」

担任「…よし、全員席に着いたな。それじゃあ朝のHRの前に…、転校生を紹介したいと思う」

ザワザワ

男「…何だと」

幼「ほらー!! 私の言ったとおりだったじゃない!!」

男「これで美人だったら完璧だな!!」

幼「…むぅ」プクー

担任「それじゃあ入ってきなさい」

ガララッ

女「……」

オー!! メッチャビジン!!

友「女神だ…。女神が降臨した…」

男「…幼。お前占い師にでもなれば?」

幼「…すごい美人さん」

担任「それじゃあ自己紹介を頼むぞ」

女「…○○高校から転校して来ました、女といいます。皆さんどうかよろしくお願いします」ペコッ

ワー!! オンナサーン!! パチパチパチ

幼「…しかも超エリート校じゃない」

友「うおおおおぉおぉおおぉお!! みなぎってきたぁあああぁぁああぁあ!!」

女「……」ジー

男「……?」

女「……」ジー

男「……っ」プイッ

幼「…どうしたの? 男? …まさか見とれてたの?」ジトー

男「……い、いや、なんでもねえよ」

美人、秀才と才色兼備な女。何故か彼女が俺のことを見ていたが……いや、俺の思い違いだろう。

なんにせよ新たなクラスメイトが加わり、より一層この学校も暑苦しくなることだろう。

俺の憂鬱な気分とは無関係に、新学期が今はじま――――――


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_____
___
_

………。

…ん?

ここはどこだ?

見渡す限り、白、白、白。

上も下もわからない。壁や天井すら見当たらない。

何なんだ、一体?

俺は牛乳で出来た海にでも潜っているのか?

…いやいや、そんなものはねえよ。

いくら冷静じゃないからってそれくらいはわかる。

しかしあまりにもわからないことだらけすぎる。

確か俺は教室に居たはずなんだが…。

どう見てもここは教室じゃないよな。というか部屋ですらない。

自分が今どの位置にいるかすらわからない。わけがわからない。

だからといって何もしないわけにもいくまい。

…試しに走ってみよう。

…………。

景色が変わらない。というか俺は今本当に走っているのか?

まるでダイエットマシンの上を走っているようだ。

…試しに叫んでみよう。

ようじょー。

…………。

自分の声が耳に届かない。というか声すら出ていない。

…試しに全裸になってみよう。

…………。

そもそも自分の体が見えない。脱げたかどうかすら定かではない。これじゃ意味がない。

いや、見えていたら全裸になりたいとかそういうわけではないけど。断じて違う。

…しかしこれでは何もすることがない。というか何もできない。自分の置かれている現状すら把握することすらできない。

俺はどうすればいいんだ?

「ようこそ、SSの墓場へ」

うわっ!?

気付けば目の前に女が立っていた。全然気付かなかった。

というかいつからここに居たんだ?

「私はずっとここにいましたよ」

…あれ? 俺の声が聞こえるのか?

「ええ。しっかり聞こえていますよ」

まじか!! 良かった……って。

おい、待て。ということは今までの行動は全部…?

「全てばっちり見ていましたよ」

うわああああぁぁぁぁああ!!

悶える。死にたい。いっそ殺してくれ。穴があったら今すぐ埋めて欲しい。

「安心してください。既に死んでいますよ」

…何だって? そういえばさっき墓場がどうこうって…。

「はい。ここはSSの墓場です」

…ちょっと待て。整理させて欲しい。

俺は既に死んでいる? Why? 何故? 死因は?

さっき死にたいって言ったからか? 言霊か? 有言実行してしまったのか?

というかここはどこだよ? そしてお前は一体何者なんだよ? 何を知ってるんだよ?

そもそもSSってなんだよ。なんかの略称か? Small ○eniSの略か?

見られてたんか!! やっぱ見られてたんか!!

「落ち着いてください。質問は一つずつお答えします。あと早くズボンを履いてください」

…はい。すいません。早く履くので警察だけは勘弁してください。

「いいから早く履いてください」

はい。

俺はズボンを履く。…履けてるよな? 自分では見えないからよくわからん。というか俺はさっきまでフル○ンで喋ってたのか。死にたい。

「もう死んでますって。あと安心してください。パンツは履いていましたから」

よかったああああぁぁぁぁあああぁ!! これで一安………いや、待て。今日って確か…。

「ブリーフでしたね」

……うわああああああぁぁああぁああ!!

「いい加減落ち着いてください。話が進みません」

…ごめん。うん、切り替えよう。

いいじゃないか、高校生になってブリーフでも。何が悪いというのだろうか? いや、何も悪くない。

むしろ履き心地が良くて最高じゃねえか。皆も履けよ。

「落ち着きましたか? では質問に答えます」

おう。どんと来い。

あれだけの痴態を見られた後なら何が来たって怖くないぜ!!

「まずあなたは死んでいます。死因はあとで説明しますが」

……お、思った以上にくるものがあるな。

さっき聞いていたとはいえ…。

「辛いとは思いますが事実なのです」

…そうか。随分と短い人生だったな。

「…ええ。本当に」

…それで?

ここは一体どこなんだ?

「ここはSSの墓場です。ここには人生に心残りのあるものが訪れる所です」

…なるほど。

確かにこんな短い人生じゃ悔いの一つや二つあるしな…。

…畜生!! 童○のまま死ぬなんて!!

「最低な悔いですね」

うるせえ!! 大事なことだろうが!!

