まどか「クリスマスパーティー」(66)

ピンポーン

詢子「お、ほむらちゃん。悪いねー、まだまどか帰ってないんだ」

ほむら「そうですか……放課後に遊ぶ約束をしたのですが」

詢子「ま、上がって待ってな」

ほむら「はい。お邪魔します」

ほむほむ

詢子「コーヒーはいけるんだっけ?」

ほむら「あ、はい。どうぞお構いなく……」

詢子「まぁ座って座って」

ほむら「失礼します」

ほむら「平日にいらっしゃるなんて、珍しいですね」

詢子「今日はちょっとしたオフでねー。知久もじきに帰ってくるよ」

ほむら「そうですか」

詢子「そういえばもうすぐクリスマスかー」

ほむら「もう、そんな時期ですか」

詢子「今年はまだまどかの欲しいもの聞いてないんだよなー。やばいな」

ほむら「やばいとは?」

詢子「いや、うちまだサンタさんやってるんだよねー」

ほむら「サンタ……さん?」

詢子「例年それとなくまどかの欲しいもの聞き出してたんだけど、今年は何故か言い出さないんだよ、あいつ。そろそろ潮時かな」

ほむら「潮時って、サンタさん止めるんですか?」

詢子「あいつももうサンタさん信じてる歳じゃないからね。そろそろ手渡しにするかな」

ほむら「……」

まどか「ただいまー」

詢子「お、まどかのヤツ帰ってきたみたいだ。じゃああたしはここらで引っ込むよ」

まどか「ごめんね、遅くなっちゃって」

ほむら「そんなに待っていないわ」

まどか「色々買ってきたからねー」

ほむら「ツリーの飾りに、クラッカーに、画用紙……パーティでもやるつもりなの?」

まどか「うん! だから招待状作ろうと思って」

ほむら「出来たら、わたしも呼んでちょうだいね」

まどか「もちろんだよ!」ウェヒヒ

ほむら「……まどかはクリスマスプレゼントに何をお願いしているのかしら」

まどか「えーと、わたしはぬいぐるみが好きだから新しいぬいぐるみをって」

QB「それが君の願いかい?」

まどか「!? QB!?」

ほむら「呼んでないわ。消えなさい」

QB「ひどい言われようだなぁ。じゃあお望み通り消えるけど、パーティには僕も招待してくれよ」

まどか「行っちゃった……」

ほむら「……まどかはクリスマスプレゼントに何をお願いしているのかしら」

まどか「えーと、わたしはぬいぐるみが好きだから新しいぬいぐるみをって」

QB「それが君の願いかい?」

まどか「!? QB!?」

ほむら「呼んでないわ。消えなさい」

QB「ひどい言われようだなぁ。じゃあお望み通り消えるけど、パーティには僕も招待してくれよ」

まどか「行っちゃった……」

ほむほむ

ハイスピード投下やな

ほむら「で、ぬいぐるみって、どんなのが欲しいのかしら」

まどか「うーん、ペンギンの大きいのが欲しいんだけど……少し高いかなあ」

ほむら「そう」

まどか「サンタさんにも予算はあるだろうしね!」ウェヒヒ

ほむら「……」

ほむら「おじゃましました」

まどか「またね、ほむらちゃん」

ほむら「……」

QB「デパートに向かっているのかい?」

ほむら「聞いていたの?」

QB「言っておくけど、時間を止めて盗むのはおすすめしないよ」

ほむら「そんなことしないわ」

QB「それにしても分からないなあ。仮に君がぬいぐるみを手に入れたとしても、先にサンタの正体がまどかにばらされるかもしれないだろう? そしたらプレゼントがダブってしまう可能性は否定できないよね」

