妹「私は目覚めた……」姉「はい、おはよう」 (93)

妹「私は目覚めたー!」

姉「うん、おはよう」

妹「違くて。そういうんじゃなくて。私は目覚めたの! 」

姉「ごめんね、朝ご飯まだなの。パンとご飯、どっちがいい?」

妹「あ、パンでお願い……じゃなくてさぁ! 目覚めたって言ってるじゃん!」

姉「え? 何に?」

妹「それは勿論、新たな力に……だよ!」

姉「……へー」

姉「で、それは具体的にどういう力なの?」

妹「ふふっ、聞いて驚け! 名付けるならば、『絶対・妹領域』! このテリトリーに足を踏み入れた姉は、妹が可愛くて愛でたくて仕方が無くなる!」

姉「へー、それは凄いねー」

妹「そしてお小遣いとかも来れちゃう! やったね!」

姉「ほー、そんな事もしちゃうのかー」

妹「……信じてないでしょ?」

姉「え? 当たり前でしょ? それより、ご飯の前に顔洗ってきなさい」

妹「ふっ……。分かったよ、それなら、実際にやってあげるから!」

妹「絶対・妹領域、発・動!」

姉「………」

妹「どうだ! 私が愛おしくてしょうがないでしょう? いいよいいよ、存分に可愛がれー!」

姉「ねぇ……妹ちゃん……」

妹「うん!」

姉「あなた、そんなに可愛い顔してたっけ?」

妹「ふっ、効果は抜群のようだな!」

姉「いつもはもっと少年っぽいというか、鼻水ばっかり垂らしてると思ってたけど……」

妹「えっ、何、そんなイメージなの私って!?」

姉「でもでも、今日はすっごく可愛いわ! な、なんだかドキドキしてきた……」

妹「へ、へへ、そうでしょうそうでしょうとも! さぁ! 可愛いがれ!」

姉「いいの!? 本当にいいの!?」

妹「え? う、うん……いい、よ?」

姉「妹ちゃん!」

妹「うおっぷ!」

姉「ああー、可愛い! 可愛いすぎる! ねぇ、ちゅーしていい? ちゅー!」

妹「えっ? いやそれはダ」

姉「んちゅー」

妹「ちょ待っ、んむぐっ!?」

姉「ぷはぁ! あはっ、ちゅーしちゃった! 妹にちゅーしちゃったーっ!」

妹「な、なな……!」

妹(なんか思ってた愛でられ方と違う!!)

妹(っていうか今の姉ちゃんなんか怖い!)

姉「……妹ちゃん……」

妹(なんか雰囲気出して唇突き出してるしー!)

妹「くっ……絶対・妹領域、解除!」

姉「……あら?」

妹「ね、姉ちゃん、元に戻った!? 大丈夫?」

姉「うーん、なんだかさっきまで妹がすっごく可愛く見えてたんだけど……気のせい、みたいね」

姉「こうして見れば、いつも通りの、アホヅラだもの」

妹「ひどっ!」

妹「けどけど、どう!? 今のが私の新たな力! 絶対・妹領域! 姉ちゃんに対する効果は抜群だな!」

姉「うーん、確かに、すっごくドキドキしたし、今もまだ……」

姉「……ねぇねぇ、もう一回さっきのやってくれない?」

妹「い、いいけど……何もしない?」

姉「何もって、なに?」

妹「だから、その、ちゅー……とか」

姉「…………しちゃ、駄目なの?」

妹「駄目だよ! 何する気だよ実の妹に! もっと普通に可愛がってよ!」

姉「うーん、でも、私って元々妹ちゃんの事は大好きだから……」

姉「きっと相乗効果で、マズイレベルまで気持ちが昂っちゃうのよねぇ」

妹「あ、へぇ、そうなんだ……。嬉しいような、ドン引きなような……」

姉「だから、さっ、早く……○○○しよう?」

妹「すいませんドン引きです!」

姉「う、うそうそ、今のは嘘! 普通に、普通に愛でるから!」

妹「本当っ!? え、エッチな事とかしたら逃げるからね!」

姉「大丈夫大丈夫、200パー大丈夫!」

妹「じゃあ……絶対・妹領域、発動!」

妹「って、あれ? 姉ちゃん、その手錠はなに? どっから出したの?」

姉「うふふ……」ガチャ

妹「って、あれ? ど、どうして私の手と姉ちゃんの手を手錠で繋ぐの?」

姉「それは勿論……あなたを食べる為よ?」

妹「…………マジで?」

姉「マジよー?」

妹「○○○?」

姉「うん、○○○!」

妹「いやぁ、犯されるぅ! 絶対・妹領域、解除!」

妹「さぁどうだ! これでいつも通りのアホヅラな私に戻ったよ!? 襲えるものなら襲ってみろ!」

姉「あらあら、解除されちゃったわねー」

姉「じゃあ、まずは、ちゅーからする?」

妹「なっ!? そ、そんな馬鹿な! この鼻水を前にして、まだ続ける気力があるのか!?」

姉「だから言ったでしょうー?」

姉「私元々、妹ちゃんの事は大好きだって!」

妹「んなっ!? ちょ、ちょっと待って姉ちゃん! 」

姉「さぁ、お洋服脱ぎ脱ぎしましょうねー?」

妹「いやぁ、許してやめてぇー!」

妹「ごめんなさいー! 全部嘘です! 絶対・妹領域なんてないんです! お小遣いが欲しかったんです! 甘えたかったんです! だから……」

妹(って、あれ? ちょっと待てよ? 元々姉ちゃんは、私に力なんてない事に気がついていた……?)

