山田「山田、麻雀がしたいです」(122)


相馬「あれ、山田さん麻雀覚えたの?」

山田「はい、前に山田だけ打てなくて寂しかったので必死に勉強しました」

佐藤「ほう、じゃあ今日は山田をカモにして囲むとするか」


山田「佐藤さん酷いです。素人の山田をいじめるなんて男として最低です」

相馬「ハハハ、そうだよ佐藤くん。素人の山田さんをカモろうだなんて酷いよ」

佐藤「相馬、そう言いながらガン牌の準備してんじゃねーよ」

ゲシッゲシッ

相馬「痛い、痛いよ佐藤君。ほんの冗談じゃないかー」

店長「何だ、今日も麻雀打つのか?じゃあ私もやるぞ」

佐藤「あれ、店長も麻雀打つのか?一緒に囲んだことはないよな?」


店長「いつもは時間が合わんからな。今日は工事で夜は休みだから暇なんだ」

山田「店長見た目からして強そうです」

店長「当然だ。私は高校の頃から負けなしだからな」

相馬「へぇー、それじゃあ今日は誰がカモになるかわからないね佐藤君」

佐藤「俺はならねーよ。それじゃあ卓に着け、早速始めるぞ」

――――――
――――
――

  店
  長
山田□相馬



佐藤「山田が親だな。じゃあ山田サイ振りしろ」

佐藤くんどこいんの


山田「はい、山田振ります」
カランコロン

山田「7です」

店長「ホイ、ホイっと・・・さっさと取ってけ」

・・・・・・

山田「(フフフ、早速チャンスが来ました)」

カチャカチャカチャ

佐藤・相馬・店長「・・・」

山田「(これで山田の勝利です)」

カチャ カチャ カチャ

相馬「あのー、山田さん」

山田「はっ、はい、何ですか?相馬さん」

相馬「山田さんは一体何をしているのかな?」

山田「はい、山田ツバメ返しをしてます」

佐藤さん山田の手牌見えてる

>>6>>8
間違えたからそこはスルーでお願いします


ポカッ

山田「イタイッ、佐藤さんいきなり何するんですか?」

佐藤「何するんですかじゃねーだろ。なにのろまな動きで堂々とイカサマしようとしてんだよ」

山田「「イカサマって何ですか?山田は本の通りにしただけです」

佐藤「本ってどんな本読んだんだよ?」

山田「『哲也』って本です。山田それ読んで昨日は徹夜で練習したんです」

・・・・・・

佐藤「相馬」

相馬「(コクリ)はーい、山田さんは今日の所は退場しましょうねー」
ズルズルズル

山田「えっ、何でですか?山田必死に勉強したのに酷いです」


相馬「はいはい、今度は僕がちゃんとした本選んであげるから。それを読んで勉強しようね」
ズルズルズル

山田「ヤダヤダヤダヤダー、山田も打ちますーーーーーっ・・・」


小鳥遊「やけに騒々しいですね。何かあったんですか?」

佐藤「おお、小鳥遊。いい所に来たな。丁度席が空いた所だから打っていけ」

小鳥遊「は、はぁ別に構いませんが、この席ってもしかして山田の席なんじゃないですか?」

佐藤「ああ、あのバカ初っぱなからツバメ返しかましてきてな。即刻退場だ」

小鳥遊「アハハ、山田らしいですね」

昨日も見たような


相馬「山田さん置いてきたよ」

佐藤「おう。で、何で轟まで一緒何だ?」

八千代「だって、杏子さんも打つんでしょ?だったら私が見守ってなきゃ」

佐藤「(ハァーッ、また店長か)」

店長「八千代、早速で悪いがパフェ頼む」

八千代「はい、そういうと思って持ってきました」

店長「さすが八千代、気が利くな」

八千代「そんな、当然のことです」

>>15
連続で投下してたら途中で書き込めなくなったんで、今日はゆっくり投下して最後まで行けるようにします


佐藤「じゃあ小鳥遊が親だからさっさとサイ振りしてくれ」

小鳥遊「はい、わかりました」

カランコロン

小鳥遊「7ですね」

店長「またかよ、面倒だな」

・・・・・・

小鳥遊「理牌終了っと、それじゃあツモりますよ」

店長「あーちょっと待ってくれ。えっと・・・1・2・3・・・」

小鳥遊「佐藤さん、店長って素人なんですか」ヒソヒソ

佐藤「いや、店長と打つのは初めてだが、自分では高校から負けなしって言ってたぞ」ヒソヒソ

小鳥遊「そうなんですか?それにしては手付きが素人っぽいんですけど、三味線ですかね?」ヒソヒソ

佐藤「さぁな、まぁ打ってみればわかるだろ」ヒソヒソ


店長「なに二人で話してるんだ?準備は終わったからさっさとツモれ」

小鳥遊「すみません、それじゃあ」

スチャッ タン
スチャッ タン
スチャッ タン
スチャッ

店長「えーっと・・・ここにこれが入るから・・・」

タン
スチャッ タン
スチャッ タン
スチャッ タン
スチャッ

店長「これは・・・いらないか」

タン

小鳥遊「(どう見ても、負けなしっていう風には見えないよな)」

佐藤「(店長は演技できるタイプじゃないからな。豪運タイプなのか?)」

相馬「」ニコニコ


佐藤「相馬、お前何か知ってるのか?」

相馬「えっ、何のこと?」ニコニコ

佐藤「(クソっ、絶対知ってる顔だが対局中だから手が出せん)」

相馬「」

タン!

