キノ「ミニスカートを着用しないと入国できない国、ですか?」(275)

入国管理官「はい!我が国は国民全員がミニスカートを着用する義務があります

エルメス「うわー、おっちゃんもミニスカートだね」

キノ「えっと、旅人も必ずミニスカートを履くんですか?」

入国管理官「ええ、旅人さんにも滞在中はミニスカートを履いていただいてますよ」

エルメス「だってさ。どうするキノ?」

キノ「うーん・・・」



みたいなの誰か書いてください!!

シズ「ガタッ」

ティー「・・・」(なにこのロリコン いきなり立ち上がった きもい)

どなたかお願いします!!

キノ「でもね、エルメス。ボクは生憎、ミニスカートなんて持ってないんだ」

エルメス「そういえばそうだね」

キノ「色々面白い噂のある国だからね、楽しみにしてたけど、仕方ない。諦め――」

入国管理官「心配はありませんよ!旅でいらっしゃる方ために、我が国ではミニスカートの貸し出しを行っています!」

キノ「え――」

エルメス「へぇ、すごいんだね」

入国管理官「観光業も我が国の主要産業ですからね。こうした取り組みは当然です」

エルメス「よかったじゃん、キノ」

キノ「いや、その、ボクは……」

入国管理官「さぁ、旅人さん!」ニコニコ

キノ「あ、あ……あはは」


満面の笑みを浮かべる入国管理官。キノもかろうじて引きつった笑顔を返す。


入国管理官「ようこそ!『ミニスカートの国』へ!」

続きを・・・

谷間の舗装された道路を一人の旅人と一台のモトラド(注・モトラドは二輪車。空を飛ばないものだけを指す)が走っていた

モトラドが旅人に向かって話し合うかける

エルメス「ねえキノ。次に行く国はどんなとこなの?」

キノと呼ばれた旅人は黒いジャケットにゴーグル、腰には大型のハンドパースエイダー(注・パースエイダーは銃器、この場合は拳銃)を下げている

キノ「服飾産業が有名な国らしいよ、エルメス」

エルメス「らしい?」

キノ「近隣の国ではその国の衣服がとても人気があるんだけど、あまり旅人は行きたがらないんだ」

エルメス「へー、どうしてどうして?」

キノ「なんでもその国に滞在するには、その国の民族衣装を着ないと入国できないらしいんだよ」

エルメス「ふーん。それで旅人たちは嫌がってるんだ?」

キノ「うん。だからどんな国なのかはよくわからなかったんだよ。どんな民族衣装なのかもね」

エルメス「へー?でもさ、その国の衣装ってすごく人気があるんでしょ?」

キノ「ボクはそう聞いてるよ」

エルメス「ならさ、どうして旅人はその国の民族衣装を着たがらないんだろうね?」

キノ「ああ、そこなんだよエルメス。ボクもそれが気になってその国に行こうと思ったんだ」

エルメス「キノは物好きだね」

キノ「まあね」クスッ

エルメス「キノが興味を持つんじゃ本当にその国の衣装が人気があるかも怪しいもんだねー」

キノ「失礼な」

エルメス「でも、立体現代誰に人気があるの?その旅人が誰も着たがらない衣装って」

キノ「・・・一体全体?」

エルメス「そう、それ。一体全体誰に人気があるの?だーれも着たがらないらしい民族衣装」

キノ「ボクが聞いた話では、その国の衣服は若い女の子に人気があるらしいんだよ」

エルメス「へぇ~~?」

キノ「・・・なんだいエルメス?」

エルメス「いーや、なんでもないよ」

キノ「・・・。」

エルメス「楽しみだね。キノがどんな服をきせられるのか」

キノ「あんまりにも変な服だったら、そのまま引き返して別の国に行くよ」

エルメス「さいですか」

ブロロロロロロロロロロ・・・

谷間の路にエンジン音を轟かせながら進むと、城壁に囲まれた国が見えてきた
道なりに進むと入国管理局と思われる小屋があった

そこには・・・

そこにはミニスカートを履いた、中年の大男が立っていた
裾から脛毛の生えた脚がのぞいている

エルメス「うわぁ・・・」

入国管理官「ようこそ旅人さん!我が『ミニスカートの国』へ!