妹(そ、それじゃあ今、姉ちゃんが私を襲うのって……)

妹「お、お姉様、ひとつ、質問してよろしいでしょうか……」

姉「あら、なぁに?」

妹「もしかしてお姉様は、その、ガチな人なんですか?」

姉「……あらぁ、違うわよ? これは私が、絶対・妹領域のテリトリーに入っているからよー」

妹「…………」

姉「だから……ね? 妹ちゃん、目を、閉じて?」

妹「…………最早、ここまで……か……」

妹「…………」

姉「…………」ガチャガチャ

妹「……あれ? 姉ちゃん? 手錠外すの?」

姉「目を閉じてて」

妹「……う、うん……」

妹「ちゅー、しないの?」

姉「そんなにしたいの?じゃあしょうがないわね、目を開けなさい」

妹「……あれ? ご飯のいい匂いがする……」

妹「姉ちゃん? これって……」

姉「何ボーッとしてるの? さっ、早く朝ご飯にしましょう!

妹「ねっ、姉ちゃん~! よかったぁ! いつもの姉ちゃんだぁー!」

姉「もう、気がつかなかったのー? 私が冗談で妹ちゃんの貞操を奪おうとするなんて、あるわけないじゃない!」

妹「そ、そうだよねっ、おかしいよね、姉妹で、女同士で、そんなの!」

姉「そうよー、それに、無理やりってのは私の趣味じゃないしねー!」

妹「……えっ?」

姉「だから、ご飯の後に改めて、お互い同意の上でやりましょう?」

妹「……えっ?」

姉「……えっ?」

妹「えっ、やるの?」

姉「えっ? やらないの?」

妹「というかやるってなに? 具体的に何をやるの? リレーとか? 鬼ごっことか?」

姉「いや、○○○よ」

妹「うーん、そっかぁ……。そっかぁ……!」

妹「……姉ちゃん」

姉「なにかしら?」

妹「この絶対絶命のピンチに、私は新たな力に目覚めたよ……」

姉「へー?」

妹「その名も! 『絶対・妹命令権』! 私に命令された姉は、絶対に言うことをきくのだ!」

姉「あらあら、酷いネーミングセンスね」

妹「ふん、笑ってられるのも今のうちだ! 妹が命じる! 姉ちゃん、動くな!」

姉「なっ!? か、身体が……動かない!?」

妹「ふはははっ! どうだ、恐れ入ったかこの変態色欲魔め!」

姉「くっ、ムカつくけど、いい気になってる妹ちゃんもかわいい!」

妹「さぁ、どうしてやろうかな? そうだな、それじゃあ脇腹をくすぐり倒してやろうかっ! それっ、それっ!」

姉「あっ、はひゃ、ちょ、妹ちゃん、やめー」

妹「あれー? 姉ちゃん動いてるよー? 動かないでよー!」

姉「……う、動けないわよ?」

妹「んふふ、それじゃあ改めて! それそれー!」

姉「ふっ、はは、いや、これ、あっはははははっ、きつい、ははっ、本当に、ヤバ、ふひゃははははっ」

~1時間後~

妹「それそれそれぶはぁっ!」

姉「あ、なたっ、しつこすぎよ!!」

妹「そ、そんな……! 絶対・妹命令権が破られただと!?」

姉「1時間もくすぐられたら、そりゃあ我慢の限界もくるわよ……」

妹「くっ、そうか、効力が切れたのか……!」

姉「さぁ、それじゃあそろそろ準備はできた? 妹ちゃん?」

妹「くっ、まだだ、まだやられるわけにはっ! 妹が命じるーー」

姉「させないわっ、絶対・姉縛り! 発動!」

妹「なっ!? 力……だと? まさか姉ちゃんも持っていたのか!」

姉「ええ……実は持っていたのよ! 私もね! ……なにこれ、思ってたより恥ずかしいわね……」

妹「いや、かっこいいよ姉ちゃん! 燃えるね!」

姉「……燃えより、萌えの方がいいのになぁ……」

妹「で? で!? そ、それは一体どんな力なんだ!?」

姉「あ、えーっ、と、縛り、そう、妹ちゃんが私と紐で結ばれるのよ!」

妹「な、なんだと!? そんな、誰が得をするんだその力は!」

姉「私よ?」

妹「デスヨネー」

姉「さぁ、妹ちゃん? 私と一つになりましょう?」

妹「くぅっ、この、力は……! 強大過ぎて逆らえないっ!」

姉「さぁ、おいで? 妹ちゃん」

妹「う、うわぁー!」ダキッ

姉「よいしょー」グルグル

妹「くっ、縛られてしまった……! 屈辱だ!」

姉「うふふ、なんだかカンガルーになった気分だわ」

妹「ふむ……これはなかなか……姉ちゃん、朝ご飯食べさせて!」

姉「はいはいー」

妹「うん、うん。姉ちゃん、テレビ見たいー!