ほむら「それもそうね……。でも、見るだけ……」

まどまど

siehomu

さやか「おっ、ほむらにQB!」

ほむら「美樹さやか。何をしているの?」

さやか「マミさんの家寄った帰り。ほむらは?」

ほむら「ちょっと用事があって、駅前のデパートに行くわ」

さやか「おっ奇遇だねぇ。ちょうどあたしもそこ行くとこ。一緒に行く?」

ほむら「ええ。あなたは何を買いに?」

さやか「マミさんがクリスマスパーティー企画しててねー。その準備を」

ほむら「……」

QB「なんだか嫌な予感がするね」

さやか「? どうしたの?」

ほむら「何でもないわ。その企画というのはどこまで進んでいるのかしら」

さやか「マミさんもうツリーも買ったとかいって、めっちゃはりきってたよ」

ほむら「……」

さやか「それより聞いてよ。まどかってまだサンタさん信じてるんだって!」

ほむら「夢があっていいじゃない」

さやか「それであたしがサンタさんなんかいないよーって言っても、いるって言いはるもんだからさ。
    じゃあお母さんに自分の欲しいプレゼント言わないでみ? まどかの欲しいプレゼントは来なくなるからって言ってやったの。
    そしたらまどかもムキになっちゃって。あれじゃあ今年はサンタさん来ないだろうねー」ウシシ

ほむら「美樹さやか……」

さやか「な、何よ恐い顔して」

さやさや……

デパート

QB「これがまどかの言ってたぬいぐるみだね」

ほむら「4900円……確かに高いわ」

QB「さすがにほむらの小づかいでは手が出ないだろう? どうするんだい?」

ほむら「……今日は一旦引き上げよ」

さやか「ほむらー。あたしはもう買ったぞー」

ほむら「そう。じゃ、帰りましょう」

ほむほむ

リアルのクリスマスは中止しとけばいいけど、
SSのクリスマス分を摂取できるであろうこれからの季節は大変楽しみでならない

デパートの外

さやか「わっもう暗い。日も短くなったね。イルミネーションもついてる」

ほむら「綺麗なイルミネーションを前にして、随分と暗い顔をするじゃない」

さやか「いや……街はカップルだらけで浮かれてるのにあたしは……ってね」

ほむら「……」

さやか「リア充死ね!」

ほむら「単にリアルが充実しているというのなら、あなたも十分そうだと思うわ」

さやか「うるせー! 独り身にはクリスマスなんて来ないんだよー! シングルベルだよ!」

さやかはバカだけどまどかにこういうこと言うかな
トナカイは実在しないと思ってそうだけど

杏子「騒がしい奴がいると思ったらさやかじゃん」

さやか「杏子!」

杏子「冬は野宿も出来ないでつらいね。何を騒いでいたんだい?」

ほむら「カップルに対して嫉妬の念が収まらないでしょうがないらしいわ」

杏子「あー、アンタあの坊やに振られたんだっけ」ヒヒヒ

さやか「うるさいなぁ……。杏子にはクリスマスを独りで過ごす寂しさなんて分からないわよ」

杏子「? クリスマスと恋人いないことの何が関係あるんだ?」

さやか「だって普通クリスマスは恋人と過ごすもんでしょ?」

杏子「おいおい、残念な奴だな。クリスマスは主がお生まれになった日なんだから、家族仲良く家で祝うのが基本だろ」

さやか「う……そういやアンタの家教会だっけ」

杏子「ま、そういう意味ではあたしも寂しいクリスマスが続いてるけどな」ハハハ

さやか「杏子……」

あんあん!

さやか「そうだ、アンタもマミさんのクリスマスパーティー来なよ!」

杏子「あん? マミのやつそんなもん考えてんのか」

さやか「ケーキも焼くってはりきってたよ~」

杏子「タダ飯食えそうだな。ま、そんときゃ誘ってくれ」

ほむら「あ……」

杏子「何だ?」

ほむら「いえ……」

あんあん!