キノ「ミニスカートの国?」

入国管理官「ええ、我が国の民族衣装です!」

キノ「ミニスカートを着用しないと入国できない国、ですか?」

入国管理官「はい!よくご存知ですね?いかにも、我が国は国民全員がミニスカートを着用する義務があります」

エルメス「うわー、おっちゃんもミニスカートだね」

入国管理官「我が国の誇る文化ですからね」

キノ「えっと、旅人も必ずミニスカートを履くんですか?」

入国管理官「ええ、旅人さんにも滞在中はミニスカートを履いていただいてますよ」

エルメス「だってさ。どうするキノ?」

キノ「うーん・・・」

キノ「あの、ボクはミニスカートを持っていないのですが、入国できませんか?」

入国管理官「いえいえご心配なく!旅人さんにはこちらでお好きなミニスカートを貸出しておりますよ」

キノ「そ、そうですか・・・!」

入国管理官「もし我が国のミニスカートがお気に召していただけたならば、出国時にそのまま履いていかれても構いませんよ?」

キノ「えっ、貰えるんですか?」

入国管理官「はい!旅人さんが気に入って履いてくれるのなら、我が国の民族衣装の宣伝になりますからね」

キノ「エルメス、これは入国を断る理由なんか無いよね?」ワクワク

エルメス「はぁ、聞くまでもなかったか・・・キノのお好きにどーぞ」

キノ「いやー、着用義務じゃあ仕方がないもんね?」ぬぎぬぎ

エルメス「へー」

キノ「しかも無料で支給されるなんて・・・旅人にやさしい制度だよ、うん!」シュルッ

エルメス「ほー」

キノ「帰りにはこれをもらって帰れるなんて至れり尽くせりだね!」くるんっ フワッ!

エルメス「・・・はしゃいじゃって、まー」

キノ「よいしょ」またがる

エルメス(…!?キノ…濡れて…!?)

キノ「うわー!わー!ミニスカートなんていつ以来だろ?いや、ミニは初めてかな?」キョロキョロ

エルメス「知らないよ」

キノ「えへへ、たしかにこのデザインなら若い女の子に人気があるのもわかるね!」くるくる

エルメス「わかるの!?キノに!?服のデザインが!?」

キノ「わかんない!でもなんかわかる!」ぴょんぴょん!

エルメス「もうわけがわかんないよー」

キノ「ねえ、どうかなエルメス?」ふわっ

エルメス「モトラドには衣服のデザインなんてわかんないよ」

キノ「なーんだ」ひらひら

エルメス「ただ一つ言えるのは、キノはその格好でモトラドに乗るつもりなのかい?」

キノ「・・・え?」ドキッ

キノ「か、考えてなかった・・・」

エルメス「はぁ、まったくもー」

キノ「え、えっと、ど、どうすればいいんだろ?」オロオロ

エルメス「知らないよー」

キノ「ボクだってわかんないよ!履いたことないんだし!」

エルメス「はぁ~、とりあえずさっきのおっちゃんに聞いてみれば?」

キノ「それだ!」

キノ「あ、あの~?」ササッ

入国管理官「着替え終わりましたか?おお!よくお似合いですよ」

キノ「ど、どうも・・・」かぁぁぁ///

エルメス「ちょいと」

キノ「え?ああ。わかってるよエルメス」
キノ「あのですね。ミニスカートだと、その、モトラドに乗りにくいと言うか・・・えっと、見えないものが欲しいと言いますか、あの、」

入国管理官「ああ、それならばこちらのスパッツをどうぞ」

キノ「スパッツ?」

入国管理官「はい、ミニスカートの下に履く下着のようなものですよ。これならモトラドに乗っても大丈夫ですよ」

キノ「ありがとうございます。さっそく履いてみます」

エルメス「やれやれ」

キノ「では改めて、今日を含めて3日間の滞在を希望します」

エルメス「よろしくー」

入国管理官「はい。書類はこっちで作っておいたので、入国してください」

キノ「ありがとうございます。では」

エルメス「じゃーねーおっちゃん」

ブロロロロロロロ・・・

入国管理官「よい旅を!」

エルメス「・・・キノ?」

キノ「なんだいエルメス?」

エルメス「走るの遅くない?まだ城門が見えるんだけど?」

のろのろのろのろのろのろのろのろ

キノ「だ、だってほら!捲れ上がっちゃうしさっ」ひらひらひらひら

エルメス「そのためにスパッツをもらったんじゃん!見えても大丈夫なように!」

キノ「でも・・・やっぱりねぇ・・・」もじもじ

エルメス「ほら、他にもミニスカートでモトラドに乗ってる人もいるでしょ?平気だって」

キノ「あの人達は慣れてるからだよ。ボクはまだミニスカート初心者なんだ」

エルメス「でも公道でこの速度はマズイって!」

キノ「ううっ・・・け、景色を観てるんだよ!」

エルメス「なお悪いよ、それ」

キノ「めくれちゃわないかな?」

エルメス「見えたって誰も見てないから、ほら!」

キノ「そうかなぁ?」ギュッ

ブロロロッ

エルメス「そうそう。加速加速」

ブロロロロロロロロ・・・

キノ「うぅ、なんかスースーするなあ」ぴらぴらぴらぴら

ブロロロロロ・・・

エルメス「だいぶ調子出てきたんじゃない?」

キノ「うん、少し慣れたよ」

エルメス「ミニスカートでモトラドに乗るのはどんな感じ?いつもと違う?」

キノ「うーん、少し寒いかな?なんだかスースーするし、エルメスのタンクが直に当たって冷たいよ」

エルメス「あまりモトラド乗り向けの服じゃないからねー」

キノ「ちょっと腰を浮かせて乗れば平気かな?」クイッ

エルメス「あ、そんなことしたら・・・!」


ふわりっ

キノ「へっ・・・!?」


ふわっ ひらひら


キノ「ぅ~~ぁ~~~~っ///!!」

キキーーッ!!

