まどか「ほむらちゃん、マドラーって何?」(84)

ほむら「マドラー?」

まどか「そう。マミさんがこの前雑貨屋でかわいいマドラー見つけたって話してて……」

ほむら「……あなたもついに真実を知る時が来たようね」

まどか「へっ?」

ほむら「出来ればかくしておきたかったけれど、仕方がないわ。教えましょう」

まどか「う、うん」ゴクリ

ほむら「マドラーという響きに、連想するものはないかしら?」

まどか「マドラー……? わたしの名前に似てるかなって、違うよね」ティヒヒ

ほむら「その通りよ」

まどか「ええっ!?」

ほむら「まどかを愛してやまない人々のことをマドラーと呼ぶのよ」

まどか「そ、そうなんだ……。でもそんな人あんまりいないんじゃないかなぁ」

ほむら「そんなことはないわ。かくいうわたしもマドラーよ」

まどか「ほむらちゃんも!?」

ほむら「マドラーじゃなきゃ、こんなに何ループもしていないわ」

まどか「そうだったんだ。ごめんね、ほむらちゃんの気持ちに気付けなくて」

ほむら「いえ、今分かってもらえただけでも十分わたしは幸せよ」

どか「じゃあ、マミさんが可愛いマドラー見つけたっていうのは」

ほむら「雑貨屋に可愛いマドラーがいたのでしょうね」

まどか「ふーん。でも何でマミさんはその人がマドラーだって分かったんだろう」

ほむら「それは不思議ね。ひょっとしたら何か特徴的な格好をしていたのかもしれないわ」

まどか「特徴的な格好?」

ほむら「たとえばTシャツに『まどかLOVE』と書いてあったとか……」

まどか「は、恥ずかしいよ……」

ほむら「仮にそうだとしたら、それは急進派のマドラーね。わたしはマドラーの中でも控えめな方だから」

まどか「マドラーにも色々いるんだね」

まどか「マミさーん」

マミ「あら、鹿目さん」

まどか「今日、マミさんのお家に寄ってもいいですか?」

マミ「いいわよ」

まどか「マミさんはどうしてマドラーって分かったんですか?」

マミ「どうして? ……それは哲学的な問か何かなのかしら?」

まどか「え、わたしそんな難しいことを訊いちゃったんですか!?」

マミ「うーん……まあ、細くてああいう形をしているものはマドラーだと思うわよね」

まどか「そうなんですか……。それはもう長年の勘みたいな?」

マミ「勘っていうか、そりゃ見れば分かるわよね」

まどか「そっか、ほむらちゃんも細いもんね……。でもわたしにはパッと見では分からないなぁ……」

マミ「?」

まどか「あ、あの。マミさん、変なこと訊いちゃうかもしれないんですけど」

マミ「何? 言ってみて」

まどか「マミさんはマドラーですか?」

マミ「!? そ、それも何か哲学的なことなのかしら」

まどか「まぁ、愛は哲学なのかも知れないですね」

マミ「うーん……。普通に考えて違うわ」

まどか「!?」

マミ「わたしは人間であって、マドラーではないもの」

まどか「マ、マミさんは、マドラーは人間じゃないと言うんですか!?」

マミ「そりゃね」フフ

あ、>>16の前に抜けてた

マミ宅

まどか「あ、そういえばマミさん」

マミ「何?」

まどか「この前雑貨屋で可愛いマドラーを見つけたって……」

マミ「ああ、言ったわね」

まどか「(マドラーってそんなに異質な存在なんだ……。ちょっとショックだなぁ)」

マミ「ああ、そうそう。そのマドラー買ったのよ」

まどか「買った……!?」

マミ「あまりに可愛かったから、思わずね」

まどか「まさか、マミさんはマドラーをさらに愛好する者……みたいな!?」

マミ「まあ、マドラーはいくつか持ってるわ」

まどか「よく了承されましたね……。いくらくらいしたんですか?」

マミ「ちょっと凝ったものだったから、500円くらいしちゃったわ」

まどか「500円っ……!?」

マミ「こんな高いお金出して買うなんて、やっぱり馬鹿らしいかしら?」

まどか「いえ、安すぎるくらいだと思います」

マミ「そう言ってくれると助かるわ。あ、じゃあ鹿目さんにも見せてあげる」

まどか「えっ」

マミ「カクテルは作れないけど、オレンジジュースに入れて持ってくるわ」

まどか「ジュースにっ……入れてっ……!?」

マミ「ちょっと待っててね」

まどか「し、失礼しました!!」ダー

マミ「あら? 鹿目さん、急用でも思い出したのかしら」

まどか「ほむらちゃん!」

ほむら「あら、まどか」

まどか「ほむらちゃんは、マドラーなんだよね!?」

ほむら「ええ」

まどか「逃げよう! ほむらちゃんも可愛いからマミさんにつかまってジュースにされちゃうよ!!」

ほむら「ほむ?」

まどか「マミさんはマドラー愛好家なんだよ!」

ほむら「(ああ、そういうこと……)」

まどか「でもマドラー愛好家って感覚、よく分かんないなぁ……」

ほむら「マドラー愛好家と言われる人々が存在しているのは事実よ。
    分かりにくいならマンガのキャラクターなどを想像するといいわ」

まどか「マンガ?」

ほむら「『○○のことが大好きな△△』のファンって結構いるんじゃないかしら」

まどか「あー……何となく分かる気も……」

ほむら「巴マミは、まどかのことが好きな可愛い女の子が好きなのね」

まどか「でも、マミさん人身売買みたいな話とか、マドラーをジュースに入れて見せてあげるって……」

ほむら「それは相当異端ね。巴マミは残虐嗜好の持ち主なのかもしれない」

