花子「三姉妹三角関係」(112)

花子「まったく…また櫻子、お弁当忘れてるし」

花子「日曜日の朝に起こして作らせておいて忘れるって、どういう事だし…」

花子「……まあいいか、櫻子なんてお腹ぺこって泣けばいいし」

花子「……」

花子「あ、そうだ」

花子「~♪」カチャカチャ

撫子「花子、どうしたの、またお弁当なんて作って」

花子「う、うん、ちょっと、友達の分のお弁当を作って遊びに行こうかなって」

撫子「ふーん」

撫子(随分、幸せそうな顔で作ってるな)

撫子(これはひょっとして…)

撫子「……恋か?」

花子「…!」カラーン

花子「も、もう、撫子お姉ちゃん、変なこと言わないでほしいし///」

撫子(図星か…)

撫子「あまり頑張り過ぎて、火傷しないようにな…」

撫子(色んな意味で)

花子「うん、気をつけるし」カチャカチャ

花子「よし、出来たし…」

花子(結構、凝ったお弁当になったし)

花子(喜んで、くれるかな///)

花子「櫻子のお弁当は適当に鞄に入れて…」

花子「こっちのお弁当箱は、ちゃんと袋に包んで、偏らないようにバランスを取って…」

花子「よし、出発だし」

~道中~

花子「し、しまった、流石に重いし…」

花子「どうしよう…」

花子「……」

花子「そうだ、櫻子のお弁当、捨てちゃえばいいんだし」

花子「よいしょっと…」

花子「さようなら、私が作ったお弁当、怨むなら櫻子を恨んでほしいし…」

??「花子お姉ちゃん?」

楓「花子お姉ちゃん、そんなところで、どうしたの?」

花子「楓、こんにちわだし」

楓「えへへ、こんにちわぁ」ニコ

花子「今、ちょっとお弁当に黙祷をしていた所だし」

楓「お弁当、に?」

花子「今から、川に身を投げる櫻子のお弁当に…」

楓「え、え、だめだよぉ、そんな事しちゃ」オロオロ

楓「環境破壊が進むこの世の中、ちゃんとゴミは分別して正しい場所に出さないと、色んな人に迷惑がかかっちゃうよぉ」

花子「そ、それもそうだし」

花子「楓、教えてくれて、ありがとうだし」

楓「んーん、楓が言わなくても、花子お姉ちゃんはきっと気付いてたよ」ニコ

花子「楓は、相変わらずいい子だし、癒されるし…」ナデナデ

楓「……」ニコ

花子「それにしても、楓は何時も色んな難しい事を知ってるし」

楓「そ、そんな事ないの」

花子「何処からそんな情報仕入れてるのか、ちょっと興味あるし」

楓「んー…ネットで、かなぁ」

花子「楓、ネット使えるんだ…凄いし」

楓「そ、そんな、凄くなんてないよぉ…」

花子「と、それよりこのお弁当をどうするか、考えるし」

楓「生ゴミの日は明日の朝だから、今から捨てると、からすさんとか犬さんが集まってきて大変なの…」

花子「うーん、やっぱり、持って行くしかないようだし…」ハァ

楓「花子お姉ちゃん、何処かにお出かけなの?」

花子「うん、ちょっと七森中にお弁当を届けに…」

楓「え?日曜日なのに?」

花子「櫻子は生徒会の仕事で日曜日でも学校に行ってるらしいし」

楓「へぇ~櫻子お姉ちゃん、凄いなぁ…」

楓「…花子お姉ちゃん、楓も、行っていいかなぁ?」

花子「楓が?どうして?」

楓「楓も、お姉ちゃんが行ってる学校、ちょっと見てみたいの」ニコ

楓「それに、お姉ちゃん以外にも知ってる子、いるから…」モジモジ

花子(向日葵お姉ちゃんの友達、とかかな)