エルメス「うわぁあっ!!?」

ガチャン!

エルメス「危ないよキノっ!どうして急ブレーキかけたのさ?」

キノ「いや、その、ミニスカートが・・・捲れ上がっちゃって・・・」かぁぁぁ

エルメス「だからー!そのためにスパッツを履いてるんじゃん!」

キノ「でもエルメス、今度はスパッツを見られちゃうじゃないか」

エルメス「見られたっていいでしょ?スパッツの下に下着を履いてるんだから、ズボンといっしょだよ」

キノ「スパッツの・・・・・・下?」

エルメス「えっ?」

キノ「ん?」

エルメス「あー・・・」

エルメス「この話題は止めとこっか?」

キノ「んー?」

エルメス「さ、気を取り直して行こうか?」

キノ「そうだねエルメス。ボクも早くミニスカートに馴れないと」

ガチャン

エルメス「うんうん。細かいことは気にしない気にしない」

キノ「見る人なんかいない、見る人なんかいない・・・」ぶつぶつ

ブロロロロ・・・

エルメス「いやーいろんな事があった3日間だったね」

キノ「うん。今日でこのミニスカートともお別れだよ」

ひらひらふわふわひらひら

エルメス「もう履かないの?」

キノ「まあ、旅には向かないからね」

エルメス「ふーん?ずいぶん気にいってたみたいだったけどね」

キノ「じゃあエルメスを売ってこの国に永住しちゃおっか?」

エルメス「さあ!次の国に行こうキノ!」

キノ「はいはい」ギュッ

ブロロロロ・・・!

ふわっ

キノ「出国します」

出国管理官「我が国の民族衣装はいかがでしたか旅人さん?」

キノ「素晴らしい衣装でした。このまま履いていっても構いませんか?」

出国管理官「もちろんですよ!」

キノ「ではありがたく頂戴していきます」

エルメス「びんぼうしょー・・・だよね?」

キノ「んー?」

ブロロロロ

エルメス「キノ、そのミニスカート売っちゃうのかい?」

キノ「ああ、そうだよ。この国のミニスカートなら古着でも買い取ってくれるらしい」

エルメス「そっか。てっきり本当に履いて行っちゃうのかと思ったよ」

キノ「・・・可愛い服は旅人には必要無いからね」

エルメス「そう?」

キノ「そんなもんさ」

ひらひらひらひらふわふわふわふわ

エルメス「それにしても、古着でも買いたいだなんてよっぽど人気なんだね。そのミニスカート」

キノ「新品ほどではないらしいけどね。まあもらい物が売れるならお得だよ」

エルメス「びんぼーしょー」

キノ「はいはい」

エルメス「・・・むしろ新品よりも高値で買い取ってもらえたりして?」

キノ「それはそれで勘弁してもらいたいな・・・」


ブロロロロ・・・!



民族衣装の国・おわり

書き始めてくれた書き手が消えてしまったから自分で書きました
みんなも書いてもらえると嬉しいです

キノさんのエロ可愛いさは異常!

書き始めてたのをこっそり貼ってく



エルメス「ねえキノ」

キノ「なんだいエルメス」

エルメス「ふと思ったんだけどさ、いつも同じ格好で飽きない?」

キノ「どうしたんだい藪から棒に」

エルメス「ほら、この前の国の人達がすごい衣装持ちだったじゃない」

キノ「ああ、一時間に一回は着替えてたよね」

エルメス「まあ、ほとんどみんな駕籠にも試乗って感じだったけどね」

キノ「……『馬子にも衣装』?」

エルメス「そうそれ。でさ、キノもあそこまでは行かなくても、たまには違う服着たくならないのかなー、って。
キノの体型なら結構色々似合いそうだし」

キノ「んー……ボクはこれでいいよ。エルメスに乗るのも、服に色々仕込むのも、この服が一番都合がいいし――
旅人には、これが一番だと思ってるよ」

エルメス「ふーん」

キノ「エルメスだって、その方がオシャレだからって車体に絵とか描かれたくないでしょ?」

エルメス「うげ、それはたしかに嫌かも――あ、キノ! 見えてきたよ」

キノ「ほんとだ、この分だと予定よりだいぶ早く着けそうだね」

エルメス「前の国の人達が着てた服は、殆どあそこで作られてるって話だったけど」

キノ「らしいね。『本場のファッションを堪能できるなんて』って羨ましがられた」

エルメス「まあ、アレだけいろんな服を作ってる国なんだから、みんなさぞかしお洒落さんなんだろうね」



制服の国――Uni-Clothes――

         _z| ::::::::ヽヽ;;;;;;;;;|   ' ^ l:::  |''7;;;:::;::::: |ム,,
      ,,_z'''  |ヽ、;;;;;;-'''''''             '''''~~L,,<_,,
      >'''   从'''                     ><,
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   >'''                              ''\<_,,
  彡'''                               ''\,,<

