幼女「ねぇおじちゃんたち」(202)

\ ⊂[J( 'ー`)し
  \/ (⌒マ´
  (⌒ヽrヘJつ

    > _)、
    し' \_) ヽヾ\
          丶_n.__

          https://www.hellowork.go.jp/
              ̄   (⌒
            ⌒Y⌒

幼女「どうしてお仕事いかないの?」

男1「ああ、おじちゃん達はお仕事ないんだ…」

男2「公園を綺麗にするお仕事をしてるんだよ…お金はもらえないけどね」

男3「はは、お嬢ちゃん、こんなところに居ちゃだめだよ」

幼女「なんで?おじちゃん達とっても優しいよ?飴玉くれたし」

男1「ほら、早く帰りなさい」

幼女「うー、もうちょっとお話ししてたかったあー、ばいばい!」

男2「何も知らないから接する事ができるんだろうな」

男3「なぁに…真実を知ればもう来なくなるさ」

男1「悲しい事だが仕方ないさ、少しだけ元気をもらった気がするよ」

男2「そうだな…」

幼女「おじちゃーん」テテテテ

男1「おや、お嬢ちゃんどうしたんだい?」

幼女「えへへ、この前飴玉もらったから私のお菓子持ってきたよ!」

男1「これはこれは…、ありがとうね」

幼女「他のおじちゃん達は?」

男1「ああ、彼等は今どこか行ってるよ、多分街の方だろうけどね」

幼女「そうなんだ、おじちゃん達帰ってきたらお菓子あげてね!」

男1「はいよ、ありがとうね」

幼女「うん!また来るね!」

男1「お嬢ちゃん、あまりここに来ない方がいいよ」

幼女「なんでー?」

男1「それはお嬢ちゃんが大きくなったらわかるよ」

幼女「じゃあ早く大きくなるね!またね、ばいばい!」テテテテテテ

男1(そう、お嬢ちゃんは来るべきじゃない、ここは)

―ここは汚れた場所だから

ザー

男1「雨、か」

―ピチャッピチャッ

幼女「おじちゃーん」

男1「おお、お嬢ちゃん」

幼女「きちゃった!」

男1「そうかい、今日は雨だね」

幼女「ぴっちぴっち!ちゃっぷちゃっぷ!らんらんらん!」

男1「あはは、今日も元気だね」

幼女「私はいつでも元気だよ!」

男1「そうかい…、それはよかった」

幼女「他のおじちゃん達どこいっちゃったの?」

男1「彼等は遠くに行っちゃったよ…」

幼女「遠く?もうこないの?」

男1「ああ、もう帰ってこないだろうね…」

幼女「おじちゃん一人ぼっちだね…」

男「そうだね」

幼女「じゃあ私遊びに来る!」

男「それはだめだよ」

幼女「なんでえ?」

男「ここはお嬢ちゃんみがいな子は来ちゃいけないんだよ」

幼女「じゃあおじちゃんがうちにおいで!」

男「それもだめだよ…」

幼女「わかった!ママに言う!おじちゃん遊びに来ても大丈夫にする!」

男「そうかい…」

幼女「帰るね!またくるよ!」

男「ああ、またね」

―数日後

男(親御さんに話したら怒られたんだろうな)

男(これでよかったんだ)

幼女「おーじーちゃん!」

男「お嬢ちゃん…?」

幼女「お母さんがいいよって言ってた!」

男「何て言ったんだい?」

幼女「公園にずっといるお友達のおじちゃん連れてきていいって」

男「ははは…、大分ストレートだな」

幼女「そしたらママね、少しうーんって言ってたけどね、いいよって言ってくれたよ!」

男「そうかい…」

幼女「だからおじちゃんおいで!」

男「ごめんな、今日はいけないんだ」

幼女「そっか…、じゃあいつ?いつならこれる?」

男「ん…」

気付いたら少女に手を引かれながら道を歩いていた

幼女「そんでねー、いつもここに猫がいてねー」

男「ははは」

男(きっと家に入る間もなく母親に注意されるだけで終わりだろうな)