佐藤「(あの捨て牌、素直に読めば三・六筒待ちでテンパイしたか?)」

スチャッ

店長「えーっと・・・コレか」
タン(三筒)

佐藤「(おいおい、それは・・・)」

相馬「」ニコニコ

佐藤「(・・・俺の読み間違いか?)」

スチャッ タン・・・・・・

俺、麻雀分からんけどこれ面白い


スチャッ

小鳥遊「(よし!これでテンパイ・・・相馬さんには厳しい牌だけど)」

タン(六筒)

相馬「小鳥遊君、随分と強気だね?でもそれが命取りだよ、ロン!」

バタン
345萬45筒34577888索

佐藤「何!?」

相馬「タンヤオ・ドラ3で満貫だね」

小鳥遊「はぁーっ、高い手だからってちょっと無茶でしたね」

佐藤「(小鳥遊は気付いてないようだが、さっきの店長の三筒捨てから手変わりはしていない。これは・・・)」

店長「どうした佐藤?さっさと牌を崩して混ぜろ」

相馬「そうだよ佐藤君、さっさとしようよ」ニコニコ

>>23
それだと最後ら辺は厳しいです


ジャラジャラジャラジャラ

佐藤「(コンビ打ちか!?店長に素人を演じさせて、油断した所を相馬が狙い撃つ。気付いてなければ俺が当てられていた)」

スチャッスチャッスチャッスチャッ

佐藤「(だが、それなら素人を演じている店長を狙うまでのことだ)」

カランコロン

佐藤「5だ、相馬」

相馬「はいはい」

・・・・・・

佐藤「(配牌からドラ3か、タンヤオかピンフどちらかのダマテンでいけるな)」

スチャッ タン

相馬「いきなり七萬?これは相当いい配牌なのかな?」

スチャッ タン

佐藤「教えるか、バカ」


スチャッ

店長「こうこうで・・・」

タン

小鳥遊「」

スチャッ タン
スチャッ

佐藤「(これはキテるぞ、タンヤオ・三色で跳満の目も出てきた)」

タン
スチャッ タン・・・・・・

スチャッ
佐藤「(よし!これで一・四萬待ちのテンパイ。四萬なら三色が付いて跳萬だ)」

タン

佐藤「(しかし、この二人がコンビ打ちする程の玄人ならダマでも難しいか・・・)」

スチャッ
相馬「あれ、佐藤君もしかしてテンパイしたのかな?」

佐藤「(コイツ!わざとらしく店長にテンパイを警戒するよう伝えやがって)」


タン
スチャッ

店長「うーん・・・コレは・・・」

佐藤「(もう、今回はこの二人からの直取りは厳しいか)」

店長「コレだ」

タン(四萬)