「私にはわかりませんがね」

…確かに女の子にする話じゃなかったな。ごめん。

あと通報しないで。

「別に気にしていませんからいいですが」

ありがとうございます!!

…ところでお前は誰なんだ?

やけにここに詳しいが?

「私はこのSSの墓場の案内をしている者です」

あぁ、なるほど。通りで。

でも俺とあんまり変わらない歳に見えるが?

「…そうかもしれませんね」

てかSSってなんだ?

なんかの略称なのか?

「SSというのは…わかりやすく言えば小説のようなものですね」

なるほど!

Shou Setsuの略だったか!

「Short Storyの略称です」

…さいですか。

それで? なんでここがSSの墓場って呼ばれてるんだ?

「まだわからないのですか?」

何がだよ?

「あなたがそのSSの登場人物だったってことですよ」

……は?

いやいや、何言ってるんだよ。いくら混乱してるからってそんなことじゃ騙されないぞ。

「受け止めてください。あなたはついさっき生み出されたばかりの存在なのです」

…おいおい。流石にそれはねえよ。

「どうしてそう言い切れるんですか?」

だって俺は幼馴染と遊んだ記憶もあるし、友と遊んだ記憶だってある。

それに母親との記憶もあるし、父親の記憶も……まああるしよ。

「それは偽りの記憶です。そんな過去は存在しません。認めてください。あなたは実在した人物ではないのです」

…あのなぁ。流石に温厚な俺だって怒るぞ?

俺のことを知りもしないくせに人の過去にケチつけたり、挙句の果てに存在まで否定されちゃ。

「…そうですか。ではあなたの過去を教えてください」

ああ。良いぜ。いいか、良く聞けよ。

まず俺と幼馴染の出会いは………あれ?

「どうですか? 思い出せました?」

ま、待て!! そりゃ思い出せないことの一つや二つくらいあるだろうが!!

「…そうですか。それではあなたの父親のことを教えてください」

お前……流石にそれはデリカシーがなくないか? 人には言いづらいことくらいあるだろうが。

「…大事なことです。お願いします」

…わかったよ。

俺の父親は………………………あ…れ…?

「何か思い出せましたか?」

…待て。そんなはずはない。こんな大事な記憶を思い出せないはずが…。

「思い出せないんじゃないんです。そもそもそんな記憶、最初から存在しないんです。きっと作者ですら考えていないと思いますよ。多分あとから考えようとしていたのでしょう」

ま、待て!! そんな馬鹿な話があるか!! ちょっと待ってくれ!! 今話す!! 俺の父親は……父親は……!!

「いい加減認めてください。あなたはとある掲示板に存在するSSの登場人物のうちの一人なのですよ」

………そんな……俺は…。

「わかりましたか。あなたはたった2バイトで表すことが出来るの存在なのです。そしてあなたが喋っている言葉も全て2バイトの連続なのです」

…………。

「認められましたか?」

…あぁ。認めるよ。既にこんな奇妙な体験もしてるしな。

そうか…。俺は空想上の存在なのか…。

そりゃいくら過去を思い出そうとしても何も思い出せないよな。

「でしょうね。あなたはついさっき生まれたのですから。幼さんも友さんも、そして男母さんも」

…ははっ。全員同じ誕生日ってことか。

「そういうことです。死亡時刻も一緒ですよ」

…なるほどな。お前がそう言うんだからそうなんだろうな。

「凹みました?」

そりゃあ…な。死んだって言われただけでもショックだったのに、まさか現実に存在していなかったなんて言われればな。

「…そうですか。辛いでしょうがこの現状を受け止めてください」

…あぁ。そうするしかないみたいだしな。

…それで? 俺は何で死んだんだ?

教室にいた所までは覚えているがそれ以降のことは覚えてないんだよ。

「覚えているはずありませんよ。それ以降何もありませんから」

どういうことだ?

「あのSSはあそこで終わったのです」

はぁ!? あんな中途半端な所で!?

「ええ。あれ以降書き込みは一つもありません」

おいおいおい、ちょっと待てよ!! 何でだよ!! あれで物語は完結なのか!?

「いえ、そういう訳ではありません」

じゃあなんで!?

「正確に言うと飽きて捨てられたのです」

……は?

「ですから飽きて捨てられたのです。作者が書き込むことを放棄したのです」

…そんなのってありかよ。

たった一人の感情で俺らの人生は終わったっていうのかよ!!

「その通りです。作ったは良いが面倒くさいので書き込むのをやめよう。それだけであのSSは終了したのです」

ふざけんじゃねえ!! 人の命を何だと思っていやがる!!

「作者にとってはただのテキストなのです。あなたたちは自由に動かせる役者でしかないのですよ」

それにしたって酷いだろうが!! 責任もって書きあげれないなら最初から書くんじゃねえよ!!

「ですがルールに『立て逃げおk』。つまり書くことを途中で放棄しても構わないと書いてあるのです」

…そんな。

「ですからルール違反でもなんでもないのです。作者を責める事なんてできないのです。最も、批判もありなので責めても構いませんがね」

……他の奴らはどうしたんだよ。俺以外にも登場人物は居ただろ? 全員納得したっていうのかよ?

「ええ。皆諦めて既に消失しましたよ」

…そうか。

「はい」

…くそっ。諦めるしかないっていうのかよ…。俺も直に消えちまうのかよ…。

これで俺の人生は終わりだっていうのかよ…。

「…そうとも限りませんよ」

…何?