ほむホーム

QB「どうするんだい? このままだとまどかのパーティーには誰も来ないよ」

ほむら「なんであなたは今日わたしにばかりついてくるのよ」

QB「そんな言われ方は心外だなあ。これでも相談に乗ってあげてるつもりなんだよ?」

ほむら「……どうしましょう」

QB「一つめの問題なら、解決は容易いね」

ほむら「どうするのよ」

QB「論理的に、サンタがいないってことを証明するのは難しい。逆にサンタがいるのを示すのは簡単だよね。サンタを連れてくればいいんだから」

ほむら「そのサンタが実際にいないから困っているのよ」

QB「そんなの、君がサンタの衣装でも着ていけばいいじゃないか」

ほむら「……それもそうね」

QB「(あれ……本気にしちゃったかな。地球人のジョークとやらを言ってみたつもりだったんだけど)」

ほむら「じゃああなたはトナカイ役ね」

QB「わけがわからないよ」

まどかの家

詢子「あー、まどか。あれだ。今年のクリスマスプレゼントは何が欲しい?」

まどか「……ママがそれを訊いてどうするの?」

詢子「まどか。お前はいい子に育ったな。だけど、現実を知らなきゃいけない時も来るんだよ。……サンタなんていねぇんだ」

まどか「!? 嘘……」

詢子「今までのプレゼントも、全部知久が置いてたんだよ」

まどか「わたし……信じてたの……信じてたのに裏切られたのっ」

詢子「おい、まどか!」

まどか「知らない!」ダッ

詢子「……」

なんか可愛いな、しえほむ

マミホーム

マミ「♪」

QB「ご機嫌だね、マミ」

マミ「あら、QB。だってクリスマスパーティーで友だちをたくさん呼ぶなんて、久しぶりなんだもの」

QB「そうかい。杏子も来るようなことを言っていたよ」

マミ「嬉しいわ。後は鹿目さんと暁美さんね。招待状書かなくっちゃ」

QB「(準備に掛けてる手間は明らかにマミの方が上だね……)」

国際サンタ協会とかなかったか?

張り切っちゃうマミさんはかわいい

数日後

ほむら「おはよう、まどか」

まどか「お、おはよう! あのね、今朝起きたらこんな手紙が……」

『よい子のまどかへ。サンタクロースはいるんだよ。パパやママが気付いていないだけさ。ところで、今度のクリスマスイブにパーティーを開くから、ぜひ来てほしい。会場は……』

ほむら「よかったじゃない。サンタさんから手紙が来たのね」

まどか「でも何で会場がマミさんの家なんだろう?」

ほむら「ここだけの話、マミさんはサンタと知り合いなの」

まどか「えぇっ!? そ、そうだよね。魔法少女だもんね」

QB「(しかしあれは不法侵入というものじゃないのかい?)」

ほむら「(あなたが気にすることではないわ)」

まどか「でも、せっかくサンタさんが誘ってくれたんだし、そっちのパーティーに行こうかなぁ。あ、わたしのパーティーにほむらちゃんを誘っちゃったんだ……」

ほむら「気に病む必要はないわ。まどかがマミさんの家に行くのなら、わたしもそうする」

まどか「そっかぁ……ごめんね」ティヒヒ

                    , ; '"´/    _...--..\,-ー- _
              ,; '"   /    /"~~""'''ヽヽ r'")
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  ||||ゝ,,丶\::v || |:∥ -__w ヽリ゙リ゙|j:∥//  /|リ
   ヽヾゝ''ヽヽ::,, --v,∥ :リ,,リ,゙,,,,,::://ノ /リ
     ヾ|ヽ,゙ヽヽ,,   ''|'''_  :::ソ/  /リ

      | ゙ヽ.\゙Vri ri | ∥iヾソノ  / |
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      |    \ ゙゙'''''゙゙'''''''゙ /    |

             ゙'ヽ-----''゙゙

12月24日

まどか「おじゃましまーす」

マミ「いらっしゃい。皆来てるわよ」

さやか「おーまどか」

杏子「おっす」

まどか「ティヒヒ、お泊りの許可下りたよ!」

マミ「良かった。これで今日はお泊りパーティーね!」

さやか「マミさんすごく嬉しそう……」

あんあん!