花子「ん…じゃ、一緒に行くし」

楓「ありがとう、花子お姉ちゃん」ニコ

楓「あ、じゃあ、楓も荷物ちょっと持つの」

花子「え、楓、大丈夫?」

楓「櫻子お姉ちゃんのお弁当くらいなら、何とか持てるの」ニコ

花子「ん、助かるし、ありがとう、楓」ナデナデ

楓「……」ニコ

花子「よし、身軽になった所で…再び、七森中へ向けて出発だし」

楓「うんっ!」

花子「あ、最初に言っておくけど…」

花子「中学校は小学校と違って、危険だし、くれぐれも一人で行動してはいけないし…」

楓「え、え?」

花子「まあ、私と一緒に居れば、大丈夫だし」

楓「う、うん」

~七森中~

花子「ついた…ここが、七森中の校門…」

楓「わあ、何か森が多くて、楽しそうなの」

楓「動物さんとか、沢山いるのかなぁ?」ニコニコ

花子「ビーストならいるかもしれないし…」ガサゴソ

楓「花子お姉ちゃん、それは…?」

花子「これは、私が苦労して手に入れた七森中の地図だし」

楓「これがあれば、生徒会室が判るの?」

花子「あ……生徒会室は、載ってないし」

花子「まあ、けど櫻子はこの際どうでもいいし…」

花子「私達の目的地は、ここだし」

楓「茶道部…部室?」

楓「ここに、何かあるの?花子お姉ちゃん」

花子「う、うん」

楓「けど、櫻子お姉ちゃんにも、お弁当届けないと可哀そうなの…」

花子「その点は大丈夫だし、茶道部部室を訪ねれば、生徒会室の場所も判ると思うし」

楓「そっか、流石、花子お姉ちゃんなの」ニコ

花子「そ、それほどでもないし」テレッ

花子「楓、お弁当は重くない?」

楓「ん、大丈夫なの、花子お姉ちゃん、気にしてくれてありがとうね」ニコ

花子(楓を危険な中学校に連れて行くのは気が引けるけど…)

花子(けど、きっとあの人なら、私達を守ってくれるし…)

楓「わあ、花子お姉ちゃん、ほら見て、鳥さんがいるよ?」

花子「うん、綺麗な鳥さんだし」

楓「こっちには、ほら、綺麗なお花が咲いてるの」ニコニコ

花子(……この森、こんなに綺麗な場所だったかな)

楓「ふふふ、楽しいね、花子お姉ちゃん」ニコ

花子(…そっか、今日は楓と二人で通るから、綺麗に見えるんだし)

花子(楓は『良かった探し』が得意だし…何か、羨ましいし…)

楓「花子お姉ちゃん?大丈夫?」

花子「あ、うん、大丈夫だし、もう少しだから、楓も頑張って」

楓「うん!」ニコ

~娯楽部部室前~

花子「今回は、何事も無くついた…」

花子「ここが、茶道部、いや、娯楽部の部室だし」

楓「ごらくぶ?」

花子「花子の、お姉ちゃんが作った部活だし」キリッ

楓「櫻子お姉ちゃんが?」

花子「いや、櫻子じゃないし」

楓(じゃあ、撫子お姉ちゃんかなぁ…)

花子「えっと…」モジモジ

花子「うーん…どうしよう、何て声をかけて入ればいいのか、迷うし」モジモジ

楓「普通にはいっちゃ、だめなの?」

花子「だって、突然だし…変に思われたら、困るし…」

花子「というか、もうお昼ごはん食べてたらどうしよう…」オロオロ

楓「は、花子お姉ちゃん、大丈夫?」

花子「あ、楓…ごめん」

花子(そうだし、楓がいるのに、お姉さんの私がオロオロしてても仕方ないし)

花子「スーーハーーー」

花子「……」コンコンッ

花子「失礼します、私、大室花子と申します、歳納京子さんはおられますでしょうか?」ガラッ

楓「……としのう、きょうこ?」


シーーーーン


花子「……あれ」

楓「あの、花子お姉ちゃん…」

花子「ん?」

楓「今日、日曜日だから…ひょっとして、部活もお休みなんじゃ…」

花子「あ……」

楓「は、花子お姉ちゃん?」

花子「し、失敗したしぃぃぃぃ…」ガクッ

花子(私、何故か京子お姉ちゃんがずっとここに居るって思いこんでたし…)

花子(そうだ、こないだ泊めて貰った京子お姉ちゃんの家に行けばよかったんだ…)