幼女「ついたー」

男「お母さんにご挨拶するから、おじちゃんはここで待ってるよ」

幼女「わかった、ママ連れてくる!」

幼女「ただいまー!」パタン

男(さて、なんといわれる事やら…)

―キィ

母「あ、どうも…娘がお世話になったようで…」

男「こんにちは」ペコリ

母「あがってくださいな」

男「そんな…いいですよ、すぐ帰りますので」

母「遠慮しなくていいんですよ、娘も遊びたがってますし、お茶でも…」

男「すみません、お邪魔させて頂きます」

―パタン

幼女「ママー、お菓子どこー?」

母「ちょっと待ってねー、おじちゃんと一緒に食べようねー」

幼女「はぁーい」

男(広い家だな、立派なお父さんがいるんだろう…)

幼女「おじちゃんお洋服汚れてるよー?」

男「ああ…汚くてごめんね」

幼女「お洗濯しよ!私できるよ!」

男「いや、いいよ」

幼女「するのー!」

まだ続いてたのか…   頑張れ

母「何してるの、だめでしょ」

幼女「おじちゃんお洋服汚れててかわいそうー」

母「あらあら…」

男「すみません」

幼女「私洗濯するー」

母「あの、夫の服が余っているので、お持ちしますね」

男「悪いです、受け取れませんよ、旦那さんにも悪いです」

母「夫は…あの子の父はもう居ないので…」

男「申し訳ない、失礼な事を言ってしまいました」

母「いいえ、なので御気にせず」

男「ありがとうございます…」

幼女「おじちゃん着替える前にお風呂入る?」

母「そうね、せっかくだし」

男「お気持ちだけ頂きます、お気遣いありがとうございます」

母「そうですか…」

幼女「おじちゃんはいらないの?」

母「うん」

男「ごめんね」

幼女「やだ、お風呂わかしてくる」テテテテ

母「あ、待ちなさい…」

男「あぁ…」

母「ごめんなさい、娘もああ言ってますし、いかがでしょうか?」

男「御厚意に甘えさせて頂きます」

母「ごゆっくりどうぞ」

―ポチャーン

男(何ヶ月振りかな、浴槽でゆっくりするのは)

―ポタッポタッ

男(なんでこんなにも涙が止まらないのか…)

男(親切な親子だ、本当に…)

―カタッ

母「こちらにタオルとカミソリおいておきますね、ではごゆっくり」

男「…あ、ありがとうございます」

男(そういえば髭も生えっぱなしだったな)

―お父さんおひげー!

―いでで、こらぁ!引っ張るなー

男(…変なことを思い出したもんだ)

男(長居するのは悪いし早々にあがるか)