 彡::                     , ,           ミ \
>:::     彡               ;; ;;     ,,,;      \ ミ
::::::..:    从::          ` 、   '' `  ,,/´ ,,     ト <_,,
:::::::::: .  从::::::     ,,ヽヽヽ、  ヽ、 ( ) ノ  ノ''/^|   ヾ  <

::::::::::彡  /::::::::::::   ''、\((n\   ), )/ ( /、n))/    ミ;;,, ミ
::::::::彡 ..::и/:::::::::::....::::::::::::::...ミ三\'''' ':;;ノ;;;;ゞ `´//彡⌒   ヾ  ミ

:::::::/イ::::::::^从:::::::::::/⌒ヽ:::::::_ ̄\ ヾヽ,,(//ン;;;;、     ミ 、从
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::(:::イ::|::::::::::::::::::i:/从:::::::::::::::::::;;;;;;;;;l||l|λ^',::V;;|/::;λ/|ノ'':::::::::::从::::::::<  キターー!!!
:::::::::::从::::::::::::::从:|l:|N:::::;:::;;:;:;;;;;;;;;;;;;|lll||.ヾ;;::::::|:::::;;ノ ||l|:::::::::::::::|:|:::::::::::<
:::::::、wv\|ヽ:::::::|;;;|;;从;i;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|ll|> | V^V^l/ト'//:::::::::::|::从::::::::/|:ム
        ~~''''::;;|;;;;从从|;;;;;;;;;;;;;;;;ヾミミ^-^-^ 彡'/::::::i:::/|/::::::::从::::::::∨^ ∨^ ∨^ ∨^ ∨^
             '''--;;;l;l;;;;;;;;;;;;;;;;;^w,,≡≡;w^::::::::ノノ:::::::::::从ゝ--;;;;;;::::::::::::::::::::::::::::
                  ̄'''---;;;;;;ii;;;''^'''^:;:::/::从:::::::::::::::|:::'''    ヾ::::::::

冷静になるため全裸で乾布摩擦してくる

わっふる!

【一日目】
城門
キノ「ボクはキノ、こちらはエルメス。旅人です。三日間の滞在を希望します」

エルメス「よろしくー」

入国管理官「キノさん、エルメスさん、ようこそ我が国へ! 勿論歓迎しますよ!
いやー、地味な国だからでしょうか、買い付けに来る人は多いんですが、純粋な観光客はなかなか来てくれないんですよ」

キノ「そうなんですか……」

管理官「ご存知かもしれませんが、我が国は服飾産業が盛んでして。当たり前ですが、私が今着ているのも自国製品です! 
自画自賛になりますが、中々いい品でしょう?」

エルメス「そーだね、似合ってるよおっちゃん(ねえキノ、この人の格好)」

キノ「(ああ、エルメス。なんというか、これは……)」

キノ・エルメス「(普通だ……)」

国中心部
案内人「ようこそ、キノさんエルメスさん! 入国管理局から話は伺っております。
もしよろしければこの国の案内を致したいのですが、いかがでしょうか?」

キノ「お心遣いありがとうございます。是非おねがいします」

エルメス「うん、聞きたいことも結構あるし」

案内人「はい、ではその前に……この国をご覧になって、どんな印象をお持ちになったかお聞きしたいのですが」

キノ「驚きました……同じ服の人が多くて。性別や年代で少しずつ違いはありましたが」

案内人「ほう。さすが旅人さん、目の付け所がいいですね!」

エルメス「服自体は割と普通ぽいけどねー。おんなじ服の集団に一斉に手を振られたときは、何事かと思ったよ。
あの服流行ってるの?」

案内人「ほほう! いい質問ですねぇ! 今からその答えをお見せしましょう。どうぞ、こちらへ」

キノ「ここは……工場ですか?」

案内人「はい! 国内向け衣料の生産工場です。国外からいらっしゃる方は、多分キノさんたちが初めてではないでしょうか」

エルメス「へー。ずいぶん立派な施設だね」

案内人「こちらでは主に中年男性向けの製品を生産していますからね。需要があるんですよ、働く男の戦闘服ってやつは」

キノ「戦闘服……?」

エルメス「なになに、アーマーとかついてるの!? それとも全身タイツ?」

案内人「あはは、見ていただければ分かりますよ。さあ、なかにどうぞ」

案内人「さあ、膣内にどうぞ」

キノ「くっ…射精る!」パンパン

工場内
キノ「案内人さん、これは……」

エルメス「おっちゃんが着てるのと同じ服がバンバン作られてるね。あ、管理官のおっちゃんも同じ服だったかな?」

案内人「ええ、このラインでは『40代男性・デスクワークB』を造っています。見る人に好印象を与えることに重きをおいたタイプですね」

エルメス「でも、働いている人たちは違う服だね」

案内人「ああ、従業員が着ているのは『20代男性・作業A』あたりですね。動きやすさと頑丈さがポイントです」

工場長「やあ、この方たちが例の旅人さんかね」

案内人「や、これは工場長。わざわざすみません」

キノ「はじめまして。見学させてもらってますが、すごい工場ですね」

エルメス「いろんな国を見てきたけど、ここまでのはそうそうないよ」

工場長「はっはっは。お世辞でも嬉しいよ……ワシも、昔は彼らと同じ『20代男性・作業A』服を着て、ああして働いていた。
それが『30代男性・作業B』になり、『40代男性・半作業A』になり――」