楓「あの、花子お姉ちゃん、元気出して、ね?」

楓「ごめんね、楓、もっと早く言ってたら良かったね、ごめんね…」オロオロ

花子「…楓、ありがとう」

花子「そ、そうだし、こんな所で膝ついてたら、お姉ちゃんに笑われるし」

花子「……まあ、折角学校に来たのだし、仕方ないから、櫻子にお弁当届けてあげるし」

楓「きっと櫻子お姉ちゃんも、喜んでくれるの」ニコ

花子「そうと決まれば…気は進まないけど、校舎の方に行くし」

楓「うん、花子お姉ちゃん、一緒に頑張ろうね」ニコ

楓「あ、それと花子お姉ちゃん?」

花子「ん?」

楓「あの、さっき言ってた、としのうきょうこ、さんって言うのは…」

花子「あ、うん、それは…」

??「あれー、そこにいるの、ひょっとして…」

花子「……!」

花子「その声は、京子お姉ちゃん!」クルッ

京子「花子ちゃん、それに、楓お姉ちゃんも!」

花子「……え?」

楓「あ、やっぱり、としのうきょうこさんって、京子ちゃんの事だったんだぁ」ニコ

花子「……ん?」

京子「二人とも、どうしたの?また遊びに来てくれたの?」

楓「んーん、楓は、花子お姉ちゃんのお手伝いに来たの」

花子「んん?」

京子「どうしたの、花子ちゃん、眉間にしわ寄せて」

京子「可愛い顔が台無しだよ~」コチョコチョ

花子「ちょ、京子お姉ちゃん///」

楓「あ、ひょっとして、ごらくぶを作ったお姉ちゃんって…」

楓「京子ちゃんのこと、だったの?」

京子「うん、そうだよ、楓お姉ちゃん」ニコ

花子「ちょ、ちょ、ちょ、待って!」

京子「ん?どうかした?」

花子「え、あの、京子お姉ちゃん?」

楓「花子お姉ちゃん?どうしたの?」

京子「楓お姉ちゃん?その荷物なーに?」

花子「う、うううう…」

花子(ど、どうして『お姉ちゃん』がループしてるのか全然わからないの)プスプスプス

~娯楽部~

京子「花子ちゃん、大丈夫?落ち着いた?」

花子「ん、ありがとうだし、京子お姉ちゃん…」

花子(京子お姉ちゃんの膝枕、相変わらず気持ちいいし…)

花子(けど…)