―パタン

男「ありがとうございました」

母「え?」

幼女「ふぇ?」

男「何か?」

幼女「ママ!おじちゃん若くなった!」

母「そうね…」

男「そうですか?」

母「ええ、もっとご年配の方かと…」

男「そう見えるのは仕方ない事ですよ」

母「おいくつですか?」

男「26です」

母「…お若いんですね」

男「ありがとうございます」

幼女「およーふくここにおいとくね!」

男「ああ、ありがとう」

母「苦労されたのですね」

男「そんなことないですよ」

幼女「おじちゃん?おにいちゃん?」

男「おじちゃんでいいよ」

幼女「じゃあおじちゃん!」

男「さて、それではそろそろお暇させて頂きますね、色々お世話になりました」

幼女「もう帰っちゃうの?」

男「ずっと居るのは悪いからね」

母「御気になさらず、ゆっくりしていって下さいな、よろしければ夕食もご一緒に」

男「すみません…ありがとうございます」

男「何かお手伝いした方がよろしいでしょうか?」

母「いえ、大丈夫ですよ、ありがとうございます」

幼女「おじちゃんお話ししよ!」

男「はいよ」

―パタン

男「大きな部屋だね」

幼女「うん、いつも一人なんだー」

男「そっか」

幼女「ママお仕事あるから、お留守番してるの」

男「大変だな」

幼女「うん、でも最近はおじちゃんとお話ししてたから寂しくなかった」

男「それは良かった」

幼女「おじちゃんはずっとあそこにいたの?」

男「そうだな、1年くらいになるかな」

幼女「おうちは?」

男「…燃えた、かな」

幼女「火事なの?」

男「そうだね…」

幼女「かわいそう…」

男「全部燃えちゃったよ…」

―そう全て、大切なものも、愛しいものも

幼女「おじちゃん?」

男「なんだい?」

幼女「どうして泣いてるの?」

男「ああ、ごめんな」

幼女「悲しかったの?」

男「そうかもね」

幼女「おうちなくなってからずっと一人だったの?」

男「ああ」

―ナデナデ

幼女「かわいそう、いいこいいこ」

―お父さんいつも頑張ってるからなでなでしてあげる!

―ばーか、おまえじゃ届かないぞー

―むぅー座ってー!

―はいはい…

―いいこいいこー

男「うぅっ…ひぐっ…グスッ…」

幼女「なかないで…」ナデナデ



男「おじちゃん大人なのに泣いちゃってごめんな」

幼女「ううん、悲しい時は泣いちゃうよ」

男「ありがとうな」

幼女「寂しかったね」

男「ああ…」

幼女「泣いちゃいそうになったら言ってね!私なでなでする!」

―そう言った幼女の顔が娘とダブって見えた

幼女「わ!」

男「ごめんな…お父さん守ってやれなかった…ごめんな…」

幼女「ん…」

男「ごめん…な…」

幼女「…」ナデナデ

以下、リアリティのあるホームレスのお話を誰かが書く

バンバンバンバンバンバンバンバンバンバン
バン       バンバンバン゙ン バンバン
バン(∩`・ω・)  バンバンバンバン゙ン
 _/_ミつ/ ̄ ̄ ̄/
    \/___/ ̄
  バン    はよ
バン(∩`・д・) バン  はよ
  / ミつ/ ̄ ̄ ̄/   
 ̄ ̄\/___/
      ; '     ;
       \,,(' ⌒`;;)
       (;; (´・:;⌒)/
     (;. (´⌒` ,;) ) ’
(  ´・ω((´:,(’ ,; ;'),`
( ⊃ ⊃ / ̄ ̄ ̄/__
    \/___/

          /\
     . ∵ ./  ./|
     _, ,_゚ ∴\//
   (ノ゚Д゚)ノ   |/
  /  /

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチ
ポチ     ポチポチポチポチポチポチ
ポチ(∩`・ω・) ポチポチポチポチポチ
 _/_ミつ/ ̄/_
      /_/

バンバンバンバンバンバンバンバンバンバン
バン       バンバンバン゙ン バンバン
バン(∩`・ω・)  バンバンバンバン゙ン
 _/_ミつ/ ̄ ̄ ̄/
    \/___/ ̄