キノ「はんさぎょう?」

案内人「作業タイプの動きやすさとデスクワークタイプの堅さを併せ持った型です。こういう工場などで立場の高い人が着用します」

工場長「そしていまでは『60代男性・半作業C』……いや、若い頃には働くのが嫌になったこともあった。
だが、『いつかあの服を着てやる』という思いで、それに耐えてきたんだ」

エルメス「ふむふむ」

工場長「ようやくこの『60代男性・半作業C』に袖を通せた時は、嬉しかったよ。
これを着られるということは、それに見合うだけの人間に慣れたってことの証みたいなものだからね」

キノ「なるほど」

従業員「工場長ー! ちょっと来てください!」

工場長「すぐ行く待ってろ!! ――旅人さん、すまないね。そろそろ戻らにゃならん」

キノ「わかりました。お話、ありがとうございました」

エルメス「面白かったよ」

キノ「あ、最後にひとつだけ……さっきから思ってたんですが、その服、すごくよく似合ってますね」

工場長「! ……ありがとう。よい旅を!」

ホテル
案内人「では、滞在期間はこちらをご利用ください」

エルメス「わざわざどうもね。じゃ、あしたもよろしくー」

キノ「……はあ、思ってたのとだいぶ違う感じだったね、ここ」

エルメス「いつぞやのクローンの国もすごかったけど、みんな服だけ同じというのも、また違ったテンペストがあるね」

キノ「……『インパクト』?」

エルメス「そうそ――ん? 誰か来たみたい」

客室係「お休みのところ失礼します。案内人の方から、キノさんにこれをお渡しするようにと」

キノ「これは……」

エルメス「服だね」

客室係「『10代女子・通常B』です。可愛いですよねー。わたしの出身地区はAタイプ指定だったから、うらやましいです。
    サイズは目算で選んでますので、もし不都合があったらお取り替えしますね」

キノ「つまり、これを着ろってことですか? ……まいったな」

ゆっくりでいいよ
キノとエルメスの旅路のように

>>180
なにそのレス素敵

エルメス「いーじゃん着ちゃいなよキノ。イメチェンだよイメチェン」

キノ「うーん、でもなあ……」

客室係「あの、めったにないお客様ですから、記念に差し上げて着て頂くようお頼みして欲しいと……ご不要でしたら、こちらで回収s」

キノ「有り難くいただきます」

エルメス「(びんぼーしょー――いてっ。はたくことないじゃん)」

キノ「あ、でも、この服スカートですよね。これでエルメスに乗るのはちょっと大変かな」

客室係「ご心配には及びません! 今ならこちら『10代女子・運動B』もおつけしてます! 
エルメスさんにお乗りになる際には、通常服の下にこちらを履けば、今の服と同じ感覚で大丈夫ですよ」