佐藤「何!?」

店長「ん、どうした佐藤?」

佐藤「そっ、それロ」

カチャリ

佐藤「!!!」

店長「だから、どうした佐藤?」

佐藤「えっと・・・それ・・・ロ」

カチャリ

佐藤「・・・いや、何でもない」


店長「?」

小鳥遊「じゃあツモりますよ」

スチャッ タン・・・

佐藤「(そうか、そういうことか。疑って悪かったな相馬)」
チラッ

相馬「」ニコニコ

佐藤「(しかし、そうなると・・・)」

スチャッ タン・・・

佐藤「(小鳥遊には死んでもらうしかないな)」

スチャッ タン

佐藤「小鳥遊、それロンだ。親っパネで18000」

小鳥遊「えーっ、また僕ですか?店長の捨て牌で通ったと思ったんですけど、やっぱりさっき小手返ししてたんですね」

佐藤「すまんな小鳥遊」

佐藤「(本当にスマン、小鳥遊。小手返しなんてしてないんだ。単なる山越しなんだよ)」

――――――
――――
――

相馬「で、結果はどうなかったかな?」

佐藤「42000」

店長「33000」

相馬「僕が28000で」

小鳥遊「-1000です・・・」

相馬「それじゃあ僕が店長に5000円で、小鳥遊くんは佐藤くんに27000円、店長に11000円だね」

店長「ヨッシャ、これで上手い物が食えるぞ」

小鳥遊「ううー、6日分のバイト代が・・・」

佐藤「悪いな、小鳥遊。それと相馬ちょっと来い」
スタスタスタスタ

相馬「ん?何かな佐藤くん?」
スタスタスタスタ

ゲシッゲシッ

相馬「いっ、痛いよ佐藤くん。いきなり何するんだい?」


佐藤「お前、店長と轟のこと知ってたな」

相馬「えっ?何のことだい?」

ゲシッゲシッ

相馬「痛い、痛いって佐藤くん」

佐藤「店長がロンされそうになる度に轟が刀で脅してくることだよ」

相馬「ああ、そのこと?もちろん知ってたよ。店長は気付いてないみたいだけど、あれのおかけで高校の頃から無敗を誇っているからね」

佐藤「だったら何で最初に言わない」

相馬「えーっ、だってその方が面白そうじゃないか」
ゲシッゲシッ

相馬「痛い、痛いよ」

佐藤「店長を追い出すから手を貸せ」


相馬「手を貸せって、一体どうする気だい?」

佐藤「簡単なことだ、お前叙々苑の食事券持ってるだろ?それ出せ」

相馬「えっ、幾らで買い取ってくれるの?」

佐藤「・・・」
ブンッ

相馬「アハハ、冗談だよ。冗談だからその振り上げたフライパンを下ろしてよ佐藤くん」

佐藤「ほら出せ」

相馬「まったく佐藤くんは酷いなぁ」

佐藤「元はといえばお前が悪いんだろうが。このままだと小鳥遊は破産するぞ」

相馬「佐藤くんは優しいねぇ。それならわざと振り込んであげればよかったのに」

佐藤「それとこれとは別だ。勝負の世界に手加減は無用だからな」


相馬「フーン、まぁ僕はその方が面白いからいいけどね」

佐藤「それじゃあ戻るぞ相馬」
スタスタスタスタ

相馬「はいはい」
スタスタスタスタ

店長「お、戻ったか。準備は出来てるからさっさと座れ」

佐藤「それなんだけどな店長、実は今日で期限切れの叙々苑の食事券があるのを忘れてたんだが」

店長「何だ、くれるのか?」

八千代「杏子さん違いますよ。わかったわ佐藤くん、それじゃあ私が卓に入るから佐藤くんは抜けていいわよ」

佐藤「いや、そうじゃなくてこれを店長にあげようと思ってな」


店長「何!?本当にくれるのか?」

八千代「本当にいいの?佐藤くん」

佐藤「ああ、いつも世話になってるからな。それにほら。二人分あるから轟も行って来い」

八千代「佐藤くん」

店長「よし、善は急げだ。八千代さっさと行くぞ」
タッタッタッタ

八千代「あっ、杏子さん。佐藤くん、本当にありがとね。それじゃあみんなお疲れ様。杏子さん待ってくださーい」
タッタッタッタ

佐藤・相馬・小鳥遊「お疲れ様ー」

佐藤「・・・さて、誰かまだ残ってる奴はいるかな?」

山田「もしかして今、山田呼ばれましたか?」

佐藤「呼んでねーよ」
スタスタスタスタ


相馬「はーい、山田さんは屋根裏に行こうねー」

山田「酷いです。みんなで楽しんで山田だけ独りぼっちですか?」

小鳥遊「相馬さん、見るだけならここにいてもいいんじゃないですか?」

相馬「そう?小鳥遊くんが言うならそうしようか」

山田「小鳥遊さん、ありがとうございます。小鳥遊さんに優しくしてもらえるなんて山田感激です」

スタスタスタスタ
佐藤「種島が残ってたから連れて来たぞー」

ぽぷら「なになに?みんなで何してるの?」

小鳥遊「先輩、みんなで麻雀してるんですよ」


ぽぷら「ま、麻雀・・・わ、私もう遅いから帰ろうかなぁ」

ガシッ

ぽぷら「ひぃっ!!」

佐藤「そうはいかんぞ種島。早く席に着け」

ぽぷら「いっ、嫌だもん。どうせまた私をカモにする気なんでしょ?」

佐藤「何言ってるんだ種島。バイト仲間同士のスキンシップだろ。仲良く麻雀を打とうじゃないか」

ぽぷら「そう言って、先月の私のバイト代むしり取ったくせに」

佐藤「仕事を手伝わせてちゃんと返してやったろ。それに今日は小鳥遊も入ってるんだぞ。もし種島が入らなかったら小鳥遊は悲惨な目に」

ぽぷら「うっ・・・」

佐藤「可哀想にな。種島に見捨てられた小鳥遊は有り金全部取られることに」

ぽぷら「わかったよ。入ればいいんでしょ」

佐藤「そうこなくちゃな。さぁ席に着け」


佐藤「まずは席決めからだな」

スチャッ
佐藤「東だ」

スチャッ
小鳥遊「西です」

スチャッ
種島「私は南ー」

スチャッ
相馬「それじゃあ僕は北だね」

佐藤「じゃあ振るぞ」

カランコロン

佐藤「起親は相馬だな」

相馬「うん、じゃあ振るよ

カランコロン