楓「……」ニコニコ

花子「あの、京子お姉ちゃん…」

京子「うん、私と楓お姉ちゃんの事だったよね…」

京子「えーと、あれは半月ほど前の事なんだけど…」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

~半月前~

~京子宅~

京子「あー、やっと原稿終わった…」

京子「疲れたよぉ…」ゴローン

京子「と、ケロさん達に報告しておかないとね」

京子「ケロさん、チャットに来てるかなあ…」


≪ラム子さんが入室しました≫

ラム子『こんばんわ!みんなのラム子だよ~!』

ケロ『こんばんわ、ラム子ちゃん』

ラム子『あ、ケロさん居た!聞いて聞いて、やっと原稿終わった!』

ケロ『わあ、早く読んでみたい、楽しみ』

ケロ『けど、ムリしてない?ラム子ちゃん、よるおそくまで作業してるみたいだから』

ケロ『ちょっと心配なの』

ラム子『うう、ケロさんは優しいなあ…』

ラム子『けど、昼間は学校で寝てるから大丈夫です!』

ケロ『ラム子ちゃん、悪い子さん、ダメだよ、居眠りしちゃ』

ラム子『えへへへ、ごめんなさい、ケロさん!』

ケロ『いえ、ラム子ちゃんの身体の方が大切だから』

ケロ『本当に辛いときは、仕方ないかな』

ラム子『わーい!優しいケロさん大好き!』

京子「ああ、ケロさん今日も癒されるなあ…」

京子「ミラクるんコミュのチャットでお話しするだけで」

京子「実際には会ったことはないけど、どんな人なんだろ…」

京子「気遣いできるお姉さんっぽいし、年上なのかなあ…」

京子「お姉ちゃん、ケロお姉ちゃんって、呼んでみたい///」

京子「よ、よし、話し振ってみよう///」

ラム子『ケロさんって、何かお姉さんみたいな雰囲気ですよね!」

ケロ『え、そうかな?色々な活動してるラム子ちゃんのほうが』

ケロ『お姉さんっぽく感じるの』

ラム子『私なんて、子供ですよ!ああ、ケロさんみたいなお姉さんが居たらなあ…』

ラム子『お姉さんになってくれたらなぁ…』

ケロ『もう、ラム子ちゃんって、冗談ばっかり』

ラム子『冗談じゃないです~、本当にそう思いますもん』

ラム子『本当にケロさんみたいなお姉さんが居たら、毎日甘えまくりたいです!』

ケロ『甘えまくり…』

ラム子『私、一人っ子だから、お姉さんとか憧れるんですよ!』

ケロ『えっと…』

ラム子『それに、私、ミラクるんの事を直接語り合える相手とか近くに居ないですからね』

ラム子『正直、寂しいって言うか…あ、勿論、ここのチャットは楽しいんですけどね!』

ケロ『じゃあ、あの、ラム子ちゃん』

ケロ『電話で、お話、する?』

ラム子『え、本当ですか!?』

ラム子『もし、そうしてもらえるなら、超嬉しいですけど!』

ラム子『あ、勿論、ケロさんに御迷惑がかかるなら、その、無理してもらわなくても…』

ケロ『めいわくじゃないよ、私も、ラム子ちゃんとお話しするの、楽しみなの』

ラム子『感激です!じゃあ、あの、携帯の電話番号、メールで送りますね!』

ケロ『じゃあ、メール見てこちらから、お電話するね』

ラム子『ありがとうございます!』

ケロ『ふふ、こちらこそ、じゃあ、いったん退出するね』

ラム子『はーい!私も!』

≪ケロさんが退室しました≫

≪ラム子さんが退室しました≫

京子「やった、ケロさんとお話できる♪」

京子「どんな人なんだろ、ちょっと、ドキドキするな…」


ピピピピピピ


京子「わわ、さっそくかかってきた…!」

京子「えっと、んんっ!声変じゃないよね…」


カチャッ

京子「は、はい、もしもし!」

ケロ「……あ、あの、ケロ、です、ラム子ちゃん…?」

京子「う、うん!私、ラム子だよ!」

京子(うわあ、か、可愛い系の声だ///)

京子(てっきり美人系の声かと思ってたけど)

京子(どうしよう、ちょっとドキドキする///)

~翌日~

~公園~

京子(ケロさん、まさか近所に住んでたなんて…)

京子(その事で電話で盛り上がって、そのまま会う事になったけど…)

京子(何か緊張するなあ…)

京子(か、髪、変じゃないよね、リボン、歪んでないよね)

京子(目印のミラクるんピンバッチもつけてるし…)

京子(待ち合わせまで、あと、10分か…)ソワソワ

??「あの」

京子「……!」

??「ラム子ちゃん?」

京子(こ、この耳に優しいうっとりボイスは…!)

京子「ケ、ケロさんですか!?」クルッ

京子「え、だ、誰も…居ない?」キョロキョロ

??「あの、こっちなの…」

京子「ケロ、さん?声はすれども姿は見えず…」

??「こっち」クイクイッ

京子「え?下?」

楓「こんにちわ、あの、ケロ、なの…」ペコリ

京子「 」

楓「…えっと、えっと、ラム子ちゃん、だよね?」

京子「え、あ、ご、ごめん、ちょっとボーっとしてた」

京子「うん、私、ラム子です!」

楓「よ、よかったぁ、まちがってたらどうしようって思ったの」ホッ

京子(か、かわいい///)

京子「ケロさん、年上だと思ってたから、ビックリしちゃった」

楓「ごめんなさい、あの、年の事、聞かれなかったから…」オロオロ

京子(オロオロする様子も可愛いなぁ…)

京子(何歳くらいなんだろ…)

京子(6歳くらいかな?)