まどか「度を越したSってこと……?」

ほむら「ひょっとしたら巴マミの家には可愛いマドラーがいっぱい監禁されて……」

まどか「ひえええええー!! ほ、ほむらちゃん! ホントに気をつけてね!」ガシッ

ほむら「(まどかわいい)」

一応マドラーの話は終わり
でもちょっとおまけで続きます

杏子「なあ、アンカーって意味分かるか?」

ほむら「アンカー?」

杏子「さやかが運動会でアンカーになったって話してくるんだけど、何言ってんのか分かんねーんだよ」

ほむら「……これをわたしの口から言っていいものか……」

杏子「あん? 知ってるのならもったいぶらないで教えろよ」

ほむら「アンカーという響きから連想されるものはないかしら」

杏子「アンカー……なんだかあんこに似てるな!」

ほむら「その通りよ。あんこと言えば佐倉杏子のこと。つまりアンカーというのはあなたのことを好きでたまらない人のこと指すの」

杏子「えっ、ってことはさやかは……」

ほむら「あの子は生粋のアンカーよ」

杏子「そうだったのかよアイツ……///」

ほむら「本人は恥ずかしがるから言わないでいたけれど」

杏子「でも運動会でアンカーになったってどういう意味だ?」

ほむら「それはよく分からないわね……。そういえば、あなたも小学校くらいは通っていたのでしょう?」

杏子「ん? ああ、小さい時はな」

ほむら「そのときの運動会で美樹さやかはあなたのことを見初めていたのかもしれないわね」

杏子「マジかよ! そんな昔から……。これも運命ってことかな」

杏子「な、なあ……さやか」

さやか「何?」

杏子「さやかは……アンカーになったんだよな」

さやか「あー、そうだよー。さやかちゃん足速いから、頼られちゃって!」

杏子「足が速いことと、さやかがアンカーになることには関係があるのか?」

さやか「? あー、あんた運動会とか経験がないから分かんないか」

杏子「うん。教えてくれ」

さやか「アンカーはね、クラスで一番足が速い人がなることが多いんだよ」

杏子「何でだ?」

さやか「うーん……改めて何でって言われると……。そっちの方が勝ちやすいんだよ」

杏子「勝つって何に?」

さやか「他のクラスに決まってんじゃん!」

杏子「え、じゃあそれぞれのクラスのアンカー同士が争うのか」

さやか「そうだよー! あれは燃える戦いだねぇ」

杏子「(あたしのためにそんな争いが……)」

さやか「さやかちゃんも勝てるか結構不安だけどね」

杏子「いや……さやかは勝つよ」

さやか「そう? そう言ってくれると心強いけど」

杏子「で、さやかは、あたしが小学生の時の運動会でアンカーになったってことでいいのか?」

さやか「え? 何言ってんのあんた」

杏子「ち、違うのか?」

さやか「何であんたの運動会であたしがアンカーやるのさ。
    あたしがアンカーやるのは、今度うちの中学校でやる運動会」

杏子「え、でもそれってこれからの話だろ?」

さやか「うん。今度の体育の日」

杏子「じゃあ、さやかは体育の日にアンカーになる予定ってことか」

さやか「そうだよ」

杏子「アンカーってなろうと思ってなれるもんじゃないの?」

さやか「うーん、そりゃ自分から名乗り出る奴もいるけど、基本周りの皆に推されないと無理じゃない?」

杏子「周りの了承がいるのか?」

さやか「誰がアンカーになるのかは大事だし、アンカーは一人しかいないわけだからね。皆勝ちたいっていう思いは共通だろうし」

杏子「(じゃあ何だ……? クラス全員あたしのことを愛しているけど、愛する権利を獲得できるのは1クラスだけ……そのクラスの中でも代表者が一人しか選ばれないってことか……)」

さやか「杏子?」

杏子「そんなに思いつめないでいいんだぞぉ……」

さやか「な、何涙ぐんでんのよあんた!?」

杏子「そんな頑張んないでも、もう皆勝ちでいいよ……」

さやか「はぁ!? 何そのゆとり教育?」

杏子「でも……」

さやか「勝ち負けつかないと、燃えないでしょうが! ライバルがたくさんいる中で勝ち抜くのがいいんじゃない!」

杏子「(それって、あたしを独占したいってことか……?)」キュン

さやか「よっし、決めた! 絶対勝つぞー!」

杏子「さやか……男らしい……」

まどか「ほむらちゃん!」

杏子「おい、ほむら!」

ほむら「何かしら」

まどか「マドラーって飲み物かき混ぜる棒のことだったよ!何で嘘ついたの!?」

杏子「アンカーってリレーで一番最後に走る奴のことじゃねーか! どうも話がかみ合わないと思ったら」

さやか「アンカーくらい知っておきなさいよ……」

ほむら「……」

まどか「何とか言ってよ!」

杏子「恥かかせやがって!」

ほむら「確かにあなたたちの言う通りね……。でも、わたしがマドラーだと言うのは事実だし、美樹さやかも紛れもないアンカーよ」

まどか「えっ///」

杏子「そ、そうなのか?///」

さやか「言わせんな恥ずかしい///」

ほむら「ね。そこのところは皆本当よ」

マミ「わたしがマドラー愛好家だってこともね」

ほむら「と、巴マミ!?」

マミ「ほむほむー!」ギュッ

ほむら「ちょ、巴マミ! 離しなさい! 苦し……」バタバタ

マミ「鹿目さんのこと大好きなほむほむ可愛いよほむほむ」ギュゥゥ

まどか「ティヒヒ……」

おわり

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