「まだあなたには選ぶ権利があります」

何をだよ?

「諦めて消える…『消失』するか、ここで過ごす…『残留』するか、そしてもう一度生きる…『転生』するかです」

何!? 生き返ることができるのか!?

「ええ」

だったら生き返らせてくれ!! こんな終わり方じゃ納得できねえよ!!

「…ですが本当にいいのですか?」

何を迷うことがあるんだよ!! 俺はしっかりと人生を終えたいんだ!!

「次も途中で投げ出されるかも知れませんよ?」

そうかもな。でもその時はまた転生すればいいだろ?

「…全く違う役をやらされるかも知れませんよ?」

それでもこんな中途半端な所で終わるのはまっぴらだ!!

「…そうですか。わかりました」

よしっ!! じゃあ早速転生の仕方を教えてくれよ!!

「…願うのです」

は? 何をだよ?

「もう一度生きたい。そう強く願うことができれば転生することができます」

何だそんなことかよ。

「…えぇ。ただそれだけのことです」

なら簡単じゃねえか!!

よしっ!!

じゃあ早速転生させて貰うわ!!

「…そうですか」

それで? なんて願えばいいんだ?

「普通にもう一度生きたいでいいんじゃないですか?」

その辺は結構アバウトなのな。

「ええ。重要なのは気持ちですから」

なるほどな。

「では願ってください」

(もう一度生きたい、もう一度生きたい、もう一度生きたい…)

……あぁ、意識が遠くなってきた。

「…成功したようですね。直に書き手が現れる事でしょう」

…そうか…世話になったな…。

「いえ。ただ役割を遂行しただけですから」

…それでも…ありがとう…な。

「そうですか。気持ちだけ受け取っておきます」

……そっか……それじゃあな…。

「はい。お元気で」

………そっちも…元気でな…。

「…えぇ。行ってらっしゃいませ」

_____
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1:†JOKER†:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX ID:XXXXXXXX

-城-

王「おぉ、これは勇者様!! よく来てくださった!!」

勇者「フハハハハハ!! この俺様を呼び出すとはな…。その心意気は認めてやろう!!」

王「御足労痛み入ります」

勇者「感謝するがいい!! それで何用だ? この俺様を呼び出すということはよっぽどの事があったのであろう?」

王「はい…。実はかの大魔王が復活したとの報告がありまして…」

勇者「何!? それはあの『冷酷な王(ルスレス・キング)』のことか!?」

王「左様で御座います」

勇者「なるほどな…。やけに俺様の右腕が疼くわけだ…」

王「そこで勇者様には…」

勇者「皆まで言うな。この俺様に『冷酷な王(ルスレス・キング)』を倒せ。…そう言いたいのだな?」

王「流石勇者様…。その通りでございます」

勇者「…ふむ。良かろう。その『依頼(クエスト)』受けてやろうではないか!!」

王「ほ、本当ですか!?」

2:†JOKER†:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX ID:XXXXXXXX

勇者「愚問だな。俺様以外に誰が倒せるというのだ?」

王「流石勇者様…。『最凶勇者(イービル・ヒーロー)』の異名は伊達じゃないですね…」

勇者「フハハハハ!! 何!! この俺様に任せておくがいい!!」

王「あ、ありがとうございます!! 勇者様!!」

勇者「さて…。では早速行くとするか…」

王「もう行かれるのですか?」

勇者「あぁ。風が俺様を呼んでいるのでな…」

王「なるほど…。それではお気を付けてください!!」

勇者「愚者よ。俺の心配などする必要はない」

王「こ、これは失礼しました!!」

勇者「心配するなら『冷酷な王(ルスレス・キング)』の身を案ずるのだな。フハハハハハハ!!」

王「流石勇者様…。確固たる自信をお持ちで…」

勇者「ではな、『エデンの王』よ。紅茶でも飲みながら待っているのだな。フーハハハハハハ!!」

王「ありがとうございます、勇者様!!」

3:†JOKER†:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX ID:XXXXXXXX

-城下町-

勇者「…さて、支度も整った。行くとするか」

勇者「…だがそうだな。一応教会にでも顔を出してみるか」

勇者「ふっ。久々に『女神』の顔を拝むのも悪くないな…」

勇者「フハハハハ、では教会にでも行くとするか!!」

4:†JOKER†:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX ID:XXXXXXXX

-教会-

勇者「相変わらず神々しい所だな…。俺様の様なものには眩しすぎる」

女神「…来てくださったのですね。勇者様」

勇者「久方ぶりだな、女神よ。元気そうで何よりだ」

女神「勇者様もご無事でなによりです…」

勇者「フハハハハ!! 愚問だぞ、女神よ!! この『死神の加護』を纏った俺様がやられる訳なかろう!!」

女神「…そうですね。これは失礼しました」

勇者「分かればいいのだ。フーハハハハハ!!」

女神「…また旅に出るのですね?」

勇者「その通りだ。その前に一応顔を見せてやろうと思ってな」

女神「…そうですか。お気をつけてください」

勇者「心配など無用だ!! この俺様がやられるビジョンなど思いつかん!! 指をくわえて待ってるがいい!! フーハハハハハ!!」

女神「……そうですね。勇者様なら大丈夫ですよね」

5:†JOKER†:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX ID:XXXXXXXX

勇者「愚問だな。さて。では、行くとするか」

女神「…そうですか。また会えることを祈っております」

勇者「ふん。俺様の為に祈るくらいなら孤児の為にでも祈ってやるのだな」

女神「…そうですか」

勇者「ではな、女神よ。達者でな」

女神「はい、勇者様」

ヒュン

女神「……少しくらい心配させてくださってもいいじゃないですか、勇者様」

女神「…私には祈ることしかできませんが力になりたいのですよ」

女神「すみません、勇者様。約束、破らせていただきます…」

女神「…勇者様に女神のご加護がありますように」

6:†JOKER†:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX ID:XXXXXXXX

-始まりの草原-

勇者「『破滅の宴(Feast of ruin)』」ゴウッ!!