相馬「6だね」

ぽぷら「はいはーい、ちゃっ、ちゃっと。じゃあみんな取ってって」


スチャッスチャッスチャッスチャッ

相馬「それじゃあツモるよ」

スチャッ タン

佐藤「今日は勝てるといいな種島」

スチャッ タン

種島「ふんっだ、馬鹿にして。前は覚えたてだったんだもん。友達といっぱい練習したから前みたいにはいかないもん」

スチャッ タン

小鳥遊「前って誰と打ったんですか?店長とは今日が初めてだったんですよね?他に麻雀打ちそうな人っていましたっけ?」

スチャッ タン・・・・・・

佐藤「ああ、この3人と音尾さんで打ったんだよ」

小鳥遊「え、音尾さんですか?何だか以外ですね」


ぽぷら「でしょ?しかもすっごく強いんだよ。私もびっくりしちゃった」

相馬「しかも女子高生の娘さんもスゴく強いらしくてね。中学生の頃には全国大会で1位になったんだって」

ぽぷら「え?音尾さんに子どもはいないよ」

相馬「あれ、そうだっけ?別の人と間違えてたみたいだよ」

佐藤「しかし、あれは手に負えなかったな。俺と相馬でも中々1着は取れなかったし」

相馬「おかげで種島さんはほとんどラスを喰らってたからね」

ぽぷら「それで私はスッカラカンに・・・うっ、ううっ」

先に書いておくけど、WORKING分がどんどん麻雀に侵食されていきますのであしからず


小鳥遊「そんな、酷いじゃないですか。こんなにちっちゃくて可愛い先輩をみんなで苛めるなんて」

ぽぷら「かたなしくん・・・あ、それロン」

小鳥遊「えーっ!?」

ぽぷら「チートイ・ドラドラ・赤1で満貫ね」

佐藤「字牌の地獄単騎待ちとはえげつないな」

ぽぷら「どう佐藤さん、これが練習の成果だよ」

佐藤「ああ、スゴいな。まぁそれを見せつけられたのは小鳥遊だがな」

小鳥遊「先輩・・・」

ぽぷら「ごめんね、かたなしくん。勝負の世界は非常なの」


相馬「はいはい、さっさと混ぜる混ぜる」

ジャラジャラジャラジャラ

スチャッスチャッスチャッスチャッ

佐藤「振るぞ」

カランコロン

佐藤「3だ」

小鳥遊「はい・・・どうぞ」

スチャッスチャッスチャッスチャッ

佐藤「中々いい配牌だな。種島気を付けないと交通事故に遇うぞ」

スチャッ タン

種島「前とは違うって言ったでしょ。三味線なんかには引っ掛からないもん、べーっ、だ」

スチャッ タン

小鳥遊「舌を出した先輩も可愛い」

スチャッ タン


相馬「小鳥遊くん、麻雀に集中しないとまた当てられちゃうよ」

スチャッ タン・・・・

小鳥遊「そ、そうですね。ただでさえ毎月ギリギリなのに、このままじゃ完全に赤字だ」

佐藤「頑張れよ小鳥遊。短期決戦だと運の要素が強いからな。流れが来るまで耐えるんだ」

小鳥遊「佐藤さん・・・はい、俺頑張ります」

山田「そういう、佐藤さんは流れ来まくりですね」

佐藤「なっ!?山田いたのか?」

山田「みんな卓に集中してるから山田はみんなと一緒なのに独りぼっちで寂しいです」

佐藤「わかった。ちゃんと相手してやるから少し黙っとけ」


山田「佐藤さん、これってリーチ出来るんじゃないですか?」

小鳥遊・ぽぷら「えっ!?」

佐藤「やーまーだー・・・良いものやるからちょっとこっちへ来い」
スタスタスタスタ

山田「えっ、良いものって何ですか?山田すっごく気になります」
スタスタスタスタ

佐藤「ほら、これだ」

山田「これって、もしかして手錠ですか?山田実物見るのは初めてです」

佐藤「そうか、そうか、それじゃあ嵌めるのも初めてだよな」

カチャッ

山田「山田すごいです。まるでテレビドラマの犯人みたいです」


佐藤「それでこれを棚にかけて・・・」

カチャリ

山田「ワクワク、ワクワク」

佐藤「」
スタスタスタスタ

山田「あれ?佐藤さん何処に行くんですか?佐藤さーん」


スタスタスタスタ
佐藤「すまない、待たせたな」

種島「あれ、葵ちゃんは?」

佐藤「玩具をあげたから一人で遊んでるよ」

相馬「佐藤くん、さっき持ってたのって」

佐藤「ああ、山田対策に前から準備しておいたんだ」
相馬「佐藤くんは酷いなぁ」


佐藤「お前に言われたくねーよ。・・・さて」

ぽぷら「危うく佐藤さんに騙されるところだったよ」

佐藤「何のことだ?」

ぽぷら「佐藤さんもうテンパイしてるんでしょ?」

佐藤「そりゃあテンパイしてるけどな。でもさっき言っただろ?交通事故に気を付けろって」

ぽぷら「あんな風に軽く言ったら誰だって冗談だって思うよ」

佐藤「種島は心が汚れてしまったんだな。一月前の何でも信じる種島はいなくなってしまったのか」

ぽぷら「もうーっ、佐藤さんのせいでしょー」

小鳥遊「佐藤さん」

佐藤「ん?どうした小鳥遊まで?」


小鳥遊「あんなこと言っておいて、裏では淡淡とあがり牌を狙っていたんですね」

佐藤「小鳥遊、種島も言ってただろ。勝負の世界は非常なんだ。例えどんな人間でも卓に着けば全員敵なんだよ」

小鳥遊「佐藤さん・・・わかりました。俺もう簡単に騙されたりしません」

佐藤「その意気だ。だがまずはこの正念場を乗り越えないとな」

タンッ!!

佐藤「リーチだ」

捨て牌
東九萬九筒白

ぽぷら「うーっ・・・これじゃあ読みようがないよー」

タン(九萬)

小鳥遊「取り敢えずは現物しかないか」

タン(東)

相馬「そんな弱気じゃツモられちゃうよ?」


タン(八萬)

小鳥遊「親リー一巡目に裏筋!?」

佐藤「随分と強気だな相馬」

タン(五萬)

種島「助かったー、現物なかったんだよね」

タン(八萬)

小鳥遊「しかし、相馬さんのあの強牌が気になる」

タン(白)

相馬「♪♪♪」

タン(八索)