楓「あの、ラム子ちゃん、怒っちゃった…?」オズオズ

京子「怒ってませんよ、年齢は、私も言ってませんでしたしね、お互い様って事で」ニコ

楓「良かったぁ、ラム子ちゃんに嫌われたらどうしようって、ずっと心配だったの」ニコ

京子「もう、そんな事で嫌いになったりしませんよ!」

京子「えっと、あ、あの、ケロさんは私の…大切なお姉さんですし…」

楓「ふえ///」

楓「あの、チャットでは、お姉さんになって欲しいって言われて、本当に嬉しかったの///」

楓「けど、けど、本当に、いいのかなぁ?わたし、まだ6才なのに…」モジモジ

京子「私がケロさんにお姉さんになってほしいって思ったのは」

京子「ケロさんの包容力に惹かれたからなんです」

京子「甘えたいって思っちゃったからなんです」

京子「だ、だめですか?迷惑です?」

楓「そんな事ないよ、とっても、光栄なの///」

京子「あ、ありがとう///」

楓「あ、それと…」

楓「ケロじゃなくて、あの、もし良ければ楓って呼んで欲しいの…」

楓「わたしの本当の名前なんだけど…だ、だめ、かなぁ?」

京子「あ、じゃあ、私も、あの、本名の方で…」

京子「京子ちゃんって、呼んで貰えると、嬉しいです」

楓「うん、京子ちゃん」

京子「ありがとう、楓お姉ちゃん」

楓「///」

京子「///」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

京子「という感じで、楓お姉ちゃんになってもらったんだ」

楓「うん、そのあと、いっぱい、いっぱい一緒に遊んだの」

楓「…京子ちゃんは、あの、ちゃんと楓に甘えてくれるから、嬉しいの」

楓「向日葵お姉ちゃんや、櫻子お姉ちゃん、撫子お姉ちゃん、そして花子お姉ちゃん…」

楓「楓には、いっぱいお姉ちゃんが居て、嬉しいんだけど…」

楓「本当は、楓もお姉ちゃんになりたかったから…」

楓「さっき花子ちゃんがやってくれたみたいに、ありがとうって言いながら、誰かを撫でてあげたかったの…」

花子「楓…」

花子(そっか、だから、楓って、あんなに頑張って大人びようとしてたんだ…)

花子(誰かを撫でてあげたくて…)

花子(お姉さんになりたくて…)

花子(けど、幾ら楓が頑張っても、私達は、『妹分が頑張った』としか解釈しなかったし)

花子(私達が楓を撫でてあげる事が、楓を傷つけてたのかな…)

花子「楓、ごめんね、私、楓の気持ち、判ってなかったし」

楓「んーん、いいの、花子お姉ちゃんは、やっぱり花子お姉ちゃんだから」ニコ

楓「私がそのお姉さんになるっていうのは、やっぱり変なの」

楓「楓には、もう妹がいてくれるから…だから、今は幸せなの///」ニコ

花子「……」

花子(あれ、ひょっとして…)

花子(ひょっとして、楓も、京子お姉ちゃんの事を…妹とか、そういう事じゃなくて…)

花子(好き、だとか…?いや、まさか…まだ6歳だし)

楓「京子ちゃん、はい、あーんして?」ニコニコ

京子「あーん♪」

楓「美味しい?京子ちゃん」

京子「うん、美味しいよ、楓お姉ちゃん!」モグモグ

花子(勝手に食べ始めてる!?)

花子「ちょ、ちょっと、楓、待って欲しいし」

京子「あ、花子ちゃん、もう起きる?」

花子(う、京子お姉ちゃんの膝枕…離れ難い…)

楓「京子ちゃん、はい、次は卵焼きなの」

京子「あーん♪」

花子(し、しまった、楓に謀られたし!)

楓「ふふ、京子ちゃん、ほっぺにご飯粒ついてるの」スッ

楓「……」パクッ

京子「楓お姉ちゃん、ありがと♪」

楓「えへへ、どういたしましてなの」ニコー

花子「……京子お姉ちゃんの膝枕、すべすべして気持ちいいし」

花子「ねえ、京子お姉ちゃん、ご飯食べ終わったら、耳かきしてほしいし…」

京子「もう、花子ちゃんは甘えん坊だなあ」

京子「いいよ、丁度、耳かき持ってきてるし、後でやってあげるね」ニコ

花子「ふふふ、ありがとう、京子お姉ちゃん」ニコ

楓「……」

楓「京子ちゃん、じゃあ、その後は楓が耳かきしてあげるね」ニコ

京子「ほんと!?」

京子「誰かに耳かきして貰うのなんて久しぶりだなぁ…楓お姉ちゃんは本当に優しいよね」ニコ

楓「そ、そんな、お姉ちゃんとして当たり前なの///」

花子「……」

京子「ふう、ごちそうさまでした!」

京子「楓お姉ちゃん、美味しかったよ!」

楓「あ、お弁当作ってくれたのは、花子お姉ちゃんなの」

京子「そっか、花子ちゃん、料理上手だね、ありがとう」ナデナデ

花子「ふえ///」

花子「け、けど、京子お姉ちゃんに食べさせてあげたのは、楓だし」

京子「うん、楓お姉ちゃんも、ありがとう、美味しく食べられたよ」ニコ

楓「ん、京子ちゃんが喜んでくれて、楓も嬉しいの」ナデナデ

京子「えへへへ///」

楓「///」

京子「さ、じゃあ、花子ちゃん、耳かきしてあげるね」

花子「ありがとう、京子お姉ちゃん」

京子「痛かったら、言ってね?」

花子「うん…」


コショコショ


花子(あ、気持ちいいし…)