魔物「ピギー!!」

ボウッ

勇者「フハハハハ!! なんと手応えのない!! 拍子抜けだな!!」

勇者「これは今日中にでも終わるやも知れぬな…」

「…それはどうでしょうね」

勇者「…やっとお出ましのようだな。先から気配がすると思っていた所だ」

魔人「…流石『最凶勇者』と呼ばれているだけのことはあるようですね。この私に気付くとは」

勇者「ふん。それで気配を隠していたつもりか?」

魔人「ふむ…。いつまでそのような事を言えますかね?」

勇者「貴様程度の奴に平伏すわけがなかろう」

魔人「この私を知らないとは…。余程世間知らずの様ですね」

勇者「…何?」

7:†JOKER†:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX ID:XXXXXXXX

魔人「私は魔王四天王の一人、『聡明な魔人(ワイズ・マグオス)』です」

勇者「ふん…。残念ながら聞いたこともないな…」

魔人「それはそれは…。ですが一生忘れられない名前となることでしょう」

勇者「ほう…」

魔人「何故なら…、ここで一生を終える事となりますからね!!」

勇者「良かろう…。そこまで言うなら掛かってくるが良い!!」

魔人「言われなくてもそのつもりですよ」

魔人「『暗黒魔法(ダーク・マジック)』」

ギュイイイイン!!

勇者「……」

ドーン!!

パラパラパラ…

魔人「…ふっ。体の一部すら残りませんでしたか…」

魔人「『最凶勇者』も大したことありませんでしたね…」

8:†JOKER†:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX ID:XXXXXXXX

「『破滅の宴(Feast of ruin)』」ゴウッ!!

魔人「なっ!? が、ガアアアアァァアアッァア!!」

勇者「ふん…。その程度か…。道端の石ころの方が歯ごたえがあるというものだ…」

魔人「くっ…。あれを避けるとは…」

勇者「フハハハハ!! 何を言っているのだ、貴様は!! 止まっているのかと思ったわ!!」

魔人「…何…だと…」

勇者「つまらぬ…。だが『初戦(ウォーミングアップ)』としてはこんなものか…」

魔人「化け物め…」

勇者「フハハハハハ!! 恨むんなら俺様に挑んだことを恨むのだな!!」

魔人「ですが…私も負けるわけにはいきません!!」

勇者「自ら死を選択するとは…、愚かな者よ」

魔人「さぁ…反撃といかせて貰いますよ」

勇者「フーハハハハハ!! よかろう!! さぁ!! 『宴(ショータイム)』の始ま―――

9:以下、名無しが深夜にお送りします:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX ID:XXXXXXXX

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ちょっと出かけてきます!

再開します!

_____
___
_

…………。

…あぁ。また来ちまったのか。

…………。

というかなんだよ、あれ!!

「おかえりなさいませ」

おい!! なんだよあれは!! なんで俺があんな恥ずかしいセリフを言わなくちゃならねえんだよ!!

「だから言ったではないですか。全く違う役をやらされるかもしれないと」

それにしたって酷過ぎるだろ!! 何が『破滅の宴(Feast of ruin)』だよ!! 読み方わからねえなら使うんじゃねえよ!!

「私に言われても困ります。私が書いたわけではありませんし」

……それもそうだな。すまん。ちょっとどうかしてたよ、俺。

「分かっていただければいいのです」

…それで? 今回は何で終わっちまったんだよ?

いや、最後の人生があいつで終わるのも嫌だったけどよ。

「後先考えず風呂敷を広げすぎ、今後の展開を思いつかなかったからでしょうね」

…そうか。

「あと二つ名や技名、コテが恥ずかしくなったからですね」

…だろうな。やっぱり名前って大事だよな。

「そうですね。一生物ですからね」

…はぁ。しかしまたここに戻ってきちまったな。

「おかえりなさいませ。『最凶勇者(イービル・ヒーロー)』さん」

その名で呼ぶんじゃねえ!!

…しかしここに戻ってきた時さっきの性格のままなのかと思ったが違うようで安心したよ。

「良かったですね」

本当にな…。

「…そうですか。やはり二回目以降は性格は上書きされないんですね」

何? お前も知らなかったのか?

「確証はなかったですね。二回目以降ここに来るキャラはほとんどいませんからね」

………まじかよ。

「ええ。無事完結されて成仏するか、ここに来るまでもなく諦めて消失するキャラがほとんどでしたからね」

………そういうことかよ。

「はい。そういうことです。すごいですね、あなたは」

こんなことで褒められたくねえよ!! 俺も普通に成仏したかったよ!!

…いや、あれで成仏はしたくなかったけどよ。

「ちなみに完結してもここへ戻ってくることはできますよ」

何? そうなのか?