小鳥遊「また裏筋?」

佐藤「・・・お前ら確認するけど、俺の牌を見てないよな?」

ぽぷら「見てないよっ。それに佐藤さんが牌を伏せてから誰も触ってないし」

佐藤「(それは間違いない。念のために微妙に並びをずらしていたがそのままだった。・・・だとすると)」


佐藤「相馬、お前ガン牌してるな」

相馬「うん、そうだよ」

佐藤「お前!!」

相馬「嫌だなぁ、佐藤くん。そんなに怒らないでよ。勝負の世界は非常でしょ?気付かなかった佐藤くんが悪いんだよ」

佐藤「クッ・・・」

相馬「これで次からは牌を取り替えるだろうから、最後に一つだけ宣言するよ。小鳥遊くん、ぽぷらちゃん、僕の捨て牌の筋を捨てて行けば安全だよ。
そしてそのまま行けば佐藤くんは自分のあがり牌をツモる前に僕のあがり牌を掴むことになる」

小鳥遊・ぽぷら「相馬さん」

相馬「さぁ、僕に付いてくるんだ」

小鳥遊・ぽぷら「はい!」


佐藤「クソッ、俺としたことが油断した」

タン(西)

ぽぷら「もう怖くないもんねー」

タン(八索)

小鳥遊「よかった、現物だ」

タン(西)

相馬「佐藤くんも終わりが近いね」

タン(四萬)

佐藤「・・・」

タン(一筒)

ぽぷら「相馬さん、ナーイス」

タン(一萬)

小鳥遊「俺も」

タン(一萬)


相馬「それじゃあ行くよ・・・リーチ」

タン(四索)

佐藤「これで当たりか・・・」

タン(三索)

相馬「・・・」

小鳥遊・佐藤・ぽぷら「?」

相馬「ごめん、ごめん、一巡間違えていたよ。次の佐藤くんのツモであがりだから」

ぽぷら「そうなの?じゃあ」

タン(三索)


スチャッ
小鳥遊「!!!」

小鳥遊「(何だ?何だか急に悪寒が・・・)」
チラチラ


小鳥遊「(危険そうには見えないし、相馬さんの捨て牌の筋だし)」
チラチラ

小鳥遊「(他に現物もないし・・・大丈夫だよな?)」

タン(一索)

佐藤「・・・」

小鳥遊「(良かった、ただの思い過ごしか)」

・・・・・・

小鳥遊「相馬さん?相馬さんのツモですよ?」

相馬「ツモる必要はないよ」

小鳥遊「えっ!?」

相馬「その牌でロンだよ。リーチ、一発、チートイ、ドラドラ・・・わぁっ、裏も乗って18000だね」

小鳥遊「えっ、ええっ!?」

相馬「どうしたの小鳥遊くん?ほら18000点」


小鳥遊「・・・騙したんですか?」

相馬「小鳥遊くん、ちゃんと学習しなきゃ。種島さんにも、佐藤くんにも言われたのにまたすぐ騙されるなんて」

ぽぷら「でも、どうして?ガン牌してるならわざわざそんなことしなくてもあがれたんじゃ・・・」

佐藤「それは多分コレのせいだな」

スチャッ

ぽぷら「佐藤さんの次のツモ牌?」

バラッ

佐藤「俺のあがり牌だ」

小鳥遊・ぽぷら「えっ!?」

相馬「そういうこと。この手順でしか僕があがることは出来なかったんだよ」

小鳥遊「・・・」

ぽぷら「かたなしくん、元気出して」

小鳥遊「先輩・・・ありがとうございます。でも、もう大丈夫です。今度こそ心に刻みつけましたから」

ぽぷら「かたなしくん」

小鳥遊「佐藤さん、相馬さん、俺絶対にここから巻き返してみせます」

佐藤「小鳥遊」

相馬「その意気だよ、小鳥遊くん」

小鳥遊「それじゃあ、さっさと牌を交換して続きやりますよ」

――――――
――――
――

ジャラジャラジャラジャラ

スチャッスチャッスチャッスチャッ

小鳥遊「はい、先輩」

ぽぷら「うん」

カランコロン

ぽぷら「8だね。ほい、ほいっと・・・さぁ、取って」


スチャッスチャッスチャッスチャッ

スチャッ タン

ぽぷら「かたなしくんには勝って欲しいけど手加減はしないからね」

スチャッ タン

小鳥遊「わかってます。手加減して言い訳にされても嫌ですし」

スチャッ タン

相馬「その調子だよ。小鳥遊くん」

スチャッ タン

佐藤「頑張れよ、小鳥遊」

スチャッ タン・・・・・・

ぽぷら「(ドラなし、タンヤオも無理、親番継続の為に平和のみかな)」

小鳥遊「(タンヤオにドラと赤1、ラス回避の為にここであがっておきたいな)」

相馬「(軽い手でいいのになー。こんなときにチャンタ、しかも自風なし・・・)」

佐藤「(タンピンか・・・もっと役が欲しいが、種島にあがられたら2着が遠のくからな)」


スチャッ タン・・・・・・

相馬「あ、それポン」

小鳥遊「(オタ風でポン?チャンタか役牌か)」

スチャッ
佐藤「(東・・・抑えるくらいなら相馬にあがられた方がいいな)」

タン(東)

スチャッ
ぽぷら「(一萬・・・チャンタならドラもない。それなら問題ないよね)」

タン(一萬)

相馬「ポン」

小鳥遊「(まずい、二人とも場を流す方に動いてる)」

タン(二萬)

スチャッ
佐藤「(一筒・・・もうテンパっててもおかしくないか)」

タン(四筒)