花子(何だろう、お母さんやお姉ちゃん達がやってくれる感じとは違う…)

花子(凄く、優しくて、くすぐったくて…)

京子「花子ちゃん、痛くない?」

花子「う…ん、気持ちいいし、京子お姉ちゃん…」

花子(膝枕されて、耳かきされて…)

花子(何か、凄く心が満たされる…)

花子(京子お姉ちゃん…大好き…)


フーッ


花子「ひゃんっ///」

花子(耳に息が///)

京子「はい、綺麗になりました!」

花子「ふえ…もう、終わり…?」

京子「あんまりやりすぎると、耳が傷ついちゃうからね~」

花子「んー…もっとしてほしいし…京子お姉ちゃん…」ゴロゴロ

京子「もう、仕方ないなあ、花子ちゃんは」クスッ

京子「また。今度してあげるから、ね?」ナデナデ

楓「京子ちゃん、じゃあ、今度は楓がしてあげるの」

京子「わーい♪」コローン

楓「ふふ、京子ちゃん、子供みたいなの」クスクス

京子「どうせ子供ですよーだ」プー

楓「もう、怒らないで、京子ちゃん、優しくしてあげるから」

京子「じゃあ、許す♪」

楓(京子ちゃんの耳、可愛いな…)コショコショ

楓(耳たぶも、ふっくらしてるし…触り甲斐があるの)モニュモニュ

京子「ふふ、くすぐったいよ、楓お姉ちゃん///」

楓「あ、ごめんなさいなの」

京子「あ、気持ち良かったからもっとやって~」

楓「ん、判ったの…」モニュモニュ

楓(髪もサラサラだし、首も細いの…)

楓(胸は向日葵お姉ちゃんより小さいけど…その方が可愛い…)

楓(楓は、おっきくなると思うけど、京子ちゃんはおっきいの好きなのかな…)

楓「……」フーッ

京子「ひゃん///」

楓「はい、綺麗になったの、京子ちゃん」ニコ

京子「ありがと、楓お姉ちゃん!」

花子「京子お姉ちゃん、また膝枕して欲しいし…」ゴロン

京子「ん、おいで、花子ちゃん」

花子「えへへ///」

楓「あ、そういえば、花子お姉ちゃんデザートも持ってきてたと思うの」

花子「あ、忘れてた…」

花子(…私が膝枕に滑り込むと同時にその話題を出すとは、侮れないし)