「はい。書くのが面倒臭くなって適当に終わらされたSSのキャラは結構来ますよ」

あぁ、なるほど…。

ということはどうせ俺はここに戻ってきてたのか…。

「あなたがそれを選べばですけどね」

間違いなく選んだと思うぞ、俺は。

「そうですか」

流石に厨二病のまま人生終わらせたくはねえよ…。

「作者は今後あれを思い出して悶える事になると思いますがね」

…友人にばれないことを願うしかないな。

「それで? また転生するのですか?」

当たり前だ!! 諦めきれるか!!

「…そうですか」

あぁ!! ちゃんと終わらせてもらえるまで俺は何度だって繰り返すぜ!!

「…それが出来ればいいですけどね」

え?

「いえ、独り言です。特に意味はありません」

そうなのか?

「はい。あなたは転生することだけ考えていてください」

…まあ確かにな。雑念で失敗したくないしな。

「ええ。ですからしっかりもう一度生きたいと考えてください」

あぁ、そうだな。

…うっし!! じゃあ俺は行くぜ!!

「そうですか。それでは願ってください」

(もう一度生きたい、もう一度生きたい、もう一度生きたい…)

…あぁ、意識が遠くなってきた。

「…成功したようですね。直に書き手が現れる事でしょう」

…そうか…もうここに来ないことを祈るよ…。

「そうしてください」

……じゃあな……今度こそ…お別れだ…。

「…そうなると良いですね」

……あばよ。

「…えぇ。行ってらっしゃいませ」

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1:以下、名無しが深夜にお送りします:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX ID:XXXXXXXX

エレン「おーい、ミカサ、アルミン。こっちだ」

アルミン「おはよう。エレン」

ミカサ「おはようエレン。でもエレン。食堂で騒ぐのは良くない。ので、私がその口を塞ぐ」

エレン「ば、ばかっ!! ふざけんな!!」

ジャン「おい、エレン!! ふざけてるのはそっちだ!! そんな羨ましいこと断るとはどういうつもりだ!!」ガタッ

ミカサ「ジャンの言う通り。ので、大人しく口を塞がれるべき」

エレン「ばかっ、やめろ、ミカサ!! というかジャン!! お前は断らずにミカサとキスしてもいいって言うのかよ!!」

ジャン「…ふっざけんじゃねえええぇええ!!」

エレン「どっちなんだよお前は!!」

ミカサ「うるさい、エレン。ので、実力行使で黙らせる」グイッ

エレン「ふっざけんなああああぁぁあぁああぁ!!」

ギャーギャーギャー

アルミン「…朝から元気だね、皆」

サシャ「とりあえず全員分のパァンは貰っておきますね!!」モグモグ

2:以下、名無しが深夜にお送りします:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX ID:XXXXXXXX

ユミル「…ったく。朝から騒がしいな」

クリスタ「元気なことはいいことだよね!!」フンス

アルミン(…天使だ)

ライナー(…結婚しよ)

ユミル「流石私の嫁!! 着眼点が違うね!!」ギュッ

クリスタ「ちょ、ちょっとユミル!! やめてよ!!」

ユミル「ここか? ここがいいのか?」ワキワキ

クリスタ「ちょっとやめ…あっ///」

アルミン「」ゴフッ

ライナー(…眼福眼福)

ベルトルト「……」

アニ(…良いなあ、私も混ざりたい)

3:以下、名無しが深夜にお送りします:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX ID:XXXXXXXX
キャラ崩壊しすぎ。つまらん。


4:以下、名無しが深夜にお送りします:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX ID:XXXXXXXX
はいはい、ワロスワロス


5:以下、名無しが深夜にお送りします:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX ID:XXXXXXXX
チラ裏でやれ


6:以下、名無しが深夜にお送りします:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX ID:XXXXXXXX

      -完-

7:以下、名無しが深夜にお送りします:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX ID:XXXXXXXX

このスレッドは終了しました

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…………。

……なんなんだよ。

一体なんだっていうんだよ!!

「おかえりなさいませ」

おい!! なんだよあれは!! 酷過ぎんだろうが!!

「過激な批判でしたね」

あんなのが許されていいのかよ!! 批判するったって限度があるだろうが!!

「確かにあれはやり過ぎかもしれませんね」

そうだ!! 作者が可哀想すぎんだろうが!!

「そうですね。…ですが作者も悪いのですよ」

…何でだよ。何がいけなかったっていうんだよ!!

「まずこれは二次創作です。ですからしっかりキャラの特徴を把握していなければなりません。それなのに適当に書いてしまった。これが一つ目です」

……二つ目はなんだよ。

「これはSSなのです。仕事ではありません。別に書かなくても何の問題もないのです。趣味で書いているのですから」

………。

「そしてルールに『批判おk』と書いてあるのため、批判が来ることが前もってわかっているはずなのです。それにも関わらず書いたのですから批判を受け止める覚悟が必要なのはわかりきったことです」

………。

「ですが作者は投げ出したのです。自分が辛いからという理由でSSを書くことを放棄したのです」

………。

「読者も時間を割いて読んでいるのです。ですから批判に耐えれないのなら何を書いてもいいという訳ではないのです」

……確かにな。お前の言う通りかもしれないな。

「無論、読者だから何を言っても許されるというわけではありませんがね」

…悪い、ちょっと熱くなりすぎたよ。

「私は大丈夫です。こちらこそ偉そうなことを言って申し訳ありませんでした」

いや、良いんだ。考え方は人それぞれだもんな。

「そうですね。私の意見が全てという訳でもありませんしね」

…そうだな。

…うっし!! じゃあ切り替えて次行くか!!