キノ「それはわざわざどうも……それでは、滞在中はこちらの服を着用させてもらいますね」

客室係「はいっ、ありがとうございます! 明日、わたしにも見せて下さいね!」

保守

【二日目】
ホテル
キノ「エルメス! 朝だよ、起きて」

エルメス「んー、まだもう少――キノ! その格好は……」

キノ「どうかな。少しスカートの丈が短い気がするんだけど。あ、それよりこの靴下少し長すぎじゃない?」

エルメス「4:2:1.5か……」

キノ「エルメス?」

エルメス「いや、いいんじゃない? そういうデザインになってるんだよ、きっと」

キノ「そう? ならいいんだけど……あ、ついでにもう運動着の方も履いとこう」

エルメス「えー!! 走るときだけでいいじゃん!」

キノ「なんだよエルメス、別にいいだろ……よいしょ」

エルメス「……」

キノ「うん、伸縮性があって動きやすそうだ……エルメス? どうかした?」

エルメス「キノってさあ……ほんっっとにセンスの欠片もないよね」

キノ「なにが?」

エルメス「……もーいい。行こ。また案内人のおっちゃんと待ち合わせしてるんでしょ」

案内人「おはようございます、キノさんエルメスさん。おや、昨日お渡しした服、着てくださったんですね!」

キノ「はい、なにぶん着慣れないもので、これでいいのかどうか……」

エルメス「いいわけないよねー! おっちゃんも一言言ってやってよ」

案内人「いえ、むしろ馴染んでますよ。
寒い時期になると、今のキノさんみたいに通常服と運動服の重ね着をする女生徒は少なくありません」

エルメス「ありゃ、そうなの?」

案内人「まあ、どんなに寒くても足を晒したままの生徒も多いんですが……今からご案内する場所などでは、特に」

キノ「今から行く場所、とは?」

案内人「国立服飾専門学校――この国の未来を支える若者たちが通う学校です」

国立服飾専門学校
案内人「では、あとでまた来ます――皆さん、よろしく頼みますよ」

生徒たち「はい! ――キノさん、エルメスさん、ようこそわが校へ!!」

キノ「はじめまして。歓迎、感謝します」

エルメス「どうもー。あ、その服」

女生徒「『10代女子・通常B』です。いまキノさんが着てるのと一緒ですね」

男生徒「俺たちのは『10代男子・通常B』っす。個人的には、男女ともに通常服の中では一番イケてると思うっす」

キノ「確かに、皆さん似合ってますね。それに、なんというか、こう……」

エルメス「オシャレだね、着こなしが」

女生徒「本当ですか? 最近、上着の袖をまくるのがマイブームなんです! 手首だけは細いから、見せていこうと」

男生徒「俺、わざとワンサイズ大きいズボンにしたんス。ちょっと崩れた感じが好みなんで」

「私はあえてスカート長めなんです。輸入物の雑誌にそういう服が載ってて、可愛かったから」

「僕はボタンを付け替えたんだ! 先生はいい顔しないけど、この生地には金ボタンのほうが絶対合うと思うんだ!」

キノ「さすが服飾の学校の生徒さんですね。みんなこだわりがあるんですか」

エルメス「ほんとセンスいいよねー。キノも少しは見習ったらどうだい」

女生徒「そんなことありませんよ! キノさんが今やってる、通常服の上に運動服の上着を着るのとか、すごく可愛いです!」

キノ「そうですか? 通常服だけだと寒かったので着ただけなんですが」

エルメス「下のズボンは脱いどいて正解だったと思うなー……いてっ」

キノ「ところで、みなさんはここでどのようなことを学ばれてるんですか?」

女生徒「服飾に関わることは何でも。ですが今は主に国外向け衣料関連ですね……みんな、アレ出して!」

男生徒「よっしゃ! ――旅人さん、見てください。これが俺達の作ってる服っす!」

キノ「わあ……っ」

エルメス「すごいね、どれもこれも。ファッションショーみたいで……これ、全部手作り?」

女生徒「はい! デザインも生地選びも縫製も、全部自分たちでやってます。
基本的なことは教わりましたが、あとはみんなそれぞれの趣味で」

男生徒「卒業したら、家業を継ぐ奴もいれば会社に雇われる奴も居るっす。俺は早く自分の店を持ちたいんスけど」

キノ「そうなんですか。でも、みなさん自分で作った服は着ないんですか?」

女生徒「え? なんでですか? 私達が着るぶんには、制服があるじゃないですか」

エルメス「だって、人に作ってあげるばっかりだと、つまらなくない? 
それに、クラスメイトの服見て『この服着てみたい』って思ったりしないの?」

男生徒「ああ、それは――あ、先生」

校長「続きは私からお話ししましょう。さあ、皆さん授業に戻って」

生徒たち「はーい」

みんなで1000まで書こうぜ!

期待

校長室
校長「さて、どこから説明しましょうか」

キノ「まず教えてください。どうしてこの国ではみんな、似たような立場ごとに同じ服を着ているのですか?」

エルメス「外向けにはあんなにいろんな服を作ってるのに。勿体無くない?」

校長「それは、我が国が『制服』を制定しているからです」

キノ「せいふく、ですか……?」

校長「かつては、我が国民も先ほど生徒たちがお見せしたような様々な服を着ていました。
しかし、多種多様な服が出まわることで、問題が起きるようになったのです」

エルメス「例えば?」

校長「すべて書物からの情報ですが……衣服の良し悪しで全てを計ろうとする風潮が生じたようですね。
質の悪い服を着ている人への差別の横行、ならびに身の丈に合わない高価な服を求める人達による借金問題
――今では『着倒れ』と呼ばれています――何より、『何を着るべきか』の決定のために多大な時間と労力が必要になった、と」

キノ「なるほど」

校長「当時の我が国のトップたちは、事態を重く見ました。長い長い協議の結果、彼らはひとつの決断を下します。それが――」

キノ「『制服』の制定、だったんですね」

校長「はい、みんな同じ服になってしまえば、諸々の問題が解決されると気づいたのですね。
一部では『選択の自由を奪う気か』と反対運動も起こったようですが、国民の大半はすんなり受け入れたそうです。
いい加減、着るもので悩む毎日にうんざりしていたんでしょうね」

エルメス「へー、そんな事で悩む人達もいるんだね」

校長「国内で選りすぐりのデザイナーたちが集められ、制服制定委員会が組織されました。
話しあうべき事柄は山ほどありました。
どんな体型の人にも似合い飽きのこない服とはどんなものか、年齢に応じて着る者をより良く見せる服とは何か、
着用する場面ごとに服に求められるものは何か――」