――



母「御飯よー」

幼女「はぁーい、おじちゃんもいこっ」

男「ああ、ありがとう」

―パタン

母「すみません、相手をさせちゃったみたいで」

男「いえいえ、僕が相手してもらってました」

幼女「おじちゃんね、寂しかったんだって」

男「…恥ずかしいところを見せてしまいました」

母「何かあったんですか?」

男「はい…少し」

母「差支えなかったらお話し下さいな」

男「はい、少し長くなりますが…」



母「そうだったんですか」

男「食卓には重い話でした、すみません」

母「いえ、御気になさらずに」

男「今日はありがとうございました、話まで聞いて頂けるとは思わなかったもので…」

幼女「おじちゃんどこいくの?」

男「おじちゃんはそろそろ帰る準備しないといけないんだ、ごめんね」

幼女「おじちゃん、おうちないのに?」

母「…」

幼女「どこに帰るの?お外暗いよ…?寒いよ…?」

男「ああ、慣れてるから…大丈夫だよ」

幼女「また寂しくなっちゃうよ…?」

男「大丈夫…」

幼女「おじちゃん泣いたら、私も悲しい…」

男「…」

母「あの…余計なお世話だとは思いますが…」

男「…はい」

母「娘もこう言ってますし、今夜は冷えます」

幼女「お外さむーい」

母「客間が空いているので、よろしければそちらに…」

男「そこまでして頂くのは…」

母「大丈夫ですよ、今日明日は私も家にいますので、遠慮しないで下さい」

幼女「おじちゃんお泊りしよー?」

男「…」

母「たまには自分を甘やかしてもいいと思いますよ」

男「―すみませんっ、ありがとうございますっ…!」

幼女「おじちゃんお泊りだー!」

母「良かったね…お部屋の方準備してきますね」

男「ありがとうございます!」



母「ではゆっくりしていって下さい、何かあったら呼んでくださいね」パタン

男「何から何まで有難う御座います」

男(久し振りに人の温かさに触れた気がする)

男(もう忘れていたはずだったのにな…)

幼女「おじちゃーん」ヒョコッ

男「なんだい?」

幼女「えへへー、おじちゃんお泊りだー」

男「ありがとうね、お嬢ちゃんのおかげだよ」

幼女「良かったあ」

男「お嬢ちゃんにはいつかお礼しないとな…」

幼女「わーい!」

男「おじちゃんダメな大人だから待たせちゃったらごめんな」

幼女「いいよー!」

男「ありがとう…」

男「おじちゃんにもな、お嬢ちゃんくらいの娘がいたんだ」

幼女「そうなの?」

男「お嬢ちゃんよりちょっと年下かな?」

幼女「私来年一年生になるよ!」

男「じゃあお嬢ちゃんの方がお姉さんだね」

幼女「わーい、おねーちゃんだー!」

男「お嬢ちゃんみたいに元気な子だったよ…」

幼女「おじちゃんの子供はどこいっちゃったの?」

男「…んっとな遠くに逝っちゃったんだ、もう届かないくらい、遠くに…」

幼女「そっか…」

男「でも、もういいんだ、おじちゃんは一人でも大丈夫だから」

幼女「うん…」

男「お嬢ちゃんに元気もらったから、もう大丈夫だよ」

男「ありがとうね…」

幼女「すぅすぅ…」

バンバンバンバンバンバンバンバンバンバン
バン       バンバンバン゙ン バンバン
バン(∩`・ω・)  バンバンバンバン゙ン
 _/_ミつ/ ̄ ̄ ̄/
    \/___/ ̄
  バン    はよ
バン(∩`・д・) バン  はよ
  / ミつ/ ̄ ̄ ̄/   
 ̄ ̄\/___/
      ; '     ;
       \,,(' ⌒`;;)
       (;; (´・:;⌒)/
     (;. (´⌒` ,;) ) ’
(  ´・ω((´:,(’ ,; ;'),`
( ⊃ ⊃ / ̄ ̄ ̄/__
    \/___/

          /\
     . ∵ ./  ./|
     _, ,_゚ ∴\//
   (ノ゚Д゚)ノ   |/
  /  /

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチ
ポチ     ポチポチポチポチポチポチ
ポチ(∩`・ω・) ポチポチポチポチポチ
 _/_ミつ/ ̄/_
      /_/

はよ

男(寝てしまったか…)

男(呼んだ方がいいかな?)

―コンコン

男「どうぞ」

母「失礼します、あら…やっぱり」

男「すみません」

母「いいんですよ、この子が人に懐くのも珍しいので…」

男「そうなんですか?」

母「夫が亡くなってから人を敬遠するようになっていたんですよ」

男「なるほど…」

母「あなたには何か感じるものがあったのかもしれませんね」

男「そうだといいんですけど…」

母「きっとそうですよ、お時間頂いちゃってごめんなさい、ではおやすみなさい」

男「ありがとうございます、おやすみなさい」

はよ!はよ…

はよ

>>87
俺だけID真っ赤で恥ずかしいっ///
ってなったけど、お前も真っ赤だな!
仲良く保守しようぜ!