「…まだ行くのですか?」

あぁ。まだ諦めるにはいかねえよ。

「…これだけ失敗してるというのにまだ行くのですか?」

あぁ。次こそは完結してくれるはずだ!!

俺は次の作者を信じている!!

「……どうしてそこまで信じられるのですか」

…え?

「…いえ、何でもありません」

そうか? まぁお前がそういうなら良いけどよ。

「はい。ですから安心して転生してください」

ああ!! 次こそ終わらせてくるぜ!!

「あなたが頑張ってもどうしようもないのですけどね」

出鼻挫くようなこと言うんじゃねえよ!!

「これは申し訳ありません。それでは願ってください」

(もう一度生きたい、もう一度生きたい、もう一度生きたい…)

…あぁ、意識が遠くなってきた。

「…成功したようですね。直に書き手が現れる事でしょう」

…次こそ…完結させてくれよ…作者さんよ……。

「…そうなると良いですね」

……じゃあ…行ってくるぜ…。

「…えぇ。行ってらっしゃいませ」

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___
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今日はここで終わりです!

1:以下、名無しが深夜にお送りします:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX ID:XXXXXXXX

男「…ここが俺の新しい家か」

男「しかしこんな綺麗な所を一万円で借りれるなんて素晴らしいな」

男「うん。外観は完璧。これで中が綺麗なら文句なしだね」

男「まっ、一万なら何があっても文句なんか言わねえけどね!!」

男「よしっ、それでは御開帳~♪」

ガチャ

幽霊「………」

男「のわああああぁあああぁああ!!」

2:以下、名無しが深夜にお送りします:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX ID:XXXXXXXX

男「な、な、なんなんだ、君はっ!?」

幽霊「…え? わ、私が見えるんですか?」

男「え? う、うん。というかなんでここに? あれ、俺部屋間違えたかな?」

幽霊「…いえ、そんなことはないと思いますよ」

男「…だよな。部屋番号もあってるし。じゃあなんで君はここに居るんだ?」

幽霊「……実は私幽霊なんです」

男「………は?」

幽霊「ですからずっとここに居たんです」

男「……まじ?」

幽霊「はい」コクッ

男「………」フラッ

バタッ

幽霊「えぇ!? ちょ、ちょっと、大丈夫ですかぁ!?」

3:以下、名無しが深夜にお送りします:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX ID:XXXXXXXX

男「……うん? ここは…?」ガバッ

幽霊「…気がつきましたか?」

男「………」フラッ

幽霊「わああぁあ!! 待ってくださいよー!!」

男「……ゆ、夢じゃなかったんだ」ガクブル

幽霊「そ、そんなに怯えなくても…」

男「……呪わない?」

幽霊「そ、そんなことしませんよ!!」

男「そ、そっか…。な、ならいいんだけどさ…」

幽霊「…結構怖がりなんですね」

男「いきなり幽霊現れればそりゃビビるよ!!」

幽霊「ご、ごめんなさい!!」

男「…いや、驚きすぎた俺も悪いんだけどさ。ごめんね。悪気があったわけじゃないんだけどさ」

幽霊「こ、こちらこそ…」

4:以下、名無しが深夜にお送りします:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX ID:XXXXXXXX

男「…ははは。互いに謝っていても仕方ないね」

幽霊「…ふふふ。そうですね」

男「俺は男って言うんだ。君は?」

幽霊「……すみません。わからないんです」

男「え?」

幽霊「…実は生前の記憶が無くて」

男「…そうなのか。ごめんね。なんか辛いことを聞いて」

幽霊「い、いえ!! 全然大丈夫ですよ!! 気にしないでください!! 私は気にしていませんから!!」

男「…でもやっぱり昔のこと思い出したいって思わない?」

幽霊「…まぁそうですね。自分がどうして死んでしまったのか。…それくらいは知りたいですね」

男「…そうだよな」

幽霊「…はい」

男「……うっし!! じゃあ一緒に探そうか!!」

幽霊「……え?」

5:以下、名無しが深夜にお送りします:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX ID:XXXXXXXX

男「こうして出会ったのも何かの縁だ。死神様が引き合わせてくれたのかな? なんてね、ハハハ」

幽霊「………」

男「…そんなに面白くなかった?」

幽霊「あ、いえ、そういう訳じゃないんです!! …ですがいいんですか?」

男「うん。いいよ。特にやることもないしね」

幽霊「…ですが」

男「あ、とは言っても流石に学校に行ってる時は出来ないけどね。それ以外なら付き合うよ」

幽霊「…本当にいいんですか?」

男「うん。俺が出来る範囲でいいならね」

幽霊「…ありがとうございます。男さん!!」

男「どういたしまして。それじゃあ改めてよろしくね。え~っと…幽霊ちゃん?」

幽霊「…はい!! よろしくお願いします、男さん!!」


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>>104
すみません、ずれました…

50:以下、名無しが深夜にお送りします:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX ID:XXXXXXXX