姉「はーい」

妹「ふむぅ、ナイスなポジショニング!」

妹「姉縛り……ありだな!」

姉「ありですかー」

姉「さっ、それじゃあそろそろ、本題に入るよ? 妹ちゃん!」

姉「私と○○○で○○○しよう!」

妹「……すー……すー……」

姉「えっ? そんな、妹ちゃん? このタイミングで寝落ち? もしかして徹夜してたの!?」

妹「すー、すぴー……」

姉「はぁ……珍しく早起きだと思ったら、そういう事か……」

姉「……で、この溜まりに溜まった欲求を、私はどうすればいいのかしら?」

~6時間後~

妹「うーん、よく寝たぁー!」

姉「おはよう、妹ちゃん。気持ちよさそうに寝てたわねー」

妹「うーん……なんか、変な夢見てたぁ」

姉「へー? どんなー?」

妹「んー、なんか、私が力に目覚めて、姉ちゃんと闘う夢ー」

姉「へぇー? その夢の最後は、どんなだった?」

妹「んんー? それは、姉ちゃんが私を……って!」

妹「なんで私裸なのー!? 姉ちゃん! これは一体!?」

姉「もう……私から言わせる気?」

妹「何が!? っていうか姉ちゃんも裸なのはなんで!?」

姉「妹ちゃん、安心して? きっとあなたの夢は、正夢になるから!」

妹「なんにも安心できないよ!?」

妹「くっ、何か、何か力を新しく考えないと……!」

姉「妹ちゃん、その必要はないわ……」

妹「えっ?」

姉「なぜなら私は、あなたの可愛さという特殊能力に、メタメタにやられているもの……!」

妹「……姉ちゃん!」

姉「妹ちゃん!」

妹「ってなるかぁ! だめ! エッチなのは禁止! 何かしたら大声あげるからね!」

姉「……えっ? な、そんな、そんな仕打ち……あんまりだわ!」

妹「いや、泣きたいのはこっちだよ!」

姉「はぁ……分かりました、妹ちゃんに○○○するのはもう少し大人になってからにしましょう……」

妹「え? なに? ○○○することは確定なの? あと、なんで私が駄々っ子みたいになってるの?」

姉「だって……だってぇー!」

妹「もう……姉ちゃんはいつもしっかりしてるけど、時々だめなー」

姉「うっ……ごめんなさい」

妹「い、いいよ、別に……。もう、しょうがないから……今日は一緒に寝る?」

姉「い、妹ちゃん! は、裸でいいの!?」

妹「私としては、普通に甘えたいんだけど……今日は、特別で……」

姉「やったぁー! うっ、ごほん……しょうがないわね、寝られないんなら、一緒に寝てあげてもいいわよ?」

妹「えっ、なんでそこでお姉さんぶるの? 後私もう眠くないし、姉ちゃん寝るまでだからね」

姉「しょうがないわね!」

妹「ほんとにね!」

姉(はー、妹ちゃんが力に目覚めたーって言い出した時はめんどくさいと思ったけど、思わぬ役得だったわ!)

妹「んー、姉ちゃん……」

姉「あら? あれだけ寝たのに、まだ眠るの? この子ったら……」

妹「姉ちゃん……次は、何して、遊ぶ?」

姉「ふふっ、夢の中でも、私と遊んでるのね……」

姉「おやすみなさい。明日も休みだし、沢山、遊びましょうね」

妹「うーん……」

~翌日~

妹「姉ちゃん! 起きろ! 朝だぞ!」

姉「あ……妹ちゃん、おはよーー」

姉「って、ええっ!?」

姉「どうしたのそのカッコ! なんで猫耳なんてつけてるの!?」

妹「えっ? いやぁ、私、昨日思ったんだよ」

妹「食われる側より、食う側でいたい……って」

妹「だから、今日は姉ちゃんを食べます。生で食します」

姉「うん。……うん! 食べて食べて! 存分に食べてー!」

妹「あむ!」

姉「えっ? いた、いたたた、ちょ、妹ちゃん?」

妹「ふぁに、姉ちゃん……」

姉「もしかして、昨日、本気で嫌だったの?」

妹「あむっ!」

姉「いたっ、本当に痛い、ごめん、もうしないよ、いたっ、えっ、妹ちゃん!?」

妹「いただきますっ!」

姉「ああああっ! 痛いけど、なにこれ、ちょっと幸せかもーっ!」


~完~

保守ありがとうございました
エロシーン無理でした、次は頑張ります!

お休みなさいー

俺「そこまでだ!!」
妹、姉「お、お兄ちゃん!?」
俺「イエェェェェス…」

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