まどか「あれ、ほむらちゃんは?」

QB「何か用意があると言ってね、遅れてくるらしい」

まどか「ふーん」

マミ「とりあえず皆でケーキ食べましょう。七面鳥も用意してあるわ」

杏子「すげーな、おい」

マミ「QBはこれね」

QB「僕も頂いていいのかい」

ほむら「遅くなってごめんなさい」

さやか「うわ、何よその大荷物」

ほむら「気にしないで」

マミ「じゃあ、皆そろったことだし、メリークリスマス! 乾杯!」

さやか「いえー!」

杏子「うめぇなこれ」ガツガツ

まどか「ほむらちゃん、用事って?」

ほむら「たいしたことじゃないわ。それより、ケーキなくなるわよ」

まどか「あ、そうだった! よーし、食べるぞ! それにしてもマミさん、サンタさんと知り合いなんてすごいですね」

マミ「?」

ほむら「ええ、こんな素敵なパーティを用意してくれるなんて、サンタさんみたいね」

マミ「?」

荷物は盾にしまって来ればよかったんじゃ…

マミ「そろそろ、プレゼント交換の時間ね」

さやか「ちゃんと自分の金で買ったんだろーなー?」

杏子「あたりめーだ、バカ」

マミ「じゃあ、順番に回していって、音楽が止んだらストップね」

イーツーカキミガ ヒトミニトモス アイノヒカリガ

まどか「皆、どんなプレゼントを持って来たんだろう」

QB「500円以内だから、たいしたものはないだろう」

ホーロービイソグ セカイノユメヲ タシカニヒトツ……

マミ「はい、ストップ!」

まどか「これがわたしのかぁ」

さやか「あ、それあたしが持ってきたやつ!」

まどか「開けていい?」

さやか「どうぞどうぞー」

まどか「きゃあ!? トカゲ!?」

さやか「あはははは。さすがいいリアクション! まどかで良かったわー。作りものだから安心して」

まどか「扱いに困るよ……」

siehomu

さやか「じゃあ、あたしも開けよっと。これは誰の?」

ほむら「わたしよ」

さやか「ほむらはどんなのくれるんだろー。って、鼻眼鏡!?」

ほむら「今掛ければいいわ」

さやか「意外と下らないものを持ってくるのね……」

ほむら「と言いつつ掛けるんじゃない」

さやさや

マミ「わたしも開けていいかしら」

杏子「マミのはあたしが持ってきたやつだな」

マミ「佐倉さんが……。まぁ、おしゃれなコースター」

杏子「そこの雑貨屋で見つけたもんだから、安っぽいプレゼントだけどな」

さやか「意外だわ……」

杏子「さて、あたしは」

まどか「杏子ちゃんのは、わたしのプレゼントだよ!」ウェヒヒ

杏子「って、うんまい棒……50本くらいか!?」

まどか「それくらいしかネタが思いつかなくて」ティヒヒ

杏子「あたしだから良かったようなものの……」

ほむら「わたしのはマミさんのね。……ティーパック。ありがとうございます」

マミ「いえいえ」

あんあん!

さやか「さーてそろそろ寝ますか」

杏子「割と楽しかったな」

マミ「今日は皆来てくれてありがとう。じゃ、また明日」

まどか「zzz……」

ほむら「……QB、準備をしなさい」

QB「え、ホントにやるのかい」

ほむら「何のためにこんな衣装まで借りてきたと思ってるの」

QB「公民館もよく貸してくれたものだね……」

ほむら「早くトナカイの衣装を着なさい」

QB「どうかしてるよ」

まどか……まどか……

まどか「うー……ん?」

ほむクロース「まどか」

まどか「!?」

ほむクロース「今日はクリスマスパーティーへようこそ。わたし……わしがサンタクロースよ……じゃよ」

QB「クエエエエエエ」

まどか「……」

ワロタ
クエエて、可愛いなおい

ほむクロース「まどかはぬいぐるみが欲しいということじゃったが……サンタも最近不況のあおりをくらっていてな……手作りになるが許しておくれ」

まどか「……」

ほむクロース「わしはサンタを信じる良い子のもとに来るよ……」フォッフォ

まどか「ほむらちゃん、なにしてるの?」

ほむクロース「!?」

まどか「QBも……」

ほむクロース「な、何を言っているのかしら」

まどか「いいんだよ、ほむらちゃん」クスッ

ほむクロース「まどか……」

ほむぅ……

まどか「サンタさんはいないけど、ほむらちゃんはわたしのために色々準備してくれてたんだね。それに、このぬいぐるみすっごく可愛い!」

ほむクロース「……」

まどか「ありがとね。じゃあこれからはほむらちゃんがわたしのサンタさんだ」

ほむクロース「よ、喜んでやらせてもらうわ!」

まどか「QBもお疲れ様」

QB「やれやれ」

まどか「ほむらちゃん」

ほむら「何?」

まどか「メリークリスマス」

ほむら「……メリークリスマス、まどか」

おわり

まどか「そういえば、あの招待状……ほむらちゃんどうやってわたしの枕元に置いたの?」

ほむら「よ、良い子は早く寝るのよ」

乙っちまどまど
一足早いクリスマスSS、和んだわ

ほむほむ

乙乙


綺麗に纏まったな

乙乙乙

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