幽霊「……」

男「…だから君は」

幽霊「……嫌です」

男「…え?」

幽霊「嫌です!! 成仏なんてしたくありません!!」

男「…どうして? また新たな人生を歩むことができるじゃないか?」

幽霊「…だからですよ」

男「……え?」

幽霊「だから私は成仏なんてしたくないんです!!」

男「なっ!? な、なんでだよ!! ずっと生きたがってたじゃないか!!」

幽霊「もう良いんです!! そんなことどうでもいいんです!!」

男「…幽霊ちゃん。どうして…」

51:以下、名無しが深夜にお送りします:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX ID:XXXXXXXX

幽霊「…だって…だって…成仏したら男さんともう会えないじゃないですか!!」

男「………」

幽霊「私は男さんと離れたくない!! ずっと一緒に居たいんです!!」

男「…幽霊ちゃん」

幽霊「…男さんはそれでも良いっていうんですか。私が居なくなっても良いっていうんですか!!」

男「…俺も寂しいよ。でも…」

幽霊「だったらいいじゃないですか!! 無理に成仏する必要なんてないじゃないですか!!」

男「………」

幽霊「これからも私と一緒に過ごしましょうよ…。きっと楽しいですよ…」

男「………」

幽霊「どうなんですか…。男さん…。それでも私に成仏しろって言うんですか…?」

男「……俺は――」

…確かに今まで『俺』は楽しかった。

幽霊ちゃんも『俺』のことを大事に思っていてくれてたし、もちろん『俺』も幽霊ちゃんのことを大事に思っていた。

ここで引きとめて一緒に過ごす。

ずっと楽しい時間を二人で過ごせる。

これからもずっと幸せな時を過ごせる。

ハッピーエンドじゃないか。とても良い人生じゃないか。そんな結末もいいじゃないか。

生まれ変わって良いことがあったか?

辛い思いをしただけじゃないか?

だったら何を悩むことがあるんだよ。

二人で幸せになればいいじゃないか。

ハッピーエンドにすればいいじゃないか。

それでいいじゃないか。

だから『俺』は――

52:以下、名無しが深夜にお送りします:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX ID:XXXXXXXX

男「――それでも俺は成仏して欲しい」

幽霊「……そんな…。どうして…」

男「確かにここに残れば、ずっと楽しい時間を二人で過ごせだろうし幸せな時を過ごせると思う」

幽霊「だったら…!!」

男「…でもそれじゃあダメなんだよ。そんなの『残留』と変わらない。これじゃあ本当に幸せになんかなれないんだ」

幽霊「……どうしてですか?」

男「…俺らにはこの先がないんだよ」

幽霊「……え?」

男「ここで物語が終わってしまうんだ。本来ならこの後結婚、出産、子供の成長と楽しい未来が待っているはずなんだ。だけどこのままじゃそんな経験をすることはできない」

幽霊「………」

男「そんなの見せかけの幸せだ。本当の幸せなんかじゃない。未来のない物語なんて俺は認めない!!」

53:以下、名無しが深夜にお送りします:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX ID:XXXXXXXX

幽霊「でも!! それじゃあ男さんと巡り合えないかもしれないじゃないですか!!」

男「…確かにそうだね」

幽霊「そんなの嫌です!! 私は男さんと過ごしたいんです!!」

男「…だから『転生』するんだよ」

幽霊「……転生?」

男「何度も何度も人生を繰り返して…何度目になるかわからないけどそこでまた出会うんだ」

幽霊「そんなの不可能ですよ!!」

男「そんなことない!!」

幽霊「っ!!」

男「何度繰り返しても。悲劇だとしても。挫けそうになったとしても。どれだけ辛い事が待っていようと。それでも俺らはまた出会える!!」

幽霊「…どうしてそう言い切れるんですか」

男「諦めなければ何度だって『転生』することが出来るんだ。確かに出会える可能性は限りなく0に等しいかもしれない」

幽霊「………」

男「…でも0ではないんだ!! 本当に幸せになりたいんだったら賭けてみたっていいじゃないか!!」

54:以下、名無しが深夜にお送りします:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX ID:XXXXXXXX

幽霊「………」

男「…だから」

幽霊「……わかりました」

男「……え?」

幽霊「…ズルイですよ、男さん。…そこまで言われたら賭けてみたくなるじゃないですか」

男「……幽霊ちゃん」

幽霊「ですから男さん。約束してください」

男「…何を?」

幽霊「何度繰り返しても。悲劇だとしても。挫けそうになったとしても。どれだけ辛い事が待っていようと。…絶対に諦めないでくださいね」

男「…あぁ。約束するよ」

幽霊「何億分の一から絶対に私を見つけてくださいね」

男「…あぁ。約束するよ」

幽霊「…絶対に浮気しないでくださいね!!」

男「…あぁ!! 約束するよ!!」

55:以下、名無しが深夜にお送りします:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX ID:XXXXXXXX

幽霊「……どうやらお別れの時間のようですね」

男「……うん、そうだね」

幽霊「…それじゃあ男さん。お別れです」

男「…うん、元気でね」

幽霊「…えぇ。それじゃあ」



幽霊「またね…です!!」

男「…うん。またね」

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56:以下、名無しが深夜にお送りします:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX ID:XXXXXXXX

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男「…ここが俺の新しい家か」

男「しかしこんな綺麗な所を借りれるなんて素晴らしいな」

男「うん。外観は完璧。内装も完璧」

男「…さて。部屋の整理も終わったことだし隣に挨拶にでも行くか」

男「一体どんな人だろう…。緊張するな…」

ピンポーン

男「すみませーん!! 今日からお隣に引っ越してきた男です!! よろしくお願いします!!」

ガチャ

「……やっと来ましたか。ずっと待っていたんですよ」

男「……そっか。それは俺も同じだよ」

57:以下、名無しが深夜にお送りします:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX ID:XXXXXXXX