キノ「大変だったでしょうね」

校長「だと思います。ですが、私などは、その時代に生きて、あの協議に参加できたらどんなによかったかとも思います
――服飾に携わる者にとって、あれほどやりがいのある仕事はなかったでしょうから」

エルメス「まー、国の人全員が自分たちの考えた服を着てくれるわけだもんねー」

校長「最終的には国民投票が行われ、幾つかの候補の中から、性別・世代・役割ごとの『制服』が選ばれました。
それ以来、我が国の人間は皆『制服』を着用するようになったのです」

キノ「そうだったんですか……ずいぶん歴史があるんですね」

校長「勿論、昔の姿そのままの『制服』もありますが、多くは少しずつ改良が加えられています。
時代の変化に伴う人々の体型の変化、働き方の変化……『制服』も、それについていかなければなりませんから。
今は、男女で分かれている『制服』を統一しよう、という活動が盛んですね。
今のところ実現可能性は低いですが、ここで学んでいる生徒たちが一人前になる頃には或いは、といったところでしょうか」

キノ「なるほど。『制服』ができたからといって、服飾への関心が薄れたわけではないんですね」

エルメス「思うに、なおさら燃えてるんじゃない? さっきの学生さんたちだって、みんな色々工夫してたじゃん」

校長「そうですね。国民の大半は『制服』に誇りと愛着を持っていますが、
同時に『自分がいちばんこの服の良さを引き出せるんだ!』というような自負心も持ち合わせていますから……
国民性、というものでしょうか」

キノ「ああ、みなさんそんな感じですよね。校長先生が今着てらっしゃる『制服』にも、そのような――」

校長「よくぞ聞いてくれました!!」

キノ「え?」

エルメス「(うわ、眼の色かわった)」

校長「私の着ております『50代女性・教育C』はですね、長年デザインが変わらなかったんですが、
私も参加した3年前の改良会議で、襟の形が変更になったんですよ! 
それまでの襟には装飾品がいまいち似合わなかったんですが、
『教育者といえども場合によっては盛装の必要もある』という私の主張がついに受け入れられまして――」

キノ「は、はあ……」

エルメス「こりゃしばらく止まりそうにないや……終わったら起こして」

ホテル前
案内人「いや、お疲れ様でした。あの校長先生のお話の長さは、私もスピーチなんかで身にしみてますよ」

エルメス「どこの国でも長話のおばちゃんっているよねー」

キノ「エルメスは寝てたろ――ですが、非常に興味深い話を聞けました」

案内人「それは何よりです。ところでキノさん、『私服祭』のお話はお聞きになりましたか?」

エルメス「師父臭い?」

キノ「いえ、うかがってませんが。何かのお祭りですか?」

案内人「ああ、また喋るだけ喋って肝心なことを言い忘れたんでしょうかあの先生は……
あのですね、明日から三日間、半年に一度のお祭りがあるんです。
お祭りの期間中はみんな『私服』、すなわち『制服』以外の格好で過ごすんですよ」

エルメス「へー、そんなのあるんだ。よかったじゃんキノ、お祭り見てから出国できそうだよ」

案内人「国の人間は『制服』を気に入っていますが、この時ばかりは自分の好みとセンスを光らせて、『私服』を選びます。
この国で働く人の半分以上が、国外向けの『私服』産業に関わっていますからね、眼が肥えてる人が多いんですよ。
私も明日からは『私服』です。ああ、今から待ち遠しい」

キノ「面白そうなお祭りですね。ボクも楽しみにしてます。それでは、また明日」

ホテル内
エルメス「みんなどんな服着るんだろうねー」

キノ「昼間会った生徒さんたちは、やっぱり自分の作った服を着るのかな」

エルメス「だろうねー。どの服も気合入ってたし。みんながあんなだったら、
かなり見応えのあるお祭りになりそうだね」

キノ「明日見てのお楽しみ、だね。じゃ、おやすみエルメス」

エルメス「おやすみキノ」


【三日目】
ホテル
キノ「エルメス! いつまで寝てるんだい、出発するよ!」

エルメス「痛いなー。もう少し優しく起こして――ありゃ、『制服』じゃない」

キノ「今日から『私服祭』だからね。それに、出国してから着替えるのも面倒だし」

エルメス「勿体無いなー……色々と」

キノ「何が? ちゃんと全部、もらえるものはもらってるよ?」

エルメス「なんでもない。じゃ、行こっか。早く案内人のおっちゃんの『私服』見てみたいし」

国中心部
案内人「おはようございます、キノさんエルメスさん! 本日はどうされますか?」

キノ「そうですね。このあたりで必要なものを買い揃えたあと西ゲートに向かって、そこから出国しようかと」

案内人「かしこまりました! ゲートまでお見送りさせて頂きますね! 
途中、昨日ご覧になった服飾学校の生徒たちがパレードを行なってますので、時間があったらのぞいてあげてください」