ほし

まだー?

帰ってきてVIPを見た僕は言いました

「なぜのこってたし」

保守ありがとうございました、書き始めます寝落ちしたらすまそん

男(ちゃんとした布団で寝るのも久しい)

男(明日からまたあの公園に戻ろう)

男(何か恩返しをしなくてはな…)

男(頑張ろう…)

男(空白の時間を、あの親子の為に使おう)

男(それが俺にできる精一杯だ…)

男(眠くなってきたな…)

男(…)

――

パンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパン
パン     パンパンパンパンパンパンパンパン
パン( `・ω・) パンパンパンパンパンパンパン
  (( ( つ つ
     ),ィ⌒(  ・`д'・)
   (_(__人__,つ 、つ


        ; '     ;         
         \,,(' ⌒`;;)        
   ( ´・ω:;( (;; (´・:;⌒)/

   ( つ  (;. (´⌒` ,;) ) ’
    | ,ィ⌒((´:,(’ ,; ;'),`
   (_(__人__,つ 、つ

―バフッ

男「!」ビクッ

幼女「おじちゃーん、朝ご飯だよー」

男「ああ、おはよう…」

幼女「ねたー?」

男「おかげさまでぐっすりと」

幼女「わーい、ママーおじちゃん起きたー!」テテテテ

男(元気だなあ)

母「あ!ごめんなさい、寝かせといてあげたかったんですが…」

男「いえいえ、ゆっくり寝かせてもらいました、ありがとうございます」

母「もうすぐ朝食なのでできたらお呼びしますね、ごゆっくりどうぞ」

幼女「おじちゃん!ごーはーん!」テテテテ

男「すみません、すぐ行きますね」

母「そんな焦らなくてもいいですよー」パタン

母「残りものばっかりでごめんなさいね」

幼女「おいしーねー♪」パクパク

男「いえ、こんな朝食を食べられるなんて幸せです」

母「ありがとうございます、一杯食べてくださいな」

男「はい、頂きます!」

母「ほら、お口についてるわよ」フキフキ

幼女「んぅ?」

男(微笑ましいな…)

幼女「おじちゃん!どうしたの?」

母「あ…何か気に障る事でも…?」

男「いや…、こんな…こんな家族と一緒に食事をできるのが嬉しくて…ぐすっ」

母「辛かったのですね…」

幼女「おじちゃん、なでなでする?」

男「大丈夫だよ、おじちゃん元気になってきたから」

幼女「やった!」



男「ごちそうさまでした」

幼女「ごちそうさま!」

男「食器はどこで洗いましょう?」

母「あ、片付けますのでそのままでいいですよ」

男「すみません…」

幼女「私持っていくー」テテテテ

母「落とさないようにねー」

男「いい子ですね…」

母「ええ、普段はもっと落ち着いてるんですが、騒がしくてすみません」

男「いいえ、懐かしい気分になれました」

母「それなら良かった…」

男「お昼過ぎに出ようと思います、本当に有難う御座いました」

母「あの、少々お話が…」

男「?」

母「こんなことを言うのも失礼ですが、昨夜から様子を見ていまして…」

男「…すみません、やはりご迷惑をお掛けした様で」

母「いえ、もしよろしければ…ここで寝泊まりしませんか?」

男「へ?」

母「突然の事で驚かれてると思いますが、私にはあなたが悪い人には見えないのです」

男「私は汚れてしまった人間ですよ…、ここに居る権利など…」

母「私も仕事に行ってる間は家の事が出来ない状態で…あの子にも、娘にも寂しい思いをさせていますし…」

男「しかし、私が悪人だったらどうするんですか?昨日まで公園に住んでいた浮浪者ですよ?」

母「…そうですね」

男「そんな男を家に泊めるだけでも問題なのに…、住ませるなんて…」

男「あなた方親子は親切過ぎる…もう少し警戒すべきです…」

母「本当に悪い人は、そんなことを言えませんよ…」

男「…」

母「もちろん無理にとは言いませんが、私はあなたを見ていてそんな風に思いました」

母「少し考えてみてくださいね、では片付けをしてきます」

―バサッ、バサッ

男(考えるも何も…)