スチャッ
ぽぷら「(五筒・・・これでテンパイだけど、通るかな)」

タン(二筒)

スチャッ
小鳥遊「(一萬・・・四萬捨てでそのままイーシャンテンだけどタンヤオが消える。それにあの鳴きでラス牌の一萬で待ってるとは思えないし)」

タン(一萬)

相馬「ロン、チャンタのみ1300だね」

小鳥遊「(やってしまった。これで-2300。三着の佐藤さんでも27300点差・・・)」

ジャラジャラジャラジャラ

スチャッスチャッスチャッスチャッ

小鳥遊「(でもラス親だから連チャンで何とかなる)」

ぽぷら「小鳥遊くん。はい、サイコロ」

小鳥遊「ありがとうございます。それじゃあ振ります」


カランコロン

小鳥遊「4。・・・ドラ表示牌は二筒です」

スチャッスチャッスチャッスチャッ

小鳥遊 -2300点
299萬12筒22289索 西發中

相馬 44300点
1449萬457筒357索東白白

佐藤 25000点
35558萬1338筒13索北北

ぽぷら 33000点
12568萬11筒3468索中中

小鳥遊「(ドラなしでこの配牌。悪ければ連荘の為だけのリーチのみか)」

相馬「(断トツのトップだし白が鳴ければノミ手でいいんだけど)」

佐藤「(ドラ2で刻子・対子もある。ツモによっては鳴いてトイトイだな)」

ぽぷら「中のみだろうから鳴いて2着固定かな」


小鳥遊「それじゃあ、始めます」

ツモ九萬

小鳥遊「(いきなりいい所を引いたな。これなら三暗刻くらいには持っていけるか)」

西捨て

相馬
ツモ八萬 一萬捨て
佐藤
ツモ一索

佐藤「(対子った。これならトイトイで2着にいける)」

一筒捨て

ぽぷら
ツモ南 南捨て
小鳥遊
ツモ北 北捨て
相馬
ツモ七筒 東捨て
佐藤
ツモ四筒 八萬捨て
ぽぷら
ツモ八索 八萬捨て

小鳥遊
ツモ發

小鳥遊「(来たー!これで三暗刻は確実にいける。他の牌が対子ってくれれば逆転手の四暗刻も)」

二萬捨て
相馬
ツモ六索

相馬「(何とか形になって来たけど、白は出ないのかなぁ)」

九萬捨て
佐藤
ツモ四索 八筒捨て
ぽぷら
ツモ八萬 八萬捨て
小鳥遊
ツモ二筒

小鳥遊「(来た。これはもう四暗刻を狙うしかない)」

一筒捨て
相馬
ツモ七筒 八萬捨て
佐藤
ツモ四筒 四索捨て
ぽぷら
ツモ三萬 一筒捨て


小鳥遊 -2300点
999萬22筒22289索發發中
相馬 44300点
44萬45777筒3567索白白

佐藤 25000点
3555萬3344筒113索北北

ぽぷら 33000点
12356萬1筒34688索中中

小鳥遊
ツモ一萬 一萬捨て
相馬
ツモ七索 七索捨て
佐藤
ツモ七索 七索捨て
ぽぷら
ツモ六萬 一筒捨て
小鳥遊
ツモ一索 一索捨て

佐藤「ポン(よし、これでトイトイドラドラのイーシャンテンだ)」

ポン一索 三索捨て


ぽぷら「(まずいなー。佐藤さんが喰い仕掛けってことは満貫確定なのかな)」

ツモ赤五筒 六萬捨て

小鳥遊「(早くテンパイしないと。頼む、引いてくれ)」

ツモ南 南捨て

相馬
ツモ北

相馬「(先に不要な数牌を整理しておきますか)」

三索捨て
佐藤
ツモ四萬 四萬捨て
ぽぷら
ツモ九索 九索捨て
小鳥遊
ツモ五筒

小鳥遊「(見えてる牌で七索と九索が2枚ずつ。八索は持たれてるのかもしれないな)」

八索捨て
相馬
ツモ六萬 六萬捨て
佐藤
ツモ四索 四索捨て


ぽぷら
ツモ中

ぽぷら「(やっと来たよ。鳴いてあがりもあるけど、みんなテンパイが近そうだし安牌にするのもいいかな)」