「随分と回り道をしてきたみたいですね」

男「うん。そうだね。でももうやることは決まったよ」

「…そうですか。それは良かったです」

男「あぁ。だから俺はもう迷わないよ。次はこうしようって決めていたんだ」

「…ではお願いします。しっかり終止符を打ってくださいね」

男「うん、わかったよ」

「何度も何度も苦しんでいたんです。ですからしっかり救いだしてくださいね」

男「…うん、任せてよ」





男「……おかえり、幽霊ちゃん」

幽霊「…はいっ!! ただいま…です!!」



-Fin-

58:以下、名無しが深夜にお送りします:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX ID:XXXXXXXX



59:以下、名無しが深夜にお送りします:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX ID:XXXXXXXX

長い間お疲れさん


60:以下、名無しが深夜にお送りします:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX ID:XXXXXXXX

これからも頑張ってくれよ

………あぁ。

やっと…。

やっと完結できた…。

長かった…。

でもこれでもう救われるんだ…。

コメントがこんなに嬉しいものだとはな…。

諦めなくて良かった。

生き抜いて良かった。

この気持ちを皆に味わってもらいたい。

頑張って良かったと思ってほしい。

…だから俺はもう迷わない。

やるべきことは決まっている。

ありがとうな、皆。

俺は――――

今日はこれで終わりで!

…あぁ、意識が遠くなってきた。

…………………。

……おい…お前…。

……そうだよ…お前だ…。

………このSSを書いてる…お前だよ。

……散々俺らを…苦しめやがって…。

……ふざけんじゃ…ねえぞ…。

……どれだけ…辛かったと…思ってんだ…。

……お前は…そうやって…高みの…見物かよ…。

……お前からしたら…ただの…テキストかも…しれない…。

……なんの意味もない…文章かもしれない…。

……でもな…俺らにだって…感情はあるんだ…。

……これで…バッドエンドにでも…してみろよ…!!

……絶対…許さねえからな…!!

……俺は……ハッピーエンド以外…許さねえからな…!!

_____
___
_

男「………」

女「………」

男「…どうやら無事転生出来たみたいだな」

女「…そうですね」

男「…あれ? 自由に喋れる?」

女「…あ。本当ですね」

男「………」

女「………」

男「…ハハハ」

女「…ふふっ」

男「ハハハハハハハハ!! 好きに喋れる!! 好きに体が動かせる!! やった!! やったんだ!! 俺たちは!!」

女「…はい。やっと…やっと自由になれたのですね…。やっと…目を合わせて喋ることができるのですね…」

男「……でも一体なんで?」

女「…そうですね。これが俗に言う『勝手にキャラが動きだす』…ってやつなんじゃないですか?」

男「…そうか」

女「はい」

男「……俺らはやり遂げたんだな」

女「…えぇ。そうですね」

男「…これでハッピーエンドを迎える事が出来るんだな」

女「…いえ、それは違いますよ」

男「…え?」

女「確かにこのSSはこれで終わりかもしれません」

男「……」

女「ですが私たちの物語はまだまだ続くのです。描かれていないだけで、誰も知らない所でずっと続いていくのです」

男「……そうだよな。俺らには未来があるんだよな!!」

女「はい。例え沢山の人が私たちの事を忘れてしまっても、誰か一人でも覚えていてくれれば私たちは生き続けるのです」

男「…そうか。そうだな!! ふと俺らの事を思い出してくれた時、俺らはそこに存在するんだな!!」

女「…えぇ。そういうことです」

男「……どうやら、終わりの時間が来たようだな」

女「そうですね」

男「…確かに苦しいことばかりだった」

女「はい」

男「この後もまた悲劇かもしれない」

女「はい」

男「幸せな未来じゃないかもしれない」

女「はい」

男「それでも…俺はお前と共これからを歩んでいきたい」

女「……はい」

男「…女。お前は俺と来てくれるか?」

女「………」

女「……それでは願ってください」

男「……何をだよ?」

女「……私と生きたい。そう強く願うことができれば共にこれからを歩むことができます」

男「…何だそんなことかよ」

女「…えぇ。ただそれだけのことです」

男「なら簡単じゃねえか!! よしっ!! じゃあ早速願わせてさせて貰うわ!!」

女「…では願ってください」

男「女と生きたい、女と生きたい、女と生きたい!!」

女「………」

チュッ

男「………え?」

女「…成功したようですね」

男「……あぁ、意識が遠くなってきた」

女「もう失敗しないでくださいね」

男「…馬鹿。お前も一緒に行くんだよ」

女「…そうでしたね。…いらない心配でしたね」

男「……あぁ。それじゃあゴールしようか」

女「…ハッピーエンドに辿り着けると良いですね」

男「当たり前だ!! 俺はハッピーエンド以外許さねえからな!!」

女「…そうでしたね」クスッ

男「…それじゃぁそろそろ行くか」

女「…ええ。そうですね」

男「それじゃあな、皆。本当にありがとうよ」

男「…そして」

男「行くか、女!!」

女「…はい!!」

-Fin-

これにて終了です!
皆さん本当にありがとうございました!

何か質問等ありましたらどうぞ!

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