エルメス「りょーかい。丁度見てみたいって思ってたし」

案内人「あ、ところでですねー。キノさん、エルメスさん、その、私の『私服』、どうでしょうか?
輸出売上高1位のメーカーの品、奮発して買ったんですが……」

キノ「ああ、なんというか……すごく新鮮です」

エルメス「『制服』じゃないとだいぶイメージ変わるね」

案内人「そうですか! 私としても冒険したつもりだったんですが、そう言っていただけると嬉しいです!
さあ、お店はあちらです! 衣料関連、色々と充実してますよ!」

路上・パレード
女生徒「あ、キノさーん! エルメスさーん!」

キノ「こんにちは……皆さん、その服は」

女生徒「はい、この日のために作ったんです!」

エルメス「みんな、昨日見せてくれたのとは違うやつなんだね」

男生徒「あれは課題用っすから、また別なんス。
やっぱり、せっかくのお祭りっすから、自分らが今一番着てみたい服を、別に用意してたんス」

女生徒「こういうのが今季の最先端なんですって。やっぱり可愛いですよねー」

キノ「……そうですね。では、ボクはこれで。皆さん、これからも素敵な服を作ってくださいね」

エルメス「これから行く国で、いつかみんなの作った服が見れるかもね」

生徒たち「はい! 頑張ります! キノさんたちも、よい旅を!!」

西ゲート外・湖のほとり
エルメス「色々と面白い国だったね」

キノ「そうだね。『制服』2セットも貰えたし。国内限定品みたいだから、近隣国では相当いい値がつくだろうね」

エルメス「やっぱり売るんだ。なかなか似合ってたのに」

キノ「そうかな? まあ、運動着の方は結構使えそうだけど、どうしてもかさばるしね。
それに、やっぱり着慣れた服が一番だよ」

エルメス「ふーん。まあ、キノがいいならいいけど……そういえばさ、さっき見たみんなの『私服』だけど」

キノ「ああ、エルメスも気づいた?」

エルメス「あれだけいればね――なんていうかさ」

キノ「うん。みんなおんなじ感じの服だったよね」

エルメス「流行りらしいけど、せっかくの『私服祭』なのに梃子も蛇口も似た色、似た形、似た雰囲気でさ」

キノ「……『猫も杓子も』?」

エルメス「そうそれ。まあ、それでもみんな結構似合ってたのは、さすがって感じだったけどねー」

キノ「みんな楽しそうだったしね。お店の人が『祭で気分がいいから』ってあんなに値引きしてくれたのには驚いたよ」

エルメス「そういえばキノ、食料と燃料以外にもなにか買ってたね」

キノ「ん? ああ、ボタンを買ったんだよ」

エルメス「ボタン?」

キノ「シャツのボタン。この前予備の分使いきっちゃったからね。ボタン専門店なんて初めて行ったよ」

エルメス「わざわざそんなとこまで行ったの?」

キノ「すごいんだよ、色々種類あって――ほら、これ」

エルメス「どれどれ? あ、星形だ。こっちは色つきで、これは模様入りか……ちょっとした工芸品レベルだね」

キノ「店主さんがまけてくれて、いいものが買えたんだよ」

エルメス「ねえキノ、これも結構高く売れると思うけど」

キノ「いや、折角だからこれは自分で使うよ」

エルメス「珍しいね。どういう風の吹き回し?」

キノ「別に。ただ……」

エルメス「ただ?」

キノ「旅人の服にも、すこしばかりのお洒落心があってもいいかなって」

エルメス「……」

キノ「エルメス? どうかした?」

エルメス「キノ、どこかに頭ぶつけたの? あ、お祭りの熱気でのぼせちゃったとか?」

キノ「……実はエルメスにもおみやげがあるんだ」

エルメス「え、何?――ちょ、まさかそれは」

キノ「おまけでもらったレースのリボンだよ。可愛いよね。折角だからエルメスにつけてあげよう」

エルメス「ちょ、やだよそんなフリフリ! ゴメンってばキノ、謝るからリボンなんてそんな――
え、待ってやめてフレームはダメだって、キノぉ!!……」



「制服の国」おわり

乙!!

以上です
あとがきはこれ以上シグーのあとがきネタを潰したくないのでナシです
嘘です、何も思いつけないだけです
セーラー服のキノは可愛いですが、ブレザーのキノも見てみたいです
ここまで読んでくださった方、ありがとうございました


言うほどミニスカ姿のキノが出なかったので、
誰かミニスカキノのSSかイラストか何か書いてください
ティーか師匠(昔)でもいいです

次の方~?いらっしゃいませんかー?

フォルダの奥深くからカイジとのクロスを発見したがこのスレの趣旨と合いそうにないのでやめておこう

>>263
もうスレタイ関係無しでなんでもいいんじゃないのか?

ティーは脚を出すこと自体には慣れてるだろうから、
頼めば割と抵抗なく履いてくれそう
ただ、スカートで注意すべきことなんかは考えたこともないだろうし、
いつもと同じ感覚で振舞って度々スカートの中が




               ぬ?

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