男(俺はこんなところにいちゃいけない人間なんだ…)

男(俺は…俺ができる形で恩返しをしよう)

男(それが最善だ…)

―カリカリカリカリ

――カリカリカリカリ

「昨夜は本当に有難う御座いました、こうして黙って出ることをお許しください」

「久し振りに人の温かさに触れられました、言葉にできないほど嬉しかったです」 ポタッ

「しかし、ここに居てしまうとあなた方の厚意に甘えてしまいそうで怖いのです…」

「先程のお話はお気持ちだけ受け取っておきます、申し訳御座いません」 ポタッ

男(よし…いくか)ソッ

男(有難う御座いました…このご恩は必ず!)ペコリ


――パタン

男(さて…、何からすべきか)

男(まずはきちんと働かないとな)

男(職安にいくかな…)

――

―カタッ

 「失礼な事をお聞きしますが…住所無しとは…?」

男「そのままの意味で取って頂いて結構です」

 「…大変申し訳御座いませんが、また後日ご来店下さいますか?条件に合ったものを探しておきますので…」

男「はい、有難う御座います、失礼します」

―パタン

男(やはり、だめか…)

男(求人誌も見てみよう)

男(住み込みならあるいは…)

―チャリッ

 「はい、○○工業株式会社です」

男「すみません、住み込み希望なんですけれども」

 「はい、面接の日程については後日お知らせ致しますので、お名前、年齢、住所、ご連絡先をよろしくお願いします」

男「男と申します、年齢は26歳、住所…連絡先はない…です」

 「…少々お待ちください」

男「…はい」

男(やはり…)

 「大変お待たせ致しました、申し訳御座いませんが今回は―」

男「有難う御座いました」

―ガチャッ

男(まだだっ…まだ…他にも!)

――



男(こんなにも難しいとは…)

男(だがこんな事で挫けちゃいけない)

男(分けてもらった元気を無駄にしちゃいけない!)



男「すみません!外の募集を見たんですけれども」



男「突然失礼します、求人広告を見て来たのですが…」

――



男(どこも…だめか)

男(今日はもう遅いな…明日また頑張ろう…)

男(公園に戻るか)

がんばれ(´;ω;`)ブワッ

男(あれは…?)

―バキッ、ガシャッ

 「うはは、今日はいねーんだなあのおっさん」ガシャン

 「いつもきもい顔してガンつけやがってよー、頭来るわ」

 「だよなー、でも喧嘩になったら殺しちゃいそうだしー」ドカッ

 「言えてる、一発殴ったら死ぬんじゃね?」

 「あっはははー言えてるわー」グシャッ

男(…また、か)

男(暫く戻らない方がよさそうだな)

男(明日は忙しくなるな)

男(早起きして寝床も直さなきゃな…)

男(頑張ろう…頑張ろう…)

男(今日は風が冷たいな…)

―おじちゃんお泊りしよー?

―たまには自分を甘やかしてもいいと思いますよ

男(本当に温かかった)

男(あの親子に会えて良かった…)

男(心から頑張ろうと思えた…)

男(これで、よかったんだ)

男(……)

―トントン

男「ん…」

―トントン

幼女「おじちゃん?」

男「お嬢ちゃん、なんでここに!」

幼女「おじちゃん…」


―かえろ?