六索捨て
小鳥遊
ツモ發

小鳥遊「(来た!来た!これで四暗刻イーシャンテン)」

九索捨て
相馬
ツモ六筒

相馬「(これでテンパイ。佐藤くんはせいぜい満貫だから当たっても問題ないし、むしろここはリーチで2着の種島さんに降りてもらうかな)」

相馬「それじゃ、リーーチ」

北捨てリーチ
44萬456777筒567索白白

佐藤「じゃ、それポン」

北ポン


相馬「あーっ、佐藤くん一発消しなんて酷いよー」

佐藤「うるさい。お前は俺の当たり牌を引くのを待ってろ」

三萬捨て
555萬3344筒 111索北北北
ぽぷら
ツモ五索

ぽぷら「(相馬さんがリーチで佐藤さんも多分テンパイだ。ここは暗刻落としで様子見かな)」

中捨て
小鳥遊
ツモ二筒

小鳥遊「(テンパった。しかも四暗刻単騎、あがれば逆転どころか断トツトップ・・・捨て牌は安全を追うなら中だけど、ここはあえて)」

五筒捨て
999萬222筒222索發發發中

相馬「随分と強気だね、小鳥遊くん。もしかしてテンパったのかな?」


小鳥遊「さぁ、どうでしょうね?リーチをかけてる相馬さんにはどのみち関係ないですよ」

相馬「確かにね。まぁ後は運に任せるよ」

相馬
ツモ西 西捨て
佐藤
ツモ發

佐藤「(生牌だが他に安牌もないからな。ここは行くしかない)」

發捨て
ぽぷら
ツモ五筒

ぽぷら「(小鳥遊くんもテンパったっぽいし、そのまま落としてけばいいよね?)」

中捨て

小鳥遊「!!!」

小鳥遊「(よりにもよって先輩から出るなんて。これであがれば先輩は-63000、ウマも入れて98000円の負けだ・・・まだ中は1枚残ってるし手変わりもできる。これであがるわけにはいかない)」

小鳥遊
ツモ西 西捨て

相馬
ツモ南 南捨て
佐藤
ツモ一萬 一萬捨て
ぽぷら
ツモ南 中捨て

小鳥遊「(また!?これを見逃せば手変わりするしかないけど・・・いや、やっぱり先輩からはあがれない)」

ツモ三筒 中捨て

佐藤・相馬「・・・」

相馬
ツモ二萬 二萬捨て

相馬「なかなかあがり牌が来てくれないね」

佐藤
ツモ七萬 七萬捨て

佐藤「他家のあがり牌を引くよりかはマシだろ」

ぽぷら
ツモ九筒

ぽぷら「(もう形になってないし、崩していくかな)」

一萬捨て

小鳥遊
ツモ四萬

小鳥遊「(参った・・・佐藤さんと相馬さんどちらにも厳しい。俺が3枚も二筒を使ってるのに三筒は一枚も出ていない。
四萬の方は一・七が通っているし四萬も一枚切れている。選ぶなら・・・こっちだ!)」
四萬捨て

・・・・・・

小鳥遊「通りましたか?」

相馬「いいや、残念ながら」

バラッ

相馬「当たりだよ」

小鳥遊「!!!」

相馬「裏は・・・」


スチャッ

相馬「残念白だ。じゃあリーチのみで1000点だね」

小鳥遊「・・・はい」

佐藤「小鳥遊、牌を開けて見せろ」

小鳥遊「えっ、いや、それは・・・」

佐藤「なら自分で開けるぞ」

バラッ

小鳥遊「・・・」

佐藤「やっぱりな。お前種島の中を2回も見逃ししただろ」

ぽぷら「ええっ!?そうだったの?ってしかも四暗刻単騎じゃない。どうして上がらなかったの?」

小鳥遊「すみません、先輩。大負けして悲しむ先輩の顔を見たくなかったんです」

ぽぷら「かたなしくん・・・でも私はこんな風に手加減されることの方が悲しいよ」

小鳥遊「先輩・・・」


相馬「そうだよ、小鳥遊くん。勝負の世界は非常っていうのは何も冷たいことじゃないんだよ。
非常になれずにこうやって手加減されることの方がよっぽど相手は傷付くんだよ」