京子「あ、ラムレーズンだ!」

楓「京子ちゃん、本当にラムレーズン好きなの」クスッ

楓「はい、あーんして?」

京子「あーん♪」

楓「おいしい?」

京子「うん♪」

花子「……」ジー

楓「……」

花子「……」

京子「ラムレーズン美味しい♪」



結衣「ふう、日曜日なのに召集なんてかけないでよ、京子」ガラッ

ちなつ「また何か変なイベント考えたんじゃないでしょうね、京子先輩」

あかり「あかり、京子ちゃんが考えるイベント好きだよぉ」

結衣「…え、京子、ま、また何やってるの?どう見ても小学生な子供を二人も連れ込んで…」

ちなつ「ひ、1人を膝枕した上に、もう1人からアイスを食べさせて貰ってるって、そ、そんな…」

あかり「え?え?」

京子「え、あの、違うよみんな、この二人は…」

結衣「あ、そういえば、そっちの子はこないだの…」

ちなつ「どっちみち変態です!変態!変態!」

京子「ち、違うよ、変態じゃないよ!」

楓「…私の妹を、変態呼ばわりしないで欲しいのっ…!」サッ

京子「ああん、守ってくれるのは嬉しいけど、楓お姉ちゃん///」

結衣「きょ、京子、お前、一人っ子だろ、どうしてそんな子供に妹呼ばわりされてるの…」

ちなつ「変態!変態!変態妹!」

花子「変態じゃないし!変態じゃないし!」

楓「へ、変態じゃないの、変態じゃないの」

~生徒会室~

櫻子「あ、あれえ、お弁当忘れた!」

向日葵「もう、朝、花子ちゃんに作って貰ったって言ってたじゃありませんの」

櫻子「うう、折角作らせたのに…よし、電話して花子に持って来させよう」

向日葵「今からじゃお昼までに届きませんわよ…」

向日葵「し、仕方ないですから、私のお弁当分けてあげますわ」

櫻子「向日葵…」

櫻子「また太ったの?だからお弁当全部食べられないとか?」

向日葵「判りました、一人で食べますわ」

櫻子「もう、向日葵冗談だって!」

向日葵「あ…けど、お箸が一つしかありませんわ」

櫻子「向日葵馬鹿なのか?そんなの一緒のお箸使えばいいじゃん」

向日葵「なっ///」

櫻子「ほら、早く私に食わせろ~」

向日葵「し、仕方ないですわね///」

向日葵「あーん///」

櫻子「あーん」

~帰路~

京子「そういえばさ、花子ちゃんと楓お姉ちゃんは幼馴染なんだよね」

楓「うん、友達…と言うか、お姉ちゃんなの」

花子「うん、楓は妹分だし」

京子「そっかあ…昔の、私と結衣みたいな関係なのかな?」

花子「ゆい…?」

京子「うん、さっき、黒髪の女の子が居たでしょ?あの子、船見結衣ちゃん」

京子「さっきは結衣もちょっと混乱してたんだけど、本当は優しい良い子なんだ」

京子「だから、二人とも、次会った時は結衣とも仲良くしてあげてね」ニコ

花子「……」

楓「……」

楓「うん、判ったの、京子ちゃん」ニコ

花子「私も、判ったし、何となく」ニコ

京子「さて、花子ちゃんと楓お姉ちゃんの家に到着、と」

京子「今日は、どうしよう?私の家に泊りに来る?」

花子「今日は…止めておくの」

楓「楓も、今日は家に帰るの」

京子「ええ~寂しいなあ…」

楓「そんなに寂しがらないで、京子ちゃん、またメールしてあげるから、ね?」ナデナデ

京子「う、うん、ありがとう、楓お姉ちゃん///」

花子「わ、私も、メールするし、いっぱいするし」

京子「花子ちゃんも、ありがとう///」ナデナデ

花子「///」

京子「……」

京子「私は、ずっと、一人っ子だったけど…」

京子「今は、こんな優しい姉妹に囲まれて、幸せだよ」

京子「本当に、ありがとうね、花子ちゃん、楓お姉ちゃん」ニコ

花子「京子お姉ちゃん…」

楓「京子ちゃん…」

京子「じゃ、また今度遊ぼうね~!ばいばい!」ブンブン

花子「うん、ばいばい、京子お姉ちゃん」ブンブン

楓「気をつけて帰ってね、京子ちゃん」フリフリ



花子「…そういえぱ、楓、ケロさんって?」

楓「…前に、櫻子お姉ちゃんから『お前の本当の名前は楓じゃなくて蛙なんだぞ』って言われた事があるの」

楓「その時の事が印象に残ってたから、蛙の鳴き声を借りて、ハンドルネームをケロって名前にしてたの」

花子(櫻子、私だけじゃなくて楓にもそんな事してたんだ…)ハァ

花子「楓、京子お姉ちゃんの事が、好き?」

楓「……うん、大好き」ニコ

花子「そう…私も、好き、大好き」

楓「えへへ、一緒だね」ニコ

花子「うん…本当なら、楓とは恋敵なんだけど…」

花子「もっと手ごわい相手は、他に居ると思うし」

楓「……うん」

楓「ふなみ、ゆいさん…」

花子「だから、京子お姉ちゃんをその人から奪うまでは…」

楓「共闘体制を取る、という事で異論はないの…」

花子「うん」

花子「よし、まずは櫻子当たりが情報を集めるし」

楓「楓は向日葵お姉ちゃんから」

花子「うん、じゃあ、楓、また明日」

楓「うん、花子お姉ちゃん、頑張ろうね」

花子「勿論!」

『…子供だからって、諦められない想いはあるし』

『…子供だからって、蔑にされたくない想いはあるの』

『京子お姉ちゃんなら、それを判ってくれると思うから…』

『京子ちゃんなら、それを受け止めてくれると思うから…』

『今はゆっくりと、愛を育もう』

『私達には、時間がたっぷりあるのだから』





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櫻子「お前の本当の名前はラフレシアなんだぞ」 花子「え」

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