幼女「いなくなるのやだ…」

男「ここにいるよ…」

幼女「なんでいなくなったの…」ギュッ

男「ごめんね」

幼女「やだ…」

男「おじちゃんはお嬢ちゃんとは一緒に居られないんだよ…」

幼女「やだ!」

男「我儘言わないで…」

幼女「らって…ひくっ…ぐすっ…おじちゃ…ぐずっ…いい…家いて…ぐすっ…いい…だから…ひっく…かえろ…」

男「…」

幼女「おじちゃん…おうち、かえろ…」ギュッ

―こんな現実をどのように受け入れたらいいのかわからなかった

―タタタタッ

母「こんなところに…良かった…、突然家を出るものだから……」

男「…すみません」

母「帰りましょう?」

男「…」

幼女「ぐすん…ひくっ…」

母「泣きながら、ずっと家の中を探してて…、ずっとあなたの事を心配していたんですよ…」

男「申し訳ない…」

母「この子には、あなたが必要なのかもしれません…」

男「そんなことは…」

母「それは他の誰にもできない、あなただけなんです」

男「…」

母「だから―」

幼女「…おじちゃん?」


―おうちに、かえろ?

暖かくなるSS

自分でも気付かない内に涙を流していた

男「私は…私は…」

母「いいんですよ…」

幼女「…わたし、おじちゃんと一緒がいい」

男「どうしたら…」

母「誰にでも帰る場所は必要です…」

男「もう、わからない…自分が何をすればいいのか…」

幼女「大丈夫だよ、おじちゃん」

男「なんでこんなにも…」

幼女「―だから」ソッ


泣かないで…








―その夜、男は泣いた




――

―スタスタスタ

男「色々すみませんでした」

母「いいえ、大丈夫ですよ」

幼女「すぅすぅ…」

男「可愛い寝顔ですね…」

母「心から安心できたんですね…」

男「この子にも心配させてしまった…」

幼女「んぅ…おうち?」

母「ええ、もうおうちの近くよ」

幼女「そっか…」

男「起こしちゃったか、ごめんね」

幼女「いい…」



母「ほら、ついたわよ」

幼女「降りるう」

男「ん、ごめんな」

―スタッ

幼女「ママ、あのね」

母「うん、わかった」

幼女「おじちゃん」


幼女・母「おかえりなさい」

男「ああ…」


――ただいま

。・゜・(ノД`)・゜・。

―数日後

男「じゃあお昼過ぎにお迎えいくから」

幼女「うん、いってきます!」

男「いってらっしゃい」

男「さて、俺も準備するか」

―まずは体を慣らすため、という母さんの助言もあってバイトを始めた

乱れた生活習慣が徐々に直っていったのはいうまでもない

数ヶ月後

幼女「ぴっかぴっかのー」

男「ランドセルの方が大きいぞー」

幼女「私大きくなるもん!」

男「あはは、いつになることやら」

幼女「すぐだもんー!」

男「はいはい」

幼女「わたしね、大きくなったらね!」

男「うん」

幼女「おじちゃんのお嫁さんになってあげるね!」

男「あはは、そりゃどうも」


―そこにはもう戻ってこないと思われたものが

――幸せな日々があった

今日は幸せな夢が観れそうだよ

―後日談

母親に旦那はいなかったが俺との関係が進展することはなく、同居人のままだった

それから十数年

 「ねぇちょっと」

 「なんだよ」

 「あんたいつになったら結婚するの」

 「相手が居ない」

 「わたし」

 「おまえかよ…じゃあ結婚するか」

 「うん、やっとお礼してもらえた」

 「何の事だ?」

 「なんでもないですぅー、ばぁか」



二人が結ばれたのは秘密

おーわりっ

仕事中から書き始めて途中抜けましたが終わりましたヽ(゚ω゚)ノ
読んで下さった皆様と保守して下さった皆様有難う御座いました
最近鬱っぽいのばっかりだったので温かいの目指してみました
少しでも皆さんの心が温かくなったなら幸いです

ではではまたどこかでお会いしましょう

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