坂本「宮藤、こんなものが届いたぞ。」宮藤「これは!」 (22)

宮藤「餅米じゃないですか!」


坂本「うむ、扶桑からの配給で届いてな。」


坂本「あと土方が一緒にこれも送ってきてな。」


宮藤「杵と臼……そして小豆、これはつまり……」


坂本「あぁ。」


宮藤坂本「「餅。」」


坂本「だな。」


宮藤「ですね。」

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坂本「宮藤、私は杵と臼の準備をしておくからお前は餅米の準備を頼む。」


坂本「明日決行するぞ!」


宮藤「はい!」






翌日


ハルトマン「みーやふじぃー、なにやってんのぉ?」


宮藤「あ、ハルトマンさん。」


宮藤「餅米が届いたので餅を作ろうかと思いまして。」


ハルトマン「モチ?なにそれ美味しいの?」


宮藤「美味しいですよ。」


ハルトマン「ちょっと一口味見ー」


ガシッ


宮藤「ハルトマンさん。」


宮藤「まだ出来てませんから。」


宮藤「蓋を開けないでください。」


ハルトマン「わ、分かったよ……」

坂本「宮藤、こちらは準備完了だ……む?ハルトマンは何故半泣きなのだ?」


ハルトマン「なんでもないよ……」


ハルトマン(宮藤がマジギレした時のミーナに似てたとは言えないよ……)


宮藤「こっちはあと少しで出来そうです。」


宮藤「お湯は沸かしておいたので坂本さんお願いします。」


坂本「うむ、心得た。」


ハルトマン「そんな沢山のお湯どうするの?」


坂本「これで杵と臼を温めておくんだ、餅つきでは欠かせない作業だ。」


宮藤「十分くらいでそっちに行きますね。」

シャーリー「ん、なんだぁ?少佐、ウッドハンマーに湯をぶっかけてんぞ?」


ルッキーニ「うじゅー」


宮藤「あ、シャーリーさん、ルッキーニちゃん!ちょっとそこどいてー!」


シャーリー「宮藤か…ってなんだそれ、ライスか?」


ルッキーニ「いっぱいあるねー、おにぎり作るの?」


宮藤「ううん、餅つきするの。」


シャーリー「モチ?」


ルッキーニ「なにそれー」


坂本「おお宮藤、餅米が炊けたか。」


宮藤「はい!」


坂本「こちらもいつでもいける。」


坂本「私が杵でつくから宮藤は餅を頼む。」


宮藤「分かりました。」

シャーリー「なんか知らないけど面白そうだな。」


ルッキーニ「うじゅー!」


ハルトマン「早く作ってねー」


バルクホルン「ハルトマン!珍しく早起きしたのならば部屋を片付け……何事だ?」


ペリーヌ「少佐がハンマーを持っていますが……なんなのでしょう?」


エイラ「んー…なんダァ?あの二人なにしようとしてるんダ?」


サーニャ「あれ……おこめ……?」


リーネ「あ、芳佳ちゃんここにいたんだ。」

坂本「やれやれ、人が集まってきてしまったな。」


宮藤「いいじゃないですか、減るものでもないですし。」


坂本「はっはっはっ、そうだな。」


坂本「ではいくぞ宮藤!」


宮藤「はい!坂本さん!」





エイラ「少佐がコメをグネグネ潰し始めたナ。」


ペリーヌ「ひたむきな少佐も素敵……」






坂本「よっ」


ぺたん


宮藤「はいっ」


ぐにっ


坂本「よっ」


ぺたん


宮藤「はいっ」


ぐにっ


ぺたん
ぐにっ
ぺたん
ぐにっ


坂本「ペースを上げるぞ宮藤!」


宮藤「はいっ!」


たんっ
ぐにっ
たんっ
ぐにっ
たんっ
ぐにっ

シャーリー「すげー……ってか速ええ!!」


ルッキーニ「芳佳の手がハンマーに潰されそうでハラハラすりゅよぉ」


バルクホルン「……」ハラハラ


ハルトマン(心配性だねぇお姉ちゃんは。)


サーニャ「芳佳ちゃん凄い……」


エイラ「ワタシにもできるゾ!できるゾ!」


サーニャ「エイラは未来予知があるからじゃない」


エイラ「」


リーネ「わぁ……お米がどんどん一つになっていく…!」


ペリーヌ「ハンマーを振り下ろす少佐、凛々しいですわ……!」

宮藤「そろそろですね!坂本さん!」


坂本「うむ!ラストスパートだ!」


とん
たん
とん
たん
とん
たん
とん
たん

…………

……





宮藤「できました!」


坂本「はっはっはっ!なかなか見事な出来映えじゃないか!」


宮藤「はい!」


バルクホルン「なぁ少佐、それに宮藤。」


坂本「なんだ?」


バルクホルン「二人とも何をしていたんだ?」


ハルトマン「えー?トゥルーデ知らないのぉー?モチを知らないなんて軍人失格じゃないのぉー?」


バルクホルン「な、なんだと!?ならばフラウお前は知ってるのか!?」


ハルトマン「美味しいらしいよ。」キリッ


バルクホルン「お前も大して知らないじゃないか!!」


ハルトマン「えへへ……」


宮藤「これは餅っていって扶桑の加工食品の一つなんです。」


シャーリー「パンみてーなもんか?」


宮藤「主食になるほどではないですけど……いろんな料理に使えて美味しいですよ?」

ルッキーニ「いただきぃ!」


宮藤「あっ!ルッキーニちゃん!」


ぱくっ


ルッキーニ「……味しにゃい。」


宮藤「あはは……」


エイラ「しっかし少佐も宮藤もすごい手慣れてたナ。」


坂本「扶桑の人間なら当然の嗜みだ。」


宮藤「私はお正月とかにお婆ちゃんと作ってましたから……」


坂本「見事なアシストだったぞ宮藤、まさに阿吽の呼吸、私と宮藤は相性が良いようだな!!」


リーネ「!」


バルクホルン「!」


ペリーヌ「!」


エイラ「!」

宮藤「ふぅ、じゃあこれをお団子に」


リーネ「ちょっと待って芳佳ちゃん。」


宮藤「え?」


リーネ「みんなお餅をいっぱい食べたいと思うから多分それだけだと足りないと思うんだ。」


宮藤「そ、そう?」


坂本「そうか……ならばもう一働き」


バルクホルン「いや少佐、我々も扶桑の文化を学んでみたいからな、ぜひ我々にもモチツキをさせてはもらえないだろうか。」


エイラ「そうダナ!私も(サーニャと)モチツキやってみたいゾ!!」


坂本「そうか……宮藤、どうだ?」


宮藤「あ、大丈夫ですよ?まだ餅米はありますしもう一度炊けばできますよ。」


坂本「いや、そうではない。」


坂本「初心者だけで餅をつかせては危険だろう、恐らくお前が相方になるであろうし負担がかかるだろう。」


宮藤「大丈夫です、慣れてますから。」

宮藤「じゃあ私、炊いてきますね。」


宮藤「あとこの餅も早くしないと固くなっちゃう」


坂本「うむ、手伝おう。」


ハルトマン「私も(味見)てつだうよぉー」


リーネ「……」グー


バルクホルン「……」グー


リーネ「……」チョキ


バルクホルン「……」チョキ


リーネ「……!!」チョキ


バルクホルン「……!?」パー


リーネ「よし!」


バルクホルン「無念……!」


エイラ「熱いナあの二人。」


サーニャ「私も混ざればよかったかも」


エイラ「!?」

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