小鳥遊「相馬さん・・・」

佐藤「それにお前のもう1枚の捨て牌候補な」

バラッ

小鳥遊「!!!」

佐藤「こっちは俺のあがり牌だ。お前がそうやって変に場を乱せばそれは自分に跳ね返ってくる。情けをかけるのは相手の為にならないし、自分の為にもならないんだよ」

小鳥遊「佐藤さん・・・。みなさん、俺今度こそわかりました。日常と勝負の世界は別物だってことが。次からは絶対に勝負事で一切妥協はしません」


佐藤「わかればいいんだよ、小鳥遊。それになへこんだ種島も可愛いんだぞ。今度は思いっきり負かしてやれ」

小鳥遊「はい、思いっきり負かしてへこんだ可愛い先輩を見たいです」

ぽぷら「かたなしくん、そこは肯定する所じゃないよ」

相馬「アハハ、本当なら負けてるハズだったから、種島さん次は危ないかもね」

ぽぷら「もうーっ、相馬さんまでー。ふんっだ、もっと練習して次こそ勝つんだから」

小鳥遊「アハハ、プリプリした先輩も可愛いなぁ」

コンコンコン

佐藤「ん?工事の人かな?」

佐藤「はい」

ガチャッ

なずな「あの、お兄ちゃんの帰りが遅いから様子を見に来たんですけど」


ぽぷら「なずなちゃん、ごめんね遅くまで小鳥遊くん付き合わせちゃって」

なずな「付き合うって・・・お兄ちゃん麻雀やってたの?」

小鳥遊「ごめん、早く帰るつもりだったんだけど」

佐藤「すまんな、なずな。面子が足りなかったから無理言って小鳥遊に残ってもらってたんだ」

なずな「そうだったんですか。それでスコアは・・・!!お兄ちゃんボロ負けじゃない」

小鳥遊「うっ、すまんなずな。でも今月は俺の貯金を崩して入れるから家計は大丈夫だよ」

なずな「そういう問題じゃないでしょお兄ちゃん。みなさんには情けってものがないんですか?」

佐藤「勝負の世界に情けは禁物だ。同情はしても手加減は出来ない」

相馬「そうそう」

ぽぷら「ごめんね、なずなちゃん」


なずな「・・・そうですか。それなら私と一局だけ打ってくれませんか?」

ぽぷら「えっ?なずなちゃん麻雀できるの?」

なずな「はい、打てますよ」

佐藤「今、言った通り手加減は出来んがいいんだな?」

なずな「はい、勿論です」

相馬「僕は用事があるから帰ろうかなぁ」

なずな「相馬さんも、一局だけですので付き合って下さい」

相馬「は、はい」

なずな「ルールはアリアリ、裏・赤、ダブル・トリプル役満、ハコ下有りでいいんですよね」

佐藤「ああ、そうだ」

なずな「それじゃあ、早速始めましょう」


なずな「それじゃあ、席決めから」

スチャッ
なずな「東です」

スチャッ
佐藤「西だ」

スチャッ
相馬「北だね」

スチャッ
ぽぷら「私は南ー」

ジャラジャラジャラジャラ

スチャッスチャッスチャッスチャッ

なずな「じゃあ親決め、振ります」

カランコロン

なずな「4、私が起親です」

なずな「続けて振りますよ?」

なずな「6です」


相馬「あいよ・・・ドラ表示牌は一筒だ」

スチャッスチャッスチャッスチャッ

なずな「ツモっていいですか」

ぽぷら「うん、もういいよ」

なずな「それじゃあ」

スチャッ

なずな「・・・」

・・・・・・

ぽぷら「なずなちゃん、本当にルールわかるの?今からでもやめていいんだよ?」

佐藤「種島、始めた勝負は終わるまで辞められない」

ぽぷら「でも・・・」

相馬「・・・」

佐藤「なずな、長考するのはいいがタイムアップはないからな」


なずな「すみません、長考してるわけじゃなくて・・・ちょっと驚いてしまっただけです」

佐藤「?」

バラッ

なずな「ツモです」

佐藤・相馬・ぽぷら「!!!?」

なずな「天和・四暗刻のダブル役満で32000オールです」

佐藤「なっ!?相馬見えたか?」

相馬「」フルフル

佐藤「(俺と相馬がツバメ返しを決められた?あり得ない。だがこれがただの運というのも)」

ぽぷら「なずなちゃん、スゴーイ。佐藤さんと相馬さんにも見抜けないなんて」

なずな「何言ってるんですか種島さん。これはただの運ですよ。それに喜んでる場合じゃないですよ」


ぽぷら「え?」

なずな「ハコ下有りですからこのまま継続です」

ぽぷら「でも、かたなしくんの負け分は今ので取り返せたでしょ?それに一局だけって」

なずな「別に私はお兄ちゃんの負けを取り返す為にやってるわけじゃありません。それにまだ東一局です、私の親が流れるまで終わりませんよ」

佐藤「いいだろう。俺たちだってここまでされて黙ってるわけにはいかない。勝負続行だ」

相馬「佐藤くん、やめた方が-」

佐藤「うるさい、お前は黙ってろ。さぁ続けるぞ」

なずな「はい、それじゃあやりましょう」

なずな「(ウフフ、始めから全開のステルスなずなにイカサマ技を加わえれば誰にも負けないわ・・・)」

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佐藤・相馬・ぽぷら「・・・」

なずな「ウフフ、全員合わせて100万近くの負けですね」

小鳥遊「なずな、いくら何でもこれは」

なずな「お兄ちゃんは黙ってて!」

小鳥遊「は、はいっ」

なずな「わかりましたか?これが本物の勝負の世界というものです。1片の情けもかけることを許されない世界です」

佐藤・相馬・ぽぷら「・・・」

なずな「これに懲りたらもう仲間内で情け容赦のない真似はやめること、いいですね」

ぽぷら「はいっ」
相馬「はい」

佐藤「・・・」

なずな「いいですね?」

佐藤「・・・わかった」


なずな「はい、良くできました。それじゃあお兄ちゃん、もう遅いから帰ろう」

小鳥遊「う、うん。あのー、それじゃあみなさんお疲れ様でした」
スタスタスタスタ




佐藤・相馬・ぽぷら「・・・」

佐藤・相馬・ぽぷら「・・・」

佐藤「山田呼んで来るか」

相馬・ぽぷら「」コクリ

佐藤・相馬・ぽぷら「」
トコ トコ トコ トコ
トコ トコ トコ トコ
トコ トコ トコ トコ

山田「ヤマヤマヤマヤマ、ヤマヤマヤマヤマ・・・」

トコ トコ トコ トコ

山田「・・・あーっ、相馬さん酷いです。こんなに可愛い山田に手錠をかけて置いてくなんて。山田どれだけ寂しかったか」


佐藤「」
カチャカチャカチャ
カチャン

山田「あ、ありがとうございます」

佐藤・相馬・ぽぷら「・・・」

山田「あの、みんなどうかしたんですか?何だか山田怖いです」

ぽぷら「怖くなんかないよ、葵ちゃん」

相馬「麻雀したいんだよね?山田さん」

佐藤「俺らと一緒に麻雀しないか?山田」

山田「えっ?いいんですか?山田超麻雀したいです」


ぽぷら「うん、それじゃあ早く行こ葵ちゃん」

トコ トコ トコ トコ

山田「山田一生懸命勉強したんですよ」

トコ トコ トコ トコ

山田「山田早くみんなと麻雀したいです」

トコ トコ トコ トコ

山田「♪♪♪」

トコ トコ トコ トコ・・・







こうして山田はみんなに喰らい尽くされました。